2018年8月29日 (水)

ロングライド

 息子が友人達と東京から仙台を目指して旅立った。自転車で行ってみたいのだという。ロングライドに慣れた友人達とのことで、頑張ってこいと声を掛けて送り出したのだが・・・
 国道4号線を北上する途中、車が多くて路肩を走ると釘や金属片が散乱していたと言う。なんと6人中4人がパンクし、一人は2回もパンクしたらしい。幸い息子はパンク被害には遭わなかったようだが、持参していたチューブを友人に渡して乗り切ったとのこと。しかし雷雨にも見舞われ、予定の2/3で輪行を余儀なくされ、白河から宿までの山道を食料調達した後登ると連絡が入った。既に夜も9時を回り、残り25kmあると言う。手助け出来るわけでもないが、心配で寝るに寝られない状態だった。ニュースではトラックが自転車旅行中の大学生を2人跳ね、意識不明の重体となっていると報道している。宿に着いたという一報が入るまで本当に長い時間を過ごした。
 その後珍道中が続いたらしく、何事もなく全員無事仙台に着き、食事を楽しんでいるとのこと。きっとひとまわり大きくなって帰ってくるのだろうと頼もしく思っているところだが、それにしても日本の道路行政は自転車にとってはあまりにもお粗末なものだと感じる。少子化でどんどん人も少なくなる一方だから、きっと道路は良くはならないだろう。自動運転で接触事故は少なくなるだろうから、路肩を走らずとも自転車を漕ぐことが出来るかもしれない。自転車も車もお互いを尊重して共存できるよう振る舞える日が来ることを願わずにいられない。
 さて、どんな土産話を持って帰ってくるのか、愉しみ楽しみ!

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2018年7月18日 (水)

西日本豪雨

 とんでもなく広範囲に、それこそ半端ない豪雨が長時間降り続き、何千という土砂崩れを引き起こし、人と家屋と生活のすべてを押し倒し飲み込んでいった。200名を超える命が失われ、なお行方不明も多数ということ、ご冥福をお祈りするばかりだ。そして被災された方にはどうか早く元の生活に戻れることを祈らずにはいられない。
 それにしても激しすぎる自然の猛威だ。これからもこういった自然災害はおそらく日本国中を襲うのだろう。何を優先すべきか、しっかり検証しなくてはならない。専門家の判断を待ちたいところだ。復旧も速やかにと願うばかりだが、豪雨の後のこの激しい暑さは弱り目に祟り目だ。熱中症でバタバタと倒れてしまわない方がおかしいくらいだ。
 豪雨被害とは違うが、小学生が課外授業を数時間受けているうちに熱射病で倒れ、亡くなったと報道された。ご冥福をお祈りするばかりではあるが、どうも腑に落ちないところもある。さすがに小学生ともなると、かなり環境への耐性もあるはずだが、これだけの短時間で命の問題になりえるだろうか?報道によると授業の早期に疲れを自覚していたとのこと。先に何らかの問題、例えばウイルス感染などがあったのではなかろうか。最終的に医療機関で検査して、多臓器不全という状況だったのだろうと推測するが、そこからでは判らない。血液など検体を採取し、ウイルス分離を施すか、剖検をするなど原因究明をお願いしたいところだ。もちろんご家族のお気持ちは察するにあまりあるが、今後学校の運営のみならず、子供たちの夏の過ごし方にどう対処すべきかの指針を得るためにも必要なことのように思う。
 この暑い夏は、今年限りのことではない。この激しい自然と向き合い、生きていくためにどうするべきか、今一度皆で協議すべき時が来ている。

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2018年7月13日 (金)

研究会参加

 昨夜は印旛市郡医師会主催の研究会。とあるホテルの一室で国立国際医療研究センター国府台病院の児童精神科の先生による講演を拝聴した。子供の精神疾患の初期対応についてという題目だったが、とても有意義なお話を聞くことができた。
 昨今不登校児は増加の一途を辿り、一般小児科診療で児童精神的アプローチが必要となる場面は激増している。どれもこれも時間を掛けないと対応できないのは間違いないのではあるが、病院へ相談に来る時点で、ほんの少し自分たちが考えてアドバイス出来るようなことは既に経験済みということが多い。そんな中で気の利いたアドバイスが出来ればそれが一番なのだが、それを教えてくれた講演だった。一番わかりやすかったのが、コミュニケーションの水準を考えようというもので、患児の言動には階層があって、一番底にある患児の考え、2番目の気持ち、その上に表現される言動があり、一番底に合わせた対応をしない限り不毛な争いをくり返してしまうというものだった。
 例えば不登校の児が「明日は学校へ行ってみようかな?」と言ったとすると、その言葉は最上階にあるもので、最下層にあるのはお母さん達に迷惑を掛けているのは申し訳ないという考えで、2番目は恐怖・焦り・不安であるということだ。翌日結局学校へ行けない子供への対応として、行く・行かないという階層で問答しても争いを生むだけで、最下層にあるお母さんに申し訳ないと思って昨日は学校へ行くって言ってくれたのね、というと子供に寄り添い、ステップアップしていく原動力になるというのだ。
 もちそん一足飛びにすべてうまく行くわけではないが、これは重要なヒントだと思う。このアドバイスがあれば、親も対応しやすくなるだろう。なによりこの根底には、学校へ無理に行かなくても良いよというニュアンスが込められており、恐怖からの解放が約束されるのだ。心が解き放たれるのは間違いない。そういった視点を変えることの意味、重要性、汎用性を教えてくれた1時間だった。
 自分の対応の信憑性を担保する機会にもなったので、とても有意義な研究会となった。関係者の皆様、ありがとうございました。

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2018年7月10日 (火)

退官記念パーティー

 小生にとって生涯のボスと慕う先生が定年退職なさった。小児腎臓の世界で知らない人はいないというほどのスーパースターなのだが、とっても人間くさくて、ある意味子供で、だからこそこのボスのためならと思う人が世界に大勢居るのだ。そんなボスの退官記念ということで帝国ホテルでパーティーが開催された。開催を知らせたら、来場者はきりが無くなるので、ボスの教え子に限って集まることになった。それにしても帝国ホテルでパーティーなんて、何を着ていくべきか・・・ドレスコードってあるんだっけ?
 これまでの苦労話と面白エピソードが語られ、やんちゃな人達の写真やビデオが映し出された。語り合うのも楽しく、あっという間に会が進行した。最後にボスの言葉が刺さる。「みんなに僕の知り得たすべてを残してあげる。好きに使ってくれていい。だけど目の前の患者がすべてであることは間違いない。どうするべきなのか全身全霊でぶつかっていくしかないよ。」
 
 先生、不肖の弟子ですが、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

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2018年6月 7日 (木)

梅雨入り

 今年も雨の季節がやってきた。運動好きな自分にとっては厄介な季節なのだが、今年自宅の庭には数種類の紫陽花が花を揃えている。雨に濡れるその花の玉を見ると、この季節も良いものだと思え、気分は揚げ揚げだ。
 そんななか、嬉しい文をいただいた。うちをかかりつけにしている子供の母親が、卒業文集に彼がこんな文章を載せてましたと持ってきてくれたのだ。「医者になるために」と書かれたその文章はとてもしっかりしたもので、おまけに字も丁寧で美しかった。そして私のような医者になりたいと結ばれていたことに、照れと感謝と責任を感じた。
 この仕事をしていると、外来受診中に医者になりたいと言ってくれる子供たちにしばしば出会う。その後看護師になった子や、医療機器を作成するべく工学部に入った子がまぶたに浮かぶが、多くは全く違った世界へ飛び出してゆく。先々月会った医学部6年生などの例はとても稀だ。それでも一時としても、自分のような者になりたいと思ってくれる子供たちがいることに感謝し、責任の重さを痛感するばかりだ。
 私はかなり厳しいことを子供にも親御さんにも伝えている。この子をどう育てたいのか、どういった大人になってもらいたいのか、そのために今どう対処すべきなのかを話しているつもりである。それに対し、きつく厳しい医者として拒否反応を示す方も多い。しかしこれに共感してくれるからこそ外来通院してくれる子供たちがいっぱいいることも事実である。
 今年は特に雨を見ながら、そんなことを考えるのだ。

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2018年4月24日 (火)

若武者

 小児科学会での発表のために博多へ。11時の発表だったが前日入り出来ず、早朝に羽田を発った。ろくに食事できぬまま発表を終え、後は一息。聴きたい様々な演題を渡り歩き、夜は旧友達と語らった。
 最終日、昼飯へ行こうとポスター会場を後にしようとすると、急に若者が目の前を塞いだ。「先生、ご無沙汰しています。」
「・・・おおっ、その声と顔は○△君かい?」
 なんとそこにいたのは、自衛隊時代の最後の勤務地であった舞鶴で、家族ぐるみで付き合っていた、そして病気の時は診てあげていた子だった。なんと凜々しい若者になったことか!
「今、弘前にいるんですけど、医学部の6年生で、医局の計らいで学会に参加させてもらっているんです。」とのこと。立ち話もなんだから、一緒に昼飯へ行こうと誘って学会場を後にした。
 ご両親のこと、兄弟のこと、サッカーをしていた彼がどう変わっていったのかなどいろいろと語ってもらった。何より医者になりたいって話はいつからそうなったのだろう・・・と問うと、
「先生に憧れて、先生みたいな小児科医になりたくて、医学部に来てます。学会もそうです。先生、きっといらっしゃっているだろうと思って探していました。」とのこと。一緒に昼飯を食べていた友人が、そりゃ責任重大だと横やりを入れてくる。本当にそうだ、こんな凜々しい若武者のような君に真顔でそう言われると、喜びというより身が引き締まるよ。
 その後もいろいろと語りあい、それぞれの帰る道へ分かれた。
 今日はありがとう。とても驚いたけど、本当に嬉しかったよ。なんでも尋ねてくれたらいい、それより無駄なことなんて何もないから、とにかくがむしゃらにやってくれたらいい。いつでも応援しているよ!
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2018年4月18日 (水)

修学旅行

 母校の後輩達が訪ねてきた。修学旅行の一環で、先輩に聴くという企画があり、それのために来院したのだ。
 鳥取大学附属中学校の3年生たちだが、昨年70周年記念企画として東京への修学旅行の最中にこれを行ったところ、大好評だったとのこと。今年もというところで、私の名前が挙がったらしい、それにしても東京の修学旅行なのに、こんな田舎へ来てもらったら可哀想なので、一旦は辞退させてもらうお話をした。しかしその後のやりとりで、やはり佐倉へ来たいということで、実現したのだ。
 折角来てくれるので、佐倉の歴史と鳥取との係わりを事前にお話しし、来院後は病院各部署へ案内し、それぞれで面白い研修となるよう考えてもらった。リハビリ・薬剤・放射線・検査・栄養・看護・事務の担当者には大変お世話になったが、みな二つ返事で了承してくれたのには感謝しかない。いろんな仕事を聴いた後、私のこれまでの経歴と考え方、そして後輩へのエールを聞いてもらった。手前味噌だが、楽しんでもらえたのではないだろうか。
 これからどんな人生を送るのだろう。修学旅行で佐倉に来て、人生訓を垂れてた医者がいたなと思い出してくれることがあれば、幸いだ。みんな頑張れ!

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2018年3月23日 (金)

旅立ち

 次男がこの春旅立って行くことになった。
 ラグビーをとことんやらせてくれと、花園を目指して3年間死に物狂いで頑張り、目前で夢破れた高校時代。気付けば学業の成績は下の下。しかしラグビー以外になりたい夢があり、そのためにまた猛然と勉強に励んでいた。その甲斐あって、予想外に早く夢への扉が開いた。
 本当に君には驚かされることばかりだ。そのパワーがあればなんだってやっていけるよ。仲間を巻き込む力もある君をもっと見ていたいよ。
 いつでも、いつまでも応援するよ。いってらっしゃい!

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2018年1月28日 (日)

インフルエンザの対応

毎年日本では1千万人以上の方が罹患し、相当数のお年寄りと数十人の子供が命を落としている。対策として早期診断と抗Flu剤の使用を呼びかけ、おまけに出席停止期間も長くなった。学校保健法の改正から10年以上、タミフルなど抗Flu剤の保険適応から10年以上経過したわけだが、上記の数はどうなっているか皆さんは知っているだろうか?

 答えは、年によって変動はあるものの1990年代からほぼ横ばいだ。
 確かに2009年の新型インフルエンザ流行時、世界で最も少ない死亡率を誇ったのは日本である。しかし、それならばこそ、何故罹患者数も死亡者数も減らないのだろうか。お年寄りの割合が増えたから?いやいや子供の世界を見ても、罹患者数は少子化の影響以上には減っていないぞ。。。ちなみに巷では色々言われたワクチンだが、肺炎球菌とインフルエンザ桿菌に対するワクチンを開始してから髄膜炎は激減し、市中病院ではほぼ見かけなくなった。それに比べて・・・と思うわけなのだ。
 どうだろう、インフルエンザの対応を本気で見直すべき時ではないだろうか。しっかりとした統計も厚労省が記録している訳だから、やる気さえあればできるだろうに。要らないことは要らないとはっきりさせるべき時だと思うのだが・・・

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2018年1月26日 (金)

CPCの作法

 昨日当院で亡くなられた方の臨床病理検討会(CPC)が開催された。なぜ亡くなったのか、真実の究明のためと今後の医学のためにご遺体の解剖をお願いして実現した病理解剖検討会である。ご本人、ご遺族のご理解あっての解剖であり、真摯に検討をすべき病院を挙げての検討会でなくてはならない。
 主治医、担当医は臨床所見を詳しく提示し、全職員と議論を重ね、病理医からの解剖所見を合わせて死に至る原因と対応について考える検討会だ。病院の格を表すと言っても過言ではない。プレゼンテーターはどこの病院でも研修医が行うことが多い。それは研修医は必ずCPCを経験しなくてはならないという規則があるためではあるが、本当の意味での医者になるために、真剣に患者さんと向き合い、死と向き合い、医療が正しく行われたのかどうかを検討する経験が必要であるからに他ならない。残念ながら一般市中病院での病理解剖の機会は減少傾向にある。故にとても貴重な機会をいただいているという気持ちも医療者全員が共有する必要がある。
 手前の恥を晒すようだが、当院のCPCは医者の半分も参加しない。失礼極まりない検討会だ。幸い昨日の研修医のプレゼンは見事であり、指導した主治医の対応も素晴らしかった。hemangiopericytomaというとても珍しく厄介な間葉系腫瘍による病態の変化を詳らかにし、何が出来たであろうかという検討も出来たのは幸いであった。だが少なくともこの判断は病院全体のものではない。情けない限りである。
 二度とこのような検討会にならないよう心に留めるべく、ここに記載する。

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