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2011年11月30日 (水)

ありがとうございました

 大好きな伯父が他界した。住んでいた町が遠かったこともあり、これまでそれ程密に接した経験はない。しかし節目で印象深い言葉をくれた伯父だった。

 デザインの仕事で一時代を築いた人だった。毎月伯父の送ってくれるメールに添付された大和の絵、信州の絵を眺めるのが好きだった。長男誕生の際には大きな和紙に『鯉のぼり』を描いて贈ってくれた。今も玄関の壁で年中泳いでいる。

 夏のとある日、伯父の連れ合い、すなわち母の妹さんから電話があった。伯父の血液データについての問い合わせだった。主治医と話をする時はいつも伯父と一緒なので、ちゃんとした病状を聞けていないという気がするとのこと。伯父を中に入れず、主治医とよく話し合うことが必要と話した。データからするとおそらく3ヶ月先には危ない。そうでなければよいがと思っていた。

 先週電話が鳴った。母からの電話で伯父の急逝を知った。母の姉妹と伯父の家族だけで見送るからお前は来なくてよいとのこと。そんなわけにはいかない。自分の気持ちが許さない。やらねばならぬ仕事をバックに詰め込み電車に飛び乗った。

 伯父は安らかに眠っていた。随分痩せてしまっていた。すぐにしゃべり出しそうな、そういつもの声で私の名前を呼んでくれそうな、そんな気がした。

 周りには伯父の孫たちがワイワイ楽しそうに遊んでいた。そう、こんな空間を伯父はいつも欲していた。最後は家族だけでと言っていたのはこのことだったんだろう。まだあんよもしていない男の子を抱き上げ、名前を呼んだ。記憶にはないが、おそらく伯父もそうしてくれたのだろうと思いながら。

 ありがとうございました。叔父さんの血を分けた子供たちは元気に育ってますよ。ちゃんと見届けますから、安心してお休みください。本当にありがとうございました。

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