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2011年11月 9日 (水)

保護貿易を考える

 この問題には正直疎いのだが、TPP問題が毎日報道されることもあり、疎いとばかり言っていられなくなった。ちょいと考えてみたい。

 1960年まで日本では農業就業者1500万人、農家戸数600万戸、農地面積600万ヘクタールあった。その後グローバル化が進み、様々な国からいろんな作物を輸入する農産物輸入大国化した。これにより現在農業就業者300万人、農家戸数300万戸、農地面積470万ヘクタールとなった。しかも日本全体の急激な高齢化により農業者もその6割以上が65歳を超えるようになった。このままの情勢が続けば、20年後には日本の農業は確実に破綻する。若い人が農業を選ばない限り日本の農業に未来はない。若い人がどうしたら農業を選ぶだろう。そりゃもらえる金が今の仕事より多く、便利な生活が保障されれば選ぶ人も増えるだろう。それが可能なのか。例えば保護貿易で他国からの輸入に関税を掛ける続けるだけで改善されるだろうか。

 目先を変える。TPPになるとアメリカをはじめとした農業大国から激しい輸出攻勢を受ける代わりに工業製品を関税なしに輸出できるので、現状からすると経済的にプラス材料が多いというは本当だろうか。実際にTPPに加盟している国を見渡すと、農業の面だけでなく、工業製品の面でもそれほどたやすいものではないだろうことが予想される。関税が撤廃されれば安い労働力で作成された出来の良い工業製品は日本製を圧倒する可能性もある。先端技術を駆使し、世界をリードする立場を保てるならば生き残る道は開ける。それは工業も農業も変わりないように思うがどうか。

 一方、TPPを今後引っ張っていくことになるだろうアメリカだが、彼らはどう考えてこれに参加しているのだろう。アメリカは自由な国で、自由貿易の先頭を走る優等生であるかの印象があるが、それは違う。かの国ほど力を誇示し自国の利益に腐心する国はないと言えるほど、保護政策をとっている国はない。農業に関しては農産物を生産し、その輸送コストに至るまで政府が介入し、安い農産物を海外に輸出する手配をしている。当然価格競争で負けるはずはない。一方安い労働力で生産された他国の工業製品に対し、自国内での販売価格が不当に安すぎるとダンピング訴訟を絶えずふっかけている。WTOが仲裁に入ると、ほとんどがダンピングに当たらないと却下されてしまうのだから、言いがかりというのが多いのだろう。もちろん日本製品でダンピングが適用され、多額の金を巻き上げられたケースもあるのだが。そんな彼らが自由貿易協定を結ぼうとする理由は何か。それはWTOの力が及ばない協定国間貿易を手に入れるためである。すでにWTOは機能不全に陥っているのだから、そこまでする必要はないのかもしれないが、TPPは現段階であればアメリカの言いなりで事を運べるのだ。二国間協定FTAをアメリカと結んだ国がどういうことになっているか、韓国の例を見てみるとよい。

 ではTPPに参加しないならどうなるだろう。最大の貿易相手国アメリカはどのような対応をしてくるだろう。アメリカは自国にとって友好国であれば関税を撤廃する用意がある。かの国は保護に熱心であると同時に自由にも熱心なのだ。しかし友好でないと判断したら、徹底的に叩くのも間違いないことだ。アメリカに工業製品が売れず、農産物も高くふっかけられる可能性があるのだ。そうなったとき、日本の生き残る道はどこだろう。

 

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