昨日の影響で憂鬱な外来日となった。
鉛のような身体を引きずって外来へ到着するともう既にカルテの山が・・・
しかししょっぱなの男子で復活した。というのは
「先生、しっこがやたらと出るんッスよ。しかも出たのに残ってる感じ。気持悪いッス。」
「わかったわかった。で、膿はでるの?痛みは?」
「膿・・・ちょっと白いッス。でも痛みはないな~~。」
「この一週間で女の子とエッチしたか?」
「えっ、この一週間ッスか・・・してないッスよ。俺もてるんだけど、してないッスよ。いや本当!」
「わかったわかった。信用するけど、もしそういうことがあったら女の子にも治療をしなくちゃならないこともあるから、必ず言えよ。」
腎移植後の患児だが、拳法をやっている好男子で軽口を言い合いながらの診療でスタートできたのだ。
その後はいつも通りの外来で推移し、午前の最後に来た中学2年生はタマタマの痛みでやってきた。
「いつから痛いの?」
「2週間くらい前に体育祭の練習が始まって、それからです。」
「どれ、見せてもらおうか。」「あっ、そうそうお母さんと看護師さんには出ていってもらおうな。それとも見せたい?」
「いっ、いえ。」
二人っきりの診察室でズボンを下ろし、陰部を確認すると精巣の上の静脈がグニャグニャと腫れ上がっていた。精巣静脈瘤だが精巣も少し小さくatrophy?と感じ、これは泌尿器科にまかせる他はなかった。
「そこが、ちょっと・・・」ともぞもぞさせながらも
「それからち○この先の、この白いのなんですか?」
「そりゃ君、恥垢だよ。大丈夫、心配ない。ちゃんとしないとモテないぞ。」
「はい!わかりました!!」
母親には淡々と説明し、泌尿器科への紹介状を持たせた。
午後の最後に来た女の子は鉄欠乏性貧血でフォローアップしていて、先月肉親の看病からストレスによる十二指腸潰瘍を起こした子であった。
「先生、先週生理みたいな血がおしりから出たから来た。」
「ということは真っ黒じゃなく、真っ赤ッカだったんだな?」
「そう。ポタッ、ポタッて出てきた。でも痛くなかったんだよ。」
「その前にうんこが固かったりしなかった?」
「う~~ん、固かった時もある。」
「よし、じゃあ痔かもしれんから見せてもらおうか。」
「え~~、先生に見せるの?」
「俺じゃ不服か?な~~んて言わんよ。女医さんに見てもらおう。外科の先生だよ。別に俺に見せてくれてもいいけどな。」
「見せたら減る。」
「ハッハッハ。わかったからちょっと外で待ってな。」
外科の先生に診察してもらった結果、痔であることが判明し、薬を処方され笑顔で帰っていった。
小児科医にとって診察が難しいのは乳幼児ではなく、思春期の子供達だと思う。精神の成長過程の彼彼女たちは今回のようにはすんなり行かないことが多い。診察の雰囲気ひとつで重要なことをしゃべってくれなかったり、薬を飲んだと言いながら飲まなかったりなどざらである。(特に難しいのは拒食症の患児で、今度詳しく述べることにする。今日はここまで。)
ということで和気藹々の外来が今日も繰り広げられたのであった。
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