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2015年3月 4日 (水)

今年は多い

 もともと秋から冬ないしは春に多く罹患する紫斑病がある。ヘノッホ・シェーンライン紫斑病とかアレルギー性紫斑病と呼んでいたが、海外での呼び名が統一され、IgA血管炎と言われるようになった疾患だ。IgAという蛋白は免疫を司る蛋白だが、そいつが異常に活躍しすぎて血管炎を起こすというやっかいなもので、やっかいなついでに繰り返すのでたちが悪い。しかし基本的には自然に治癒するものだ。

 紫斑は血管炎が元で四肢や臀部に出現することが多い。血小板が減っていて出る紫斑は疾患が違うので要注意だ。紫斑の他、関節痛や腹痛が出現することがある。これらも出血による変化だ。紫斑や関節痛だけなら安静で通常改善するが、腹痛が起こるとやっかいで、腸管内への出血を伴うため飲食を制限し、多くは副腎皮質ステロイドを使ってIgAなどの免疫の活動を和らげる必要が出てくる。およそ2週間くらいの経過で改善してゆくのでステロイドを使用しても漸減して中止できる。しかし繰り返す人や、なかなかステロイドを止められない人、中にはステロイドが効かない人もいて、治療に難渋することもある。

 腎臓に変化を来す人もいる。紫斑病性腎炎と呼ばれる疾患を合併すると、ステロイドを含めた免疫抑制療法を加えなくてはならないことも多い。多くは予後良好だけれど、中には腎不全へ移行してしまう人もいるので、その判断と経過をしっかりみることが求められる。

 やっかいなのは繰り返すこと。もう良いだろうと思っても突然紫斑が出てきてしまうこともよくある。また紫斑が出ないで関節痛や腹痛、腎炎を来す人もいて、診断がとても難しい人もいる。そこらへんが一般の人達には理解しにくいところで、医療者も悩むところとなっている。

 このIgA血管炎、今年は近隣でとても多いように思う。このところ毎週この疾患の説明を何人かにする状態だ。幸い腎炎に至った人達もステロイドを使用せず乗り切れているので、これをキープしたいところだが、紫斑がなかなか出ず、しかもステロイドの反応性の良くない人も居て、やはり一筋縄ではいかないなと気を引き締めている。

 もしこの疾患で迷っている人がいたら、是非腎臓の専門家へ問い合わせて欲しい。

 

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