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2012年3月 1日 (木)

揺られてゆくよ

 相当な体調不良であることは、この私が自転車に乗りたくないと言うことで理解していただけるに違いない。

 朝からなんと同僚の車に乗せてもらい病院へ。とりあえず仕事を終え、またもや車に乗せてもらって研究会へ向かった。向かった先は柏の東葛腎カンファ。毎度見たこともない病理組織を解説付きで見られるので、余程のことが無い限り出席しようと頑張ってきた。昨夜は雪のせいか出席者はとても少なかったが。

 1.Bence Jones蛋白を認め、急激に腎機能が低下した1例

 糖尿病と診断された52歳女性。診断後半年間の間に血清クレアチニン0.8→2.4と急激な上昇を来した。蛋白尿はわずかで、尿中β2MG高値、およびBence Jones蛋白を認めた。糖尿病によるものとは考えにくいことから腎生検を施行。腎生検組織はやはり糖尿病性の変化は認めず、遠位尿細管を中心とした間質炎を認めた。尿細管基底膜がとても厚くなっており、巨細胞も認める部位あるとのこと。特に髄質側に変化が強いということだった。これらの所見は軽鎖沈着症で矛盾しないとのこと。骨髄生検からB細胞のリンパ腫と診断され、これから来た溜まり病ということになった。腎機能低下となった理由がいまいちハッキリしないのだが・・・

 2.初発症状として急性腎障害を呈した多発性骨髄腫の1例

 高血圧をもった76歳女性。検診で腎機能障害を指摘され、その後一ヶ月で急激に悪化してきたことから精査入院。血清蛋白やアルブミンの低下を認めず、尿中蛋白1+でスルホサリチル酸法で3+を認め、免疫電気泳動からλ型Bence Jones蛋白を認めたとのこと。骨髄生検で多発性骨髄腫と診断。腎臓はというと、著明なcast nephropathyを来していた。症例1でも話題になったが、IFでの所見がこの疾患には一番大事、電顕は検出できなくても問題視する必要はないということらしい。cast nephropathyで腎機能障害を来すくらいだから、糸球体の膨化があってもよさそうだが、そのような所見はなかった。遠位尿細管にたまったcastの周辺に多核巨細胞が集まること、とても勉強になった。

 3.AKIを呈したEBウイルス関連リンパ腫の1例

 これは小児科医でも腎臓ということではなく知っておいた方がよい症例。慢性活動性EBVによるT細胞性のリンパ腫からくる腎障害とは・・・蓋を開けてみるととんでもない組織が広がっていて驚いた。とにかく激しい間質の出血性変化なのだ。動脈の内膜炎を伴い、間質には赤血球とリンパ球が夥しく入り乱れていた。組織にはCD8陽性細胞が浸潤していた。解説ではT細胞が浸潤してサイトカインを放出するなどして激しい炎症を起こしたのではないかとのこと。残念ながら亡くなったようだが、これだけ激しい変化はおそらく腎臓だけでなく、全身に起こっていたらしく、それなら助けられることはないだろう。なんとなくデング熱などを思い浮かべてしまった。

 いやはや今回も凄い症例を見せてもらった。

 質問?しましたよ。いろいろと臨床所見についてですが。でも小児科医が突っ込めるものではないな~病理については聞くだけで精一杯。

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