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2013年12月10日 (火)

川崎病は奥が深いね

 先月は典型的ではない川崎病の入院が複数あった。

 1歳で川崎病の診断基準を満たす症状6/6あるにも係わらず、採血にて炎症反応は全く正常でおまけに肝機能障害もない。診断基準は満たしているので、γ-グロブリン等を使用したところ、直ぐに解熱し、他の症状も徐々に消失。数日後には四肢の指先の皮膚に激しい膜様落屑をみた。やはり川崎病であったと考えているが、心臓に問題なく経過している。

 同じく1歳でこちらは川崎病の診断基準を4/6しか満たさない児。しかしBCG痕が赤いことから川崎病と判断し、γ-グロブリンを使用した。やはり膜様落屑を認め、心臓に問題なく経過している。

 もう一人は乳児。こちらは目がなんとなく赤いだけで、5日発熱が続いていた。2ヶ月前に接種したBCG痕はやや赤いがこの期間なら赤いのは普通。炎症像はしっかりあるが、診断基準としては甘めにみても2/6。念のため心エコーしたら冠動脈はすでに結構拡張していた。母に尋ねると生後2ヶ月で髄膜炎と言われて治療を受けた既往があるとのこと。問い合わせると髄液細胞数は2000個で好中球は40%、髄液の糖は60そこそこで髄液の染色でも培養でも細菌は認めなかったとのこと。う~ん、それは少なくとも細菌性髄膜炎とは言えない。しかし発疹もリンパ節腫脹もなく、川崎病様症状はなかったとのこと。う~~ん。

 確かに川崎病の診断基準は満たさずとも、冠動脈瘤を形成したという報告はある。川崎病研究会への報告でも発熱のみという例も報告されている。どうも炎症性動脈瘤形成症候群なる疾患カテゴリーが提唱されていて、難病指定を受けるそうな。こいつは川崎病と勿論オーバーラップするし、成人でも報告例が存在するとのこと。とすると、原因が特定できない5日以上の発熱は、皆心エコー、特に冠動脈まで確認せよということになるのだろうか。

 その後2人の川崎病入院児があったが、どちらも典型例で、γ-グロブリンがサッと効いてくれて、冠動脈も問題なく経過している。典型的だとなんだかホッとしてしまうが、本人や親御さんにとっては大変な労苦だ。注意深く、丁寧に診察をしなくてはと思う毎日である。

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