小学校5年生の男の子。学校検尿で血尿を指摘されて来院した。
私「赤血球がしっかり出ている、いわゆる血尿ですね。超音波やりましょう。」
彼「えっ、何々、何やるの?」
看護師「じゃあここにゴロンして。まずは仰向けからね。タオルで服が汚れないようにするからね。」
彼「えっ、お腹出すの?いや~~ん。」
私「痛くない検査だよ。これ触ってご覧。痛くないでしょう?これをお腹に当てるとお腹の中が見えるんだよ。」
彼「何々?これパソコン?USBなんでしょ、USB!」
私「USBはプリンターとつながってるだけだよ。これはプローベって言って、これをこうやって当てると・・・ほらこれが腎臓だ。」
彼「うわっ、すげー。何これ、この丸いの。」
私「腎臓だよ。ここでおしっこを作ってるんだ。息を吸ったり吐いたりしてごらん。ほら動くでしょう。しっかり見たいから息を吸ったところで息をぐっと止めてもらえるかな。行くよ、はい!息を吸って、止めよう。」
彼「すぅ!うぐっ・・・でもさ、なんでパソコンに映るの?」
私「止めようよ。はいもう一回。吸って・・・」
彼「すぅ!うぐっ・ぐっ・ぐっ・・・ぷは~。笑っちゃうよ。」
私「5年生だろ。しっかり止めようぜ。」
彼「ねぇねぇ、なんでパソコンに映るの。USBなんでしょう。」
私「少しは黙らんか・・・教えない。出来るまで教えない。」
彼「すぅ!うぐっ・ぐっ・ぐっ・うぐっ・ぐっ・ぐっ・うぐっ・ぐっ・ぐっ・・・ねぇ、まだ?」
私「まあいいか・・・次は膀胱。ほら!この黒いのが膀胱の中で・・・一杯おしっこがたまってるな。」
彼「うげっ、漏れる!早くしないとやばい!!」
私「君、今の今までひと言もそんなこと言ってないじゃないか・・・次は背中。」
彼「え~っ、なんで背中見るの?」
私「背中の方が腎臓は見やすいんだよ。」
彼「じゃあどうしてお腹から見たの。」
私「ええい!黙らんか!!・・・教えない。さあ、また息を吸って・・・止める。」
彼「でUSBなんでしょう??」
母「済みません。本当に口ばっかり達者で・・・静かにしなさい!」
私「いえいえ、興味のあるのはいいことです。これの先から超音波が出ていて、その跳ね返ってきた信号をパソコンに送って動く画像にしてるんだよ。」
彼「へぇ~。これパソコンなんでしょ。いくら?」
私「500万円かな。」
彼「またまた・・・うどん一杯300万円ってやつでしょ?」
私「お前は関西人か?ほんまに500万円なんじゃ~~普通のパソコンが50台買えるんだよ。」
彼「え~~~っ、凄い!これ欲しい。」
母「バカなこと言ってないで早く服を着なさい。」
学校でもこうなんだろうな・・・面白いけど、仕事が進まない・・・
自覚症状のない学校検尿異常の子供達が押し寄せる外来には普段通りの笑いが転がっているのだ。
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