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2011年6月30日 (木)

東葛腎カンファ

 またもや柏まで行ってきた。共催会社のMRさんから、今日も鰻弁当は出ませんと済まなさそうに言われるのだが、全然気にしない。いやあの鰻弁当は美味かったと言うだけで、他意はないのだ。えっ、弁当をもらうのはモラル違反だって?参加費は納めておりますが何か?

 今回の症例は小児科医が突っ込むような所はまるでなかったので、解説だけになる。ちょいとつまらないが、恒例なので早速。

① RPGNを合併した関節リウマチの1例

 関節リウマチで治療中の67才男性。半年前から労作時呼吸困難感があり、1ヶ月前に肺炎を来して治療した。その後紫斑と共に浮腫が出現。採血で腎不全を認め、腎生検および治療目的で入院した。組織は紫斑病性腎炎なのかそれとも関節リウマチからくる変化なのか、はたまた別のものかということだった。血管炎所見は乏しく、pauci immune型のcrescenticな腎炎として相違ない。おそらく関節リウマチからの変化と考えて良いだろう。一時透析のお世話にもなったようだが、ステロイドパルスで軽快してきている。

② IgG4関連腎症の1例

 この疾患はいつ見てもよくわからない。何故腺組織が腫大するのか。腫大しても酵素などなにも検査でひっかからないのは何故か。組織内にいっぱい集まってくる形質細胞は一体何をやらかしているのか。その当たりをハッキリさせないとよくわからない。症例は70才男性で喘息持ち。半年前から耳下腺の腫脹あり。3ヶ月前に腹痛から胆嚢炎と診断され、胆嚢摘出を受ける。その後全身の浮腫と呼吸困難を訴え来院。蛋白尿・血尿強く、クレアチニンの上昇もあって精査加療目的で入院。特異抗体は検出されないが、関節性肺炎と唾液腺と膵臓の腫脹、IgGおよびIgG4の高値などを認めた。組織はやはり推測のとおり。他の入り混む余地はない。

③ 糖尿病性腎症の経過中に微小変化型ネフローゼを発症した1例

 67才の女性で2型の糖尿病を患っている。1年前脱水で来院し、急性腎不全と診断され2ヶ月間透析を要した。その後蛋白尿は一日2g程度残っていたがクレアチニンも2mg/dl程度と安定していた。1ヶ月前から浮腫が出現し、次第に10gを超える蛋白尿が出るようになる。クレアチニンも少し悪化傾向であったことから腎生検をした。1年前の脱水時も生検しており、それらを比較検討した。糖尿病性眼症や神経症は来していない。果たして今回のネフローゼは糖尿病性腎症が悪化してのものか、それとも別の要因かというところ。糖尿病性での場合、足突起はそれほど強く変化しない。今回はほとんど消失ないし変化しているため糖尿病性の悪化は否定的。他の腎炎というようなメサンギウムの増殖も膜の変化もない。あるのは足突起のfusionだけ、つまり微小変化のみとの演者談だが、輸入細動脈にも途中の糸球体にもヒアリンの析出を認め、どこからみてもFSGS。噛みついてやろうかと腰を上げた瞬間、病理の大御所先生が大爆発。FSGSに決まっている所見があそこにもここにもあるだろう!と一喝されていた。臨床家からはFSGSとするとステロイドの反応性がとてもよいのがおかしいと声が上がったが、それこそ笑止。今後を考えるとFSGSを念頭に置きながら反応をこまめに診ていく他ないということだ。

 やっぱりいつ来ても面白くためになる。これほど真剣に病理討論を聞く機会などないので、近隣にいて腎臓を志すものなら是非聞いた方がよい研究会だ。

(今回のホテルの食事は美味しかったというのは考慮外の話しであることを付け加えておく。)

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大国小国、ああ日本

 学校でサッカーのゴールへ向けて蹴られたボールが誤って校外へ飛び出し、それを避けようとしたおじいちゃんが転倒し骨折した。治療のため入院加療している内に認知症を患い、転倒から約1年後に異物誤飲を起こし肺炎により死亡した。このおじいちゃんが亡くなったのは、ボールを校外へ蹴り出した子供のせいだとの判決が出たらしい。

 このおじいちゃんは転倒したときバイクに乗っていたとのこと。86才で?抜群の運動神経を誇る若者でも石ころ一つで転倒するバイクにね。

 どこまで老人大国であろうとするのか、日本よ。

(子供は票持ってないからね・・・重度の認知症でも票は持っているからね・・・)

 ヨチヨチ歩きの子供を突き飛ばしてでも我先に電車の椅子に座ろうと駆け込むじいさん。

 放射線被曝の影響など40才を過ぎたら関係なく、乳幼児が問題と聞きながら、ミネラルウォーターを自分のために買い占めるばあさん。

 ボールで遊ぶ子供達を公園から閉め出してゲートボールに勤しむじいさん。

 子供が未来を描けない国に未来があるはずはない。

 

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2011年6月23日 (木)

学校検診

 学校で行われている検診で異常を指摘された子供達は専門病院へ行くよう指導されている。千葉から茨城あたりで検尿異常があれば是非うちに来て欲しい。小児腎臓を専門としている医者ばかりがうろうろしているから。手前味噌だが、これだけ毎日小児腎臓医が外来している病院はないのでどうぞ。

 検診は検尿に限らず行われている。心臓の検診として、聴診と心電図検査も行われていて、それで異常を指摘された子供達もうちに来ることがある。申し訳ないが、循環器を専門にしていないので、こちらで診てもよいものと至急専門医へ行って戴いた方がよいものがある。先日も母に心臓疾患があり、子供にQT延長を認めたという指示書を持った方がいらっしゃった。私達が診るより、循環器専門医の門を叩くべきとお話しした。母親はどうしてもここで診てくれないのかとおっしゃっていたが、看板は小児科だが置いてある商品に循環器の専門分野は含んでいないのだ。もちろんこの看板で診ていてよい心電図異常や心雑音などの子供達は存在する。だが判って欲しい。餅は餅屋だ。

 例えば腎疾患でわずかな血尿を顕微鏡で確認したくらいのものであれば、とりあえずは誰がフォローアップしていても大差はない。初めてのネフローゼ発症でも本を読めば最初の対応はできる。しかし腎機能障害を来しているものはもちろん、再発ネフローゼやステロイドの効かないネフローゼは一般小児科医が診ていてはいけない。専門家に任せるべきだ。それと同じ。

 そんなこんなで、検診異常の子供達が午後の外来に並ぶ季節だ。さてどんな子供達にであえるだろう。(第2のUSB少年はいるだろうか・・・)

 

 

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2011年6月21日 (火)

小児科学会地方会

 腎臓の学会のあと飲みつぶれ、翌日はこの地方会。もちろん演題登録は無し。午後からだったのも幸いだった。

 大学の構内で行われるこの地方会は、単一の大学色の強いものだったが、今は様々な大学が入り乱れて結構活発に議論されるようになって、数年前より格段に面白くなっている。難点は大学の講堂が明治時代の学生用がと思うくらい狭い椅子の並んだ階段教室であることだ。後から入ろうにも動きがとれないし、先に奥へ入ると質問もなかなか難しい。

 ただ今回はそういったところでも十分なくらい、目を閉じ、聞くだけ聞くという時間となった。

 えっ、偉そうなこと言って船漕いできただけだろうって?

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 ちゃんと赤ペンでメモとってますよ。診たことのない脂質蓄積性ミオパチーなんて面白かった・・・zzz~~~~

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腎臓学会

 横浜で開催された今年の腎臓学会。エントリー無しで講演を聴きに行くだけだったが、面白いものを聞かせてもらった。奈良先端科学技術大学院大学の高橋先生の実験とその結果に心が躍ったのだ。

 先生が日夜やっている仕事は、にわとりの胚を使った実験だ。受精からにわとりへと成熟していく過程でおこなわれる生命活動の不思議を一つ一つ解明していこうというものだが、今回示してくれたのは腎・尿路の発生上なくてはならないウォルフ管の伸長と管腔の形成についてであった。いろいろな操作でこの管が伸びてゆく様子を可視化して、その上でなに故伸び、どこへゆくのかを突き止める実験を繰り返していた。また人の皮膚に存在する色素を含んだ細胞を可視化することによって肌が紫外線に触れた時にどういったメカニズムで色素が細胞内に取り込まれてゆくのかを示してくれた。いやはや生命とはこんなにもダイナミックに動き、広がっているものだったかと再発見した。

 その前後で教育講演をいくつか聴いたが、頭はおろか心にも響くものはなかった。それより仲間の一人とフロアーで出会い、ディスカッションしたことの方がより面白かった。

 そんな学会活動を終了した後、脳科学者との初会合を行ったのだった。充実した一日だったことお判り頂けたであろう。

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2011年6月20日 (月)

キター!

キター!
帰り道、印旛沼沿いの自転車道に現れたのがこれ。

ふてぶてしい顔付きに驚きながら一枚。これで甲羅の長さ30cm程度。しかしごっつい顔やな・・・

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夏祭りへ向けて

 恒例の小児科夏祭りへ向けて、各部署が少しずつ動き始めている。我が合唱部も当然動き出してはいるのだが、いつもの通り練習へ参加する人の数もやる気も・・・

 そんな中今年もちょっと変わったところをやってみるつもりだ。

 踊るのは当然。昨年はチェロとクラリネットとの合奏をしたが、今年はツインギターとの合奏だ。さてどうなりますか。味を占めて来年以降もとなれば成功。今年限りとなるなら・・・

 さて7/29金曜の夜、病院ロビーで開幕するので、来られる方宜しく!

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曇天

曇天
梅雨空に明かりを灯す

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2011年6月18日 (土)

初めまして

ブログ仲間のポリさんと初会合。予想通り楽しい方で飲んで騒いで時を忘れた。終電もとっくに過ぎているので一緒に飲んだ牛君の家に泊めてもらっている。いやはや楽しい夜だった。

ポリさん、これからも宜しくお願い致します。

追記 ポリさんは本当に脳科学者でした!

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2011年6月16日 (木)

診断学

診断学
確かにこのティアニー先生は凄い。勉強になりました。出来ればお会いして、実際にご教授いただきたいところだ。何がって?目の付け所が利いてる。格好いいぜ、まったく。。。

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2011年6月15日 (水)

この風景こそ

この風情
幾重にも重なりあい、空と大地が色を深く濃くしてゆく。

これがこの町だ。

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2011年6月13日 (月)

この記者の意図

 先程ヤフーニュースの見出しを見て悲しさと怒りが込み上げてきた。あまりに頭に来たので即刻時事通信社へメールを送った。
 『ワクチン同時接種で男児死亡』この見出しを見た普通の日本語力を持った人なら、ワクチン同時接種が原因で男児が死亡したと解釈するだろう。事実を伝えたいのであれば、ワクチン同時接種後に男児死亡とすれば事足りるはずだ。
 この記者はワクチン同時接種が悪い医療行為であるという意図で記事を作成している。これは明らかなミスリードだ。もしワクチン同時接種が原因というのであれば、その証拠を提示すべきだ。いろんな意見を言えるのが自由な法治国家であるが、国民を扇動する行為が許されるものだろうか。このような記事へ断固たる抗議を発することが必要だ。

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2011年6月11日 (土)

 義叔母の還暦祝いで神楽坂はLugdunum Bouchon Lyonnaisへ。カジュアルなフレンチと聞いていたがどうしてどうして。リヨンの風を感じるとても家庭的でいながらしっかりとしたフレンチを楽しく食べさせてくれた。中でも血のブーダン・ノワールは絶品!集まった家族はもちろん血を分けている訳(私と義妹の夫は別)で、本当に楽しくいただいた。フランス人シェフも気持ちの良い人で、最後は一緒に写真を撮った。
 神楽坂へお出かけの際は是非どうぞ。

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2011年6月 7日 (火)

HUS当たり年か

 国内を見ても国外を見渡しても、腸管出血性大腸菌感染からくるHUS(溶血性尿毒症性症候群)がそこここで発生している。この疾患は上記の大腸菌が作る毒素(ベロ毒素)により発症することが多い。毒素により脳症をおこしたり、腎不全に陥って生命を脅かす怖い病気だ。

 生野菜が原因だとか箸がどうのという話しが飛び交っているが、基本的には動物の腸管や排泄物由来であり、大腸菌の付着によりいろんなものが汚染され、そこから感染が広がってしまうものだ。もちろん肉やホルモン系の生食でも感染する。要はしっかりと調理場や食物を洗浄し、生は食べないとする他予防する手立てはない。新鮮な肉だから大丈夫というのは全く間違い。ただよく火を通しさえすれば大丈夫だ。

 そう思って眺めていたら、血便が出ているという児がやってきた。全身状態は極めて良好であったが、下痢も数日前からあったとのことで便の培養検査をしてみた。腸管出血性大腸菌O26が検出され、ベロ毒素も産生していた。あわてて家族を含めた周囲の状況のチェックを始め、同時に保健所へ連絡した。幸い児の周りに感染者は見当たらず、既に10日経過しているが本人の便の性状は正常化し、HUSの発症も認めなかった。O26は比較的おとなしい大腸菌なのでよかったが、当たり年かと思わせるには十分な材料となった。

 そこで小児科関連部署に連絡し、早急にHUSの勉強会とそこで使用する透析についての勉強会を開催するよう指示した。皆が一つの考え方で対応する必要があるからだ。もちろんそういった患者さんが発生しないことが一番ではあるが。

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2011年6月 6日 (月)

薫る

薫る
佐倉の新川沿いにはラベンダー畑がある。これから丁度見頃を迎える。

自家用車でも行けるが、出来ればチャリでどうぞ。

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2011年6月 5日 (日)

学会で感じたこと

 国際学会にはこれまでたったの2回しか出ていない。海外の論文は出来るだけチェックするようにしているし、名の通った先生が来日する時に自分の疑問をぶつけるようにしているからそれほど困ることもないと思っていた。おまけに小児腎臓のとりわけ臨床に関する限り、日本で行われているものと世界との格差は数種類の薬を使用するか否かだけと論文や来日する先生の講演等から推測していた。

 今年は日本小児腎臓病学会がアジア小児腎臓病学会と合同で開催され、世界と言うには狭いものの、日本以外の人達の考え方を学ぶ機会となった。もちろんアジアンパワーが世界を席巻しつつあることは承知しており、世界での論文数も研究施設もうなぎ登りであることも知っていたのではあるが・・・実はとても勉強になったので、記しておく。

 なにより面白かったのは日本人のおとなしさであった。今回来日していた研究者達はおそらく各国の中でも優れた研究者たちが来ていたと推察されるが

① 疑問が沸き起こると指名されることなくフロアーで座ったままでも大声で質問を繰り返すインド人研究者達多数

② 自分の意にそぐわない意見は聞く耳を持たない中国人研究者

③ とてもエキサイティングな内容を整然と発表してくれた女性中国人研究者が私とのフロアーでのディスカッション時に国の事情を憂いていたこと

④ とてもスマートに病理解釈をし、日本の病理がいかに小さな事にこだわった分類のみに終始しているかが判るコメントをしてくれた韓国人研究者数名

⑤ 日本で使えないオフラベル薬剤を世界の最先端と同等に使用して成果を挙げているインド研究者チーム

⑥ 多くの病院に分かれてしまって大規模な研究の出来ない日本を尻目に、マス解析は当たり前と嘯く中国&インド研究者多数

⑦ 困ったらやはり苦笑いしながらオーベンに頼る若い研究者達(すべての国)

⑧ 日本にもやはり優れた病理学者がいる

⑨ 研究者の多くは臨床像よりもデータが知りたい(各国共通)

⑩ 日本人は本当に質問しない・・・

 そういったことが印象に残った。もう細かい事を挙げると切りがないので、おおざっぱなところで留めておく。

 私などフロアーのシミくらいな存在だったが、いろんな質問に真摯に答えてくれたアジア各国の研究者達に感謝したい。そして今さらながら世界を知りたいと思い福岡を後にした。

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2011年6月 2日 (木)

博多最高!

博多最高!
気のおけない仲間と喰いしん房松むらで飲む。穴子の刺身にゾッコンたい!穴子茶漬けんうまか〜

しかしなしてこん学会に来んかね〜若牛氏は(悪友)

うーん開業祝いばするけんね

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2011年6月 1日 (水)

博多へ

 小児腎臓病学会へ行ってきます。今年はアジアの学会と共同開催、つまりずっと英語漬け。

 なんとか頑張ってきます。でも発表はないし、気楽なものですが。

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不活化ポリオワクチン その2

 今年も既に1人、生ポリオワクチンで乳児がポリオに感染してしまった。毎年1~2人のポリオ患者が生ポリオワクチン経口接種が原因で発生している。輸入会社の予防接種による有害事象に対する賠償保険制度が確立されたこともあって、当院でも不活化ポリオワクチン接種を始めたが、やはり国として早急に生ワクチンを止めるべきだろう。

 厚労省は先日の予防接種関連委員会で、不活化ポリオワクチンを出来るだけ早期(今年度中に目途)に始めることを検討すると発表した。日本で開発されている3種混合との混合ワクチンを早急にということだけかと思っていたら、不活化ワクチンを製造販売している会社にも問い合わせが厚労省から来ているとの情報が入った。日本の実状を知りたいと、その会社の営業担当者が不活化ポリオワクチンを接種している日本の医者のところへ来て、話しを聞いていったようだ。

 国が承認すると一言付け加えてくれたなら、もっと多くの子供達にもっと簡便に、もっと早く打ってあげられるのに・・・

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