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2016年3月17日 (木)

エール

 研修医教育システムの総括と研修医のメンターとしての役職が与えられ数ヶ月。明日は国家試験の発表日であり、いよいよ4月から新しい研修医がやってくる。
 その前に当院のシステムの問題見直すため、研修医に絶大な人気を誇る松戸の病院へ見学に出向いた。小児科の部長は懇意にしている先生、カンファレンスも参加させてくださいと言うと、二つ返事でどうぞどうぞとのこと。身支度を調え、研修医とともに電車に乗った。
 新京成線はのどかな私鉄。車窓に映るこぶしの花を見ながら松戸へ到着した。病院はとてつもなく古く、天井も間取りもとても狭い。しかし小児科を始めとしてしっかりした医療を提供しているから近隣の市民からの信頼は厚い。働く研修医たちと直接話をして、何を持ってここを選び、どういった研修を受けているのかを尋ねた。至極まっとうな答えばかりであったが、うちならばどう宣伝することで来てもらえるかのヒントは得ることが出来た。
 小児科のカンファレンスは、50人を超える入院患者さんのプレゼンを聞き、それぞれに疑問点などを議論するものだった。症例は多岐にわたり、これなら本当に勉強になるなと感じた。研修医たちも日頃から鍛えられている様子が手に取るようにわかる素晴らしいプレゼンを疲労してくれた。指導者の質が高いのだ。
 終了後研修医による症例報告会があるというので、それも出席した。パワーポイントでわかりやすく症例を提示し、文献的な考察も述べていた。疑問点は多々あるものの、しっかりとプレゼン出来る姿は頼もしいものだった。数人の報告を聞いた後、特別講演が開催された。なんとあの神の腕をもつ男、順天堂の山高先生の講演「小児外科と私」が始まったのだ。
 ラグビーに目覚め、全身全霊を懸けることを知った彼は、ラグビー部の恩師のいる小児外科の門をたたき、トップランナーに上り詰めた。その情熱をこれでもかと熱く語る姿に感嘆した。心から拍手を送っていると、講演の後、別室で懇談会があるとのこと。それにも出席することとした。
 松戸の先生たちといろいろと語り合ったあと、山高先生と直接話すことが出来た。その場で「息子がラグビーをやっていて、様々なことに立ち向かっています。彼にエールをお願いしたいのですが」と切り出した。すると「ラグビーにもっとも必要なものはなんだと思いますか」と言われた。「ディフェンスなんですよ。ディフェンスは前に出られるんです。でも全員が心を一つにして、ディフェンスしないと穴が出来ます。誰か一人でも欠けるとその穴からやられてしまうのです。何事にもがむしゃらに、でも確実に任務を遂行する。ラグビーって抜きんでようとして勝てるスポーツじゃないんです。そこを伝えてあげてください。」とのこと。
 彼の講演の中で拳を握りしめよというくだりがあった。拳はそれぞれの指がないと握れないと。すべての人がすべての力を結集して初めて物事が成就するのだと。その通り、息子も精一杯の力を結集して戦って欲しいものだ。
 終了後一献傾けたのは言うまでもない。いや素晴らしい夜だった。

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2016年3月 6日 (日)

講演

淡路島でお産が再開され、この1年半で100名の子供が生まれた。それをお祝いする会が行われ、小児科医として子育てについてお話しする機会を頂いた。

 通常であれば、あまり気負うこともなく自分の思うところを語らせて貰うのであるが、場所は関西である。笑いのない話を聞くような文化圏ではない。さてとどうしよう・・・
 実際にその場に立つと、子供達の楽しく遊ぶ姿がそこここに見られた。それで少し余裕が出来、何をしゃべったせいか判別はつかないが、とにかく観衆を数回沸かせることに成功した。それでも終了時の疲労感はいつものそれとは大違いだった。
 夜は予備校時代の友人たちと大阪で飲んだ。講演の話題を出すと、よくやったと言うと同時に、「そら笑いがなかったらみんな帰るで。あの医者何しに来たん?って言われて終わりや。」とのこと。ああ難しい関西での講演!そんなん考えてするもんやない、普通でええねんと言われながら、爆笑続きでお酒が進んだ。疲労から酔いがすぐに廻り、うつらうつらしながらも友人たちと楽しい夜を過ごした。
 みんなありがとう!

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