« ポリオワクチン | トップページ | 追いかける »

2011年2月14日 (月)

八千代カンファ

 女子医大で開催される救急カンファレンスだが、ざっくばらんに質疑応答が出来るのでとても有意義に活用させてもらっている。毎度なんだかんだと発言するのだが、今回もいろいろと。

 症例検討はRSウイルス感染の乳児。多呼吸で挿管管理となり、ちょいと長くかかりながらもintact survivalを果たした症例だ。来院時より100回/分の多呼吸および陥没呼吸を認めたようだが、β刺激剤吸入でやや持ち直したため、酸素投与で様子を見たらしい。データはAST, ALT, LDH, CRP, などの著明な高値、UA, BUN, Crなどの軽度上昇もWBCは5000台で左方移動もないという。半日待って改善やはり改善無く人工呼吸管理となり、抗生剤で要す観察したとのこと。そこでちょいと噛みついた、そのデータならば細菌感染と言えるのかと。LDHは1000を超え、ASTもALTも3桁。呼吸状態の悪化で臓器障害を来しているのか、それともサイトカインのなせる業か?私ならステロイドを使用してしまうがと切り出した。methlpredonisoloneを5~7mg/kg使用して反応無ければ、ステロイドパルス量まで使用することがある。それを問うと、何故そこまで?という反応であった。

 フロアの他の医者からはRSVによるARDSならばdexamethasoneを0.15mg/kgがエビデンスのある唯一のステロイドだという意見が出た。確かにARDSだけならそうかもしれない。ただ臓器障害も出始めるくらいの急激なサイトカインストームと考えるならそりゃ効かんぞな。結果オーライかもしれないし、エビデンスはそうかもしれないが、私はそう考えると思いながらフロアにいる別の先生に尋ねてみた。実際の現場でステロイドを使用するかという議論は出なかったという。

 もう一つ、喘息の専門家である慈恵医大ナントか病院の教授による喘息の講演が行われた。この先生、昨今珍しいテオフィリン大好き先生で、喘息の中発作以下へ使用するステロイドバースト治療をいろんな角度から責めていた。少量のステロイドでも緑内障の発作が起こりうること、骨塩減少の報告もあること、何よりステロイドで病状改善なく、入院日数も減らさないことなどをデータを元に教授していただいた。何よりテオフィリンの良さを随分と話されていたことに共感を覚えた。ただステロイド使用で骨塩減少というところは、ちょいとコメントさせていただいた。あれだけの少量を間欠的に使用したもので減少するとは思えない。我々は日常的にステロイドを頻繁に使用しており、思春期前の子供達ならばステロイドを使用しなくなると骨塩も身長も獲得し、回復するというデータを持っているからだ。もちろん使用頻度が極端に多く、長い場合はこれに当たらなくなることもありえる。しかし教授の言うくらいのステロイド使用で将来的に問題が出るということに違和感を感じたのだ。

 こういった話を忌憚なく話し合える機会は貴重だ。いやはや今回も楽しめたカンファレンスだった。

|

« ポリオワクチン | トップページ | 追いかける »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ポリオワクチン | トップページ | 追いかける »