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2017年7月15日 (土)

一元論では難しい

小学校一年生で初めて受けた検尿。ここで蛋白尿を指摘され、大学で腎機能障害があるとわかり当院へ紹介された男児。血圧が6歳なのに180/120もある!しかもBUN53、Cr1.5ってこの年齢なら腎不全じゃないか?それにも関わらず無茶苦茶元気で、走っても疲れそうにない・・・まあこういう場合ならネフロン癆(nephronophthisis)で貧血あって、代謝性アシデミアでもうカリウムも高いかしらん・・・ん?貧血なし、代謝性アルカローシスでカリウム3.0?低??何その腎不全???

 そこからスタートした謎の腎不全だが、多飲多尿が昔からあって今も3Lほどいつも摂取して2.5Lの排尿がある。TTKG測ると優に8を超える。こりゃアルドステロンが悪さしているぞと思いながらレニン・アンギオテンシン・アルドステロンの検索に取り掛かった。これらの検査データ報告は遅い。その間に画像診断をしておくべきと各種取り掛かった。腎動脈狭窄はない、右副腎に比べ左副腎は大きいな・・・とすると原発性アルドステロン症か?しかしそれだけでこの年齢に腎不全まで持って行かれる高血圧の持続があるとは思えない。ならば腎不全は別の原因か?
 もしこれが原発性アルドステロン症だけで引き起こされた腎不全なら年齢的に世界初症例だ。しかしそんなこと起こりえるだろうか?高血圧が6年続くと腎機能障害を引き起こすと病理学の教科書には書かれているが、それにしてもこれほどの状態(eGFR30未満)は例がない。とすると二つのことが起こっているのか・・・さて。

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2017年7月14日 (金)

求人 (千葉 小児科)

 この仕事、お金目的でやっている人はまずいない。特に小児科医なんて金とは全く縁の無い仕事。病院のお荷物でしかない。もちろん救急を24時間、365日受け入れて、NICUやPICUをフル稼働出来る施設なら病院経営の一翼を担うことも可能ではあるが、それが出来る病院は全国見渡しても限られている。そういった意味で、千葉県のとある病院の懇意にしている先生はお荷物からトップランナーへ変貌を遂げるべく奔走し、成し遂げてしまったのだから本当に頭が下がる。これに対してうちはどうか?近辺の小児人口は減少の一途を辿り、某大学病院は病○△鎖の噂が流れている。そんな中で入院患者・外来患者数とも増えているのだから、よくやっている方だと思うのだが、お荷物はお荷物だ。
 ところが隣接する印西市は住みやすい町で全国1位を獲得し、子供の数が増えている!その地域近傍の大学病院はヘリ搬送でも有名な病院で、小児科へも力を入れ始めている。ここに重点を置くべきではあるが、うちへの公共移動手段がない。電車はおろかバスも無く、自家用車しか無理。つまり特別なことが出来るという売りがなければわざわざ来てもらえる病院ではないのだ。かといって医者の数が3人から急に増えることもないので、救急を前面になどとは行かない。じっくり腰を据えて対応すべき疾患に対し専門性をアピールするのが生き残る戦略となる。
 腎疾患についてはどこにも負けない自負はある。成人へ移行しても、成人の腎内科も県内トップの実績がある。腎疾患を合併しやすい膠原病も診られる。ちょいと外れるが夜尿の問題も得意だ。そのほか昨今増加傾向にあるアレルギー疾患も成育医療センターでの研修を終えた医師を中心に対応できる体制が整った。低身長などの内分泌疾患も地域への啓蒙活動が出来るほどの診療を行っている。またとても特殊だが全身の痛みを訴える病気についても対応可能だ。検査は核医学を含めほとんどのものが可能で、エコーは心臓・腹部・頚部・脳に至るまで医者が自ら検査診断できる。手前味噌だが面白い医療を実践しているので、遠くとも足を運んで欲しいし、お役に立てる病院であると自負している。ただし必要性の低い検査や薬の使用は厳しく制限しているので、とにかく検査とか薬をという患者さんには不向きであることを承知して欲しい。
 とここまで書いてきたが、今日の趣旨は別にある。こんな診療をしている我が小児科に来てくれる若手医師を募集したいのだ。
 今のところ給料は安いけれど、教えてあげられることは沢山あって、もちろん自分のやりたい医療を自ら計画立てて実践でき、文献も主要医学雑誌はオンラインで多数検索可能だから学会発表も論文作成も毎年できて、都心まで電車で1時間で行けるのに周りは房総の村状態で、家族との時間もとることが出来る小児科ってなかなかないですよ。いかがでしょうか?興味のある方、コメント欄へ一言記入していただければ、個別に対応させていただきますよ。
 

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2017年7月 8日 (土)

研究説明会

 先日知り合いの先生から新生児の腎機能を示す検査データを一緒に調べてみないかと誘われた。自分のいる病院では産科がないため生まれたての子供を調べることなどできない。しかし月二回出掛けている淡路島でならそれも可能かと考えた。淡路島の病院で産科の先生や助産師さんに相談すると蜂の巣をつついたような騒ぎになった。研究なんて自分たちが参加できるのか?それってどんなことに気をつけたらいいのか?倫理委員会なんてうちの病院にあったっけ?様々な反応があったが、兎に角否定的な意見がなかったので、やってみたいと伝えた。

 すると数日後には担当の事務官が任命され、事細かにコンタクトを取ってくれるようになった。おかげでとても簡単に事が運び、倫理委員会も経て研究参加が決まった。それを先方に報告すると、是非詳細説明に伺いたいとの返事が来た。今回の健診のための来島に合わせ、かの先生の部下が説明に来てくれた。
 来てみてびっくり、自分が研修した病院で同じく研修を終えた仲間の医師であった。いや〜こんな遠くまでようこそ!聡明でとても明るいその医師の説明はとても分かりやすく、担当事務官が集めてくれた大勢の関連部署の人たちを納得させていた。疑問点、注意事項、細かな擦り合わせがその場で行われ、これなら出来そうと研究の正式なgo signが出された。
 会が終わったら、屋上からの景色を堪能してもらった。梅雨の晴れ間の屋上からは、大阪湾から紀淡水道まで見渡せた。スタッフと挨拶を交わし、岩屋港へ送ってもらい、港の食堂へ案内した。実はここの生しらす丼、玉ねぎの天ぷらが絶品なのだ。穴子の天ぷらも絶品なのだがこの日はハモの天ぷらが出来るという。それらを注文し、グラスを傾けた。近況報告と昔話を肴に運ばれてくる料理をつまむ。自然と笑顔が弾け、二人しかいない店内を笑い声で一杯にした。
 全てを平らげて明石へ船で渡る。小舟であったが、幸い潮はおとなしい。明石海峡大橋を下から子供のようにはしゃぎながら見上げ、くぐり抜けた後瀬戸内海へ沈む夕日を眺めた。明石に着いて静まり返った魚の棚を歩く。昼間の賑わいを説明すると是非今度奥さんを連れてきたいと言う。そして人気の明石焼きの店ではアッツアツの玉子焼きを口に入れ、ホフホフ湯気を吐きながら明石のタコを楽しんだ。研究のお願いに出掛けてきて、説明を真剣に聞いてもらえて、しかもこんな楽しい思いが出来るなんて幸せですと言う彼は最高に輝いた笑顔を見せてくれた。いやいやお礼を言うのはこちらの方。辺境の地でアカデミックなやり取りが出来る喜びを与えてくれて、皆のモチベーションがどれほど上がったことか。先生方、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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