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2013年4月26日 (金)

千古不易その2

紅水鶏(べにくいな)まだしづけくも なきいでて
  見渡すかぎり 青田ゆふ風 (吉植庄一郎の息子、歌人吉植庄亮)

 

 長崎での遊学後、江戸で蘭医学塾を開いていた佐藤泰然が、佐倉に移り住み、天保14年に順天堂を開設した。これを契機に、「西の長崎、東の佐倉」と呼ばれるほど、佐倉はオランダ医学の拠点として多くの医学の徒を排出した。その後明治維新を経て、佐倉には東京鎮台佐倉営所病院が設立された。同時期に陸軍の佐倉連隊が組織され、終戦まで10連隊が編成される大規模な部隊となった。先の病院は昭和11年に佐倉陸軍病院となり、終戦と同時に国立佐倉病院と名称を替えた。国立佐倉病院は療養所への転換時期を経ながら発展し、昭和52年には国の腎不全対策の基幹施設となり、腎移植センターとしての機能を付与された。しかし国立病院機構の統廃合により、現在の病院として生まれ変わる時に私は赴任した。

 

春は猶さくらの町の七重八重

  枝道かけて今をさかり場 (十返舎一九)

 

 現在も国立佐倉病院の腎疾患治療を担っていたスタッフがここに残り、地域随一の腎センターを運営している。なにより小児から成人まで全年齢にわたる腎疾患に対する医療が可能であり、透析・移植まで幅広く対応できる機能を有している。小児科では、私が赴任する前から腎臓疾患の診療は行われており、以前清瀬でお世話になった医師が部長を務めている。私と大学の後輩と合わせて3人が小児の腎臓を専門にしており、プライオリティーはもちろん腎疾患に置いているが、地域医療を考えると、日常診療は感染症やアレルギー疾患で大入りとなる普通の小児科である。ただこれまでの歴史もあって、新しい事へチャレンジしやすい環境であり、倫理委員会も手早く実行してくれるなど、治験への参加や主導も行える病院だ。未承認の予防接種の輸入や震災への医療支援も積極的に参加できるなど、やりたいことを実現させてくれる希有な存在と私は思っている。

実はこの病院は腎尿路系の疾患だけが売りではない。整形外科による小児の側彎症治療では全国的に極めて有名な病院で、関連したせぼねセンターも充実し、短期留学してくる他国の医師もいる。その他内視鏡センター、リハビリテーションセンター、生活習慣病センターなど診療体制は多岐にわたり、系統的な診療ができるよう構築されている。おまけに画像診断装置ではヘリカルCT3テスラMRIを揃え、最新の放射線治療機器バリアンを備えた放射線治療部門も発足している。しかしながら、現在の千葉は対人口比率で最も医者の少ない地域の一つであり、周囲に存在する大学病院(千葉大・東邦大・日本医大・女子医大・帝京大)ですら人員の確保に窮している状況である。

 そんな訳で、ここも医師を募集している。電車を利用すると成田空港まで30分、東京1時間、新宿1時間20分という立地で、3次救急は周辺の大学病院が受け持つという環境は動きやすく、働きやすい。もちろん良いことばかりの病院ではなく、常勤医の少なさから出来ない事は山ほどあり、図書の数も少ない。動かせる資金は各科順番ということもあり、小児など優先度が低い。しかしまだ出来て10年目の病院であることから、医療スタッフ間の風通しは良く、300床クラスでありながらお互いの顔の見える医療が出来るというのが最大の利点だ。大学間のしがらみもなく、腕試しがしたいと考える医師にとってはこの上ない病院であるとお薦めできる。

 世は大きく変われども、千古不易の佐倉の心を持ち、世界へ医療を発信できる病院ここにあり。

 ってな文章を綴ってみた。来てくれる医者はいるだろうか・・・

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コメント

密かに募集中なんですね。(笑)
千葉県にDrが少ないとは知りませんでした。
私は横浜ですが 人口が多いので病院は多い気はしますが、、、
患者さんに親身で全く奢らず 謙虚で それでいて湧き出る面白いアイデアを実行する力のある先生と一緒に仕事ができる! 
そういう上司がいる場所って 理想ですよね。

私のもう一つの職場(コーヒーではない方です)が そんな感じです。ペーペーの私の意見をドンドン取り入れて巨大なフロアを長期計画で変えていっている最中なんです。
楽しいですよ~。この街で一番忙しい図書館が私のアイデアで変わって行くのは!

良い先生が来てくれるといいですね。

投稿: バリスタUSA | 2013年5月 6日 (月) 10時04分

バリスタUSAさん

 普段の私はそんな聖人君子ではありません。まだまだ修業が足らないので、時には横柄な態度の医者ととられることもあります。特に自分が信念を持って当たっている事柄に対し、無茶をされると熱くなりすぎてしまいます。困った者です。

 小児科は募集していないので、他科の医者ってことになりますが、来てくれないかな~

投稿: クーデルムーデル | 2013年5月 7日 (火) 18時49分

それは先生も かなりの熱血型ですね(笑)

信(”芯”)念は 日本人が昔から持っているDNAではないでしょうか?
芯が強いので(ま 頑固って事ですか。。。) 信念があるんでしょうね。日本人の精神力が強いといわれる所以でしょうね。

良い先生が来てくださるといいですね~

投稿: バリスタUSA | 2013年5月15日 (水) 13時34分

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