2009年12月18日 (金)

お届け物

 「頑張らなくていい」っていう場面が人生にあってもよいと思う。こと精神的に病んでいる時にはそうだ。

 しかしそれ以外は頑張った方がどれだけ良いか計り知れない。四十を越えてしばらく経つが、いまだその気持ちは萎えることがない。変化球を覚えなきゃと思いながら、直球勝負に拘ったままだ。

 先日ちょいと弱音を吐いたけれど、結局直球を投げ込んでいるうちに、また私の目の前にある坂の上の雲が少し輝いて見えた。ならば見据えて進むしかなかろう。

 マスコミ報道に振り回された数ヶ月だったが、インフルエンザ罹患児はめっきり減り、気が付けばもう年の瀬だ。ワクチンの時間外接種などでヘロヘロになりながら、合唱団の練習も切り盛りしてきた。来週は恒例のクリスマスキャロルだ。

 合唱団員の思いが一つになれば、必ず聞いてくれる皆にその思いが届くはずだ。またあの笑顔が見たい。一緒に口ずさむ姿が見たい。そして一緒に涙したいのだ。

 皆それぞれ波瀾万丈の人生を歩んでいる。突然の入院に驚く患児やその家族も、入退院を繰り返す患者さんも、余命幾ばくも残っておらず家族と共に平穏を望む患者さんもそれぞれの思いを胸に生きている。彼らを助けたいなどとおこがましいことは思っていない。ただ一途に、清らかな心と澄んだ時間を一瞬届けられたら、それでいい。

 直球ど真ん中の歌声よ、届け!

 

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2009年12月15日 (火)

礼を失する

 天皇陛下に特別な思いを抱く世代ではない。いや、もうそういった人達はほんの少数に違いない。しかし日本の象徴であるのは言うまでもなく、ある意味日本の伝統文化を継承する人間国宝であり、国民として守り続ける必要のあるのが皇室であると認識している人達は多いはずだ。その皇室を自らの面子のために、貢ぎ物外交のために利用しようとしているふとどきな輩がいる。

 天皇陛下の公務要請は、1ヶ月以上前に行うことという不文律があるらしい。そりゃそうだろう。警備も含め万全を期する為にはそれくらいの時間を掛ける必要があるのは誰にでもわかることだ。もし万が一を考え、落ち度なく会合を行うため、これまでもこの期日を守ってこられたという実績もある。聞けばこれまでお断りされ、改めて招き招かれたこともあるとのことだ。

 かのふとどきな輩は、公文書に記載されていない、法律で決まっていないことと声を荒げているが、厚顔無恥も甚だしい。背広を着た政治家が日程調整して要人への土下座会合をするのではない。日本の伝統・文化を背負っている方に参謁させていただくことをお願いするのだ。それがどれだけの用意が必要か、アホの頭で考えても明らかだろうに。

 どうかこやつの面に泥を塗るべく、宮内庁は策を練って欲しい。選挙に勝てば官軍と公言して憚らない厚顔不遜の輩に鉄槌を! 

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2009年12月13日 (日)

鉄瓶

 インフルエンザ罹患での受診により、中学生を外来で診察することがとても多くなった。そのせいか女子中学生たちの貧血を指摘する機会が増えた。

 思春期の女の子は、不定期の月経が始まることや、急激な身長の伸びなどが相まって、鉄欠乏性貧血に陥ることが多い。従って努めて鉄分を摂る必要がある。しかしやせ願望とか、激しい部活によって摂取が滞ると貧血になってしまうのだ。
 
 こりゃ治療が必要だというレベルのものから、鉄分の多い食事を勧めるというものまで様々だ。治療は鉄剤を内服するというものになることが多いが、この鉄剤、胃腸障害という副作用がある。これが強く出ると内服できないとか、吸収不良がおこってしまうことになる。先日来院した女の子は他院で鉄剤を処方されたが、腹部症状が強く、それを医者に話しても貧血がさらに進んでいるからと、倍量の鉄剤と胃薬を持たされたとのことでやってきた。う〜〜ん・・・・
 
 とりあえず少なめの鉄剤と胃薬を処方し、それと同時に食事療法をお話しした。特に鉄瓶を使うことを薦めたところ、特に胃も痛まず、貧血も改善した。

 鉄分の補給にレバーを始めとした肉類、シジミを筆頭とする貝類、大豆食品などをお話しすることは多い。肉類に含まれるヘム鉄はとても吸収しやすい鉄であるが、好き嫌いがあるといかんともしがたい。その場合鉄瓶でお湯を沸かし、その湯を使って料理することをお勧めする。鉄瓶で沸かしたお湯には二価鉄が含まれ、これが鉄分補給にはとてもよいことが知られている。更にこれによりお湯がとてもまろやかになるらしい。一石二鳥だ。

 中学生ではないが、小児科では1歳前後の子供達に起こる鉄欠乏性貧血をよく経験する。これは成長期であること、離乳食へ移行する過渡期による鉄分不足に加え、牛乳の大量摂取によることが多い。人工乳からの移行で牛乳を好む気持ちはわかるが、必要な栄養をとれなくなるほどの牛乳摂取はよくないことを知って欲しいところだ。

 今日はちょいと余裕があったので、豆知識ということで。

 

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2009年12月 9日 (水)

頑張ったね

 Pandemic Flu vaccineを接種するためやってきた姉と弟。姉は4つ、弟は1つだった。

 まず姉が母に抱かれ、私に肘を曲げた左手を差し出した。

 見たまま真似て、弟も肘を曲げて私に左手を差し出すではないか!

 「おっ、お姉ちゃんと一緒のことできるんか?偉いな。」と言うと、弟は不思議そうに母の顔を覗き込んだ。

 チクッ

 姉はビクともしなかったが、弟は急に泣き出した。

 まるで自分の腕が痛くなったように。

 今度は弟の番。

 予行演習で疲れたか、涙目で腕を差し出すところまで行けない。

 今度はお姉ちゃんの出番だ。一緒に腕を差し出すと、弟もそれに倣った。

 チクッ

 おおっ、自分の本番は泣かない!

 とても疲れた外来&予防接種だったが、これに救われた。

 ありがとう!またな!!

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覚悟はあるのか

 この国をどこへ向かわせようというのだろう。

 明るさの見えない未来への借金を膨らませ、先端技術・科学・文化への投資をしぶり、そして国防の基幹である日米関係を危うくさせる現政府とは一体なんだろう。チェンジの空気に乗せられて、彼らを選んだ国民の責任であるが、あまりにひどいもので情けなくなる。

 私は現政府を一貫して否定してきた。先日の選挙以前から変わらないのはこのブログが示す通りだ。連立のため仕方なく、民主党の主張どおり行っていないからだと言うなかれ。彼らの党の中には旧社会党左派グループが実在しているのだ。連立でなくともこうなることは目に見えていた。

 耳障りの良いことばかり並べて、金は余っていると主張してきた結果が、国債大発行&未来への投資切り捨てである。バカにするのもほどがある。そして明日にでもこの国を危険にさらす用意が着々と進んでいる。日米関係の極悪化である。

 彼らの核の傘の下にいる我が国は、独立国と言いながら属国、いや一州都に過ぎないと述べてきた。環太平洋では最大規模の海兵隊基地を有し、首都東京に米空軍が、近隣横須賀には原子力空母を要する米海軍が、そして何より我が国を囲む海の底には米原潜が多数潜行しているのだ。守られている?それとも監視されている?どちらも真である。

 そんな我が国が核廃絶を真顔で世界に訴えるなど茶番以外の何者でもない。核兵器保有No.1の国の大統領がノーベル平和賞を戴冠するのと同じくらい茶番であろう。おとなしく属国のままでいるのか、それとも真の独立国として極東アジアでの地位を確立するのか、どちらかをハッキリさせるべき時が近づいていることも述べてきた。国民の間で本気の議論がなされなくてはならない、その時が現政府により早くも来てしまったのだろう。

 真の独立のためにすべきことは、中国・韓国との土下座外交は今後一切しない、中国と北朝鮮が持つ核兵器に対抗できるよう軍備すなわち核兵器を所有する、ロシア・韓国・中国との領土問題を外交ではなく軍の駐留で解決させるなどを立ち上げる他はない。それが嫌なら、属国として唯々諾々と今の平和を甘受すべきだ。

 その覚悟はあるのか。。。

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2009年12月 3日 (木)

ご冥福をお祈りします

 また一人、芸術家が旅立たれた。石井歓さん、数々の合唱曲やオペラなどの作曲でその名を轟かせた大御所だ。

 学生時代に男声合唱曲『枯れ木と太陽の歌』で出会い、混声合唱組曲『風紋』のタクトを振った。流れ、吹きすさぶ風を存分に感じられる曲風に心奪われた。ご冥福をお祈りしたい。

 さて、年末。ということはクリスマスキャロルも間近ということだ。今年ももちろん、ヤル。

 今年の目玉はAMAZING GRACEだ。どこまで味を出すことが出来るだろうか。

 風のイメージはない。動のイメージではなく、静の中に差し込む光だ。ただこの曲の起源を辿るうちに、動も表現すべき事を知った。どう融合させるべきか、そこを考えると楽しくて眠れなくなる。

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2009年12月 1日 (火)

ジェレミーが ねっ

 川崎病で入院していた男の子。入院当日から逃避行動が強く、医療者には全く目も合わせず、知らん顔。ひたすら自分の世界に閉じこもり、あわただしくお気に入りの本をめくってはブツブツ独り言をしゃべっていた。

 もちろん両親とはコンタクトがとれていた。しかし心臓のエコーを行うときは全く誰の言うことも聞かなかった。それこそ数人で押さえつけないと全くエコーのプローべを当てることができなかったのだ。初回は40分悪戦苦闘した。2回目も・・・

 川崎病の冠動脈病変は発熱してから10~14日で出てくることが多い。一番確実に検査するため、3回目は麻酔を使うことにした。瘤はなかったが、おそらくもともとであろう、左冠動脈の走行がとても複雑な子供であった。

 ガンマグロブリンが奏功し、あっという間に解熱し、冠動脈変化もないため、外来フォローアップとなった。2週間後、心エコーのため来院。その日は始めから憂鬱だった。そりゃそうだ、パワーアップした彼がおとなしくしてくれるはずもない。

 その日外来の看護師さんが、一緒に検査室に入ってくれた。横になるのをぐずる彼にこう言った。

看「ねぇ、パーシーって何色だったっけ?」

すると突然彼は動きを止め、頭の上方にいる彼女に向かってこういった。

児「みろりだよ。ジェームスはあかいの。」

今日の彼の服は機関車トーマスだった。そこからはトーマスの仲間達の話で盛り上がった。

私「ハロルドは知ってる?」

児「しってるよ。ヘリポプターだよ。」

看「ゴードンって強くて早いんだよね。」

児「でもねジェレミーのほうがはやいよ。」

・・・10分経たずに終了。

 これからこの子にはトーマスでと看護師さんと話しながら、今日の再心エコーを迎えた。えっ、しまった。今日はあの看護師さん、急に休んじゃったの?!

 でも大丈夫。今日はお母さんが袋いっぱいにトーマスの仲間達を入れて来てくれた。初めて飛行機のジェレミーに出会った。

私「やぁ、君がジェレミーか。かっこいいな~」

児「そうだよ。しゅごくはやいの。ハロルドもいるよ。でもね、はねがとれちゃったの。あしょんでたらどっかとんでっちゃったの。」

 ありがとな、ジェレミー。またよろしく!

Jeremy_photo  

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給食大盛り!

 腎炎で薬を飲んでいる小学生がいる。同時に喘息でも内服等続けている児だ。彼自身もそうだが、この児のお母さんも弟もとてもユニークなので、いつも外来で笑いが絶えない。

 週末39℃の発熱でうなっていたが、月曜になって熱が下がり始めた。このまま学校へ行っても良いか、治療は必要かとのことで昨日来院された。喘息が悪化しているわけでもなく、インフルエンザが流行っている学校ならば、それとして様子を自宅でみてもらって全く構わないのではあるが、今週Pandemic Fluのワクチンを接種する予定でもあり、これがインフルエンザなら接種しなくて済むからとのこと。確かに¥6150を子供二人にするのは、なにかと年末物いりの季節にはちと厳しいかも・・・

 実際に拝見してみると、咳が結構出始めていた。咽頭所見はインフルエンザっぽいものの、クラスには誰一人感染者がいないとのこと。登校班にもいないとすると・・・基礎疾患もあるので、迅速検査を施行してみたところ、A(+)。これなら罹っているようですねとお話しした。

母「クラスで一番最初じゃない!他に一番になんかなったことある?もう、一体どこでもらったのよ。」

児「実は・・・隣のクラスがインフルエンザで学級閉鎖になってて・・・それが閉鎖が終わっても来てる人が少ないから・・・給食が余ってて・・・」

母「あんたそれもらいに行ったの?」

児「・・・・だってうちのクラス誰も休まないから、給食余らないんだよ。だから・・・」

 そういえば学級閉鎖の嵐で給食が余って出血大サービス大盛り!を敢行している学校が栃木などにはあるらしい。給食の食材も使えず捨ててしまっている現状も聞いてはいたが、そうかこういうこともあるのか。

母「でもこれで予防接種しなくていいから安く済んでよかったわ。弟も移らないかしら。」

 ちょっと待って、例えいつものインフルエンザより軽いからと言って、罹らない方がやっぱりよいと思うよ。

 ってことで、昨日もなごみの外来終了・・・・

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2009年11月29日 (日)

もどかしい

 愛読書である『坂の上の雲』のNHKドラマが始まった。ナレーションで司馬遼太郎の思いが語られているのだが、う〜〜ん、もう少し重く、そして心に訴えかけて欲しかった。これこそがこの物語の背骨だからに他ならない。

 映像は青春活劇と言うべきだろうか。若者であるからこれくらいでもよいかもしれない。もっともっと苦労した末の上京でなくては話が軽すぎるのではあるが。(司馬遼太郎も青春群像と表現していたのだから・・・)

 イヤなら本を読めばよいのだ。あえて口にするのも大人げないとも思う。

 若者達がテレビ局によって作り上げられたくだらない殴り合いなどどこ吹く風と、このドラマを見て何かを感じ取ってくれるとよいのだが。

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2009年11月28日 (土)

疲れた・・ほっと一息

 法事から帰っていきなり、インフルエンザ感染&低酸素&大葉性肺炎かと思われる幼児が運ばれてきた。無気肺を伴う右S1,2(+3?)の肺炎が発熱と咳の出現とほぼ同時に起こってきたようで、レントゲンの右上葉は真っ白。喘息の既往はないが、家族にはしっかりした喘息歴あり。こりゃまた人工呼吸管理か・・・と思っていたら、気管支拡張剤の点滴および吸入、そして理学療法で低酸素と多呼吸が見る間に改善した。

 翌日にはレントゲン像もかなりの改善を認めたので、肺炎と思っていたのはどうも無気肺の延長であったようだ。通常の大葉性肺炎なら肺容量が増加するのが通例なので、そりゃそうだってなところ。血液の炎症像も軽度であったことから、3日で抗生剤投与は終了とし、去痰&気管支拡張治療へシフトした。昨日入院時の血液培養の一時報告が帰ってきて検査科からの電話で「グラム陽性桿菌が出てます。」とのこと。何それ?この年齢で見掛けないぞと思っていたら、報告書にはグラム陽性桿菌の他、グラム陰性桿菌など数種類出ているとのこと。ダメだ、採取時のエラーだ。。。ということで当人は元気に退院となった。

 その他にも立て続けにインフルエンザからみの入院が続き、家に疲れて帰れば三男がインフルエンザを発症して寝込んでしまった。既にインフルエンザに罹患した自分が看病するとなると一体どこで休めばよいのやら・・・おまけにPandemic Flu のワクチン接種もあって外来はひっちゃかめっちゃか。トドメに急病診療所の当番!ようやく朝を迎えた。

 急病診療所は割と落ち着いていたが、時間ギリギリに来た赤ちゃんの状態がとても悪かった。生後まだ1週間で、夜中に発熱に気付かれてあわてて連れてこられたのだ。顔色が悪く、泣きも弱い。咳や鼻水はなく、出産前後で問題はなかったようだが、これは明らかにおかしい。GBSの敗血症、髄膜炎が頭をよぎった。間の悪いことにギリギリで他の患者さんも来てしまった。2次救急へ至急搬送が必要だが、救急車を呼ぶよりナビ付きの自家用車の方が早いと考え、紹介の電話と同時に紹介状を走り書きして持たせた。

 この赤ちゃんのことが気になりながら、残りの患者さんの処置を終わらせ、送った2次救急の病院へ出向いた。大学病院だが当直が一人ならあの子は手こずっておかしくない。人手が必要だろうと思ったからだ。救急処置室のドアを開けると、電話に出てくれた医師と研修中の医師?が二人で対応していた。既に点滴ルートが確保され、髄液採取などの準備が行われていた。酸素化はまずまずで痙攣もしていない。なんとかお願い致しますと頭を下げ、病院を後にした。

 まだ冬は始まったばかり。とんでもない冬になりそうな予感がする。。。

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