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2010年10月26日 (火)

分かち合う

 線維筋痛症の女子中学生を外来フォローアップしている。2人いるのだが、とてもシビアな状態が続いている。1人は経過が長く、すでに専門病院で家族を含めしっかりとした対応が出来ている。そうは言っても毎日襲ってくる痛みや痙攣は苦しいもので、錯乱状態になってしまう。もう1人は2年前の発症で、ようやく先日確定に至った新米だ。親も含めどう対処して良いか判らない。それが不安を増強させる。出来ればお互いが意見交換できる状況が生まれればと思っていた。

 2週間前に経過の長い方の児が別の疾患で入院した。そちらの治療は順調に進み、後は数日経過をみるだけとなったところで、後者の児の具合が悪くなった。同じ部屋に入院させたところ、さすがにすぐに病状が良くなることはなかったが意気投合してくれた。自分のことを理解してくれる人が家族以外にいることの素晴らしさを認識したようで、二人ともとても良い顔になった。年が近いだけに家族にも話せない、もちろん医療者にも話せない悩みを打ち明けていたようだ。

 この病気を抱える児は多いはずだ。しかし見過ごされて診断されぬまま痛みを抱え、仮病と言われたり精神疾患と言われ途方もない薬を服用させられたり、不登校となる問題児という扱いを受けていることも多いだろう。確かに治療法が確立されている訳ではない。判ったところで何も出来ないかもしれない。しかし分かち合う仲間がいれば、生きる希望を得ることが出来る。

 2人を見ていると、不覚にも涙がこぼれてしまった。

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コメント

 そうなんですよね。見つけることが重要なんですよね。日々の鑑別診断を何回も見直すという作業の重要性を再認識させられました。

投稿: hidero51 | 2010年10月26日 (火) 08時31分

hidero51さん

 難しい病気です。来月行われる全国レベルでの研究会に参加したいと考えています。

投稿: クーデルムーデル | 2010年10月28日 (木) 13時26分

何気なしに通りがかって、そのやさしい思いに涙しました。
中二の娘ももう三年前からこの病気です。
診断された市民病院ではその当時はまだ保険適用ではないということで追い出されて、他県の大学病院に通ってました。でも痛みは理解されず、こんなところに神経がないのに痛むはずない。という言葉に娘は通院を拒否するようになりました。痛みがきてもなぐさめて、あたためてを繰り返しています。学校にも行ってません。
ひどい痛みがきても、動けない娘を病院に連れていくことができません。一番近い病院が目の前の最初に来ないでください。と言われた市民病院だからです。
でもこんなに理解のある先生がいるんだなーと思えたことだけでも救われた気分になりました。

投稿: | 2010年11月 4日 (木) 16時43分

11月4日の方へ

 お辛い気持ちのなか、コメントありがとうございました。

 私もこれまで見逃してきたかも知れません。おそらく小児科医誰もがそういう気持ちでいると思います。

 ようやく診断して、その後どうすべきなのか考えようという土台が出来はじめたところなのです。

 来週末は線維筋痛症の全国レベルでの第2回研究会が開催されます。皆様の声を線維筋痛症学会へ届けて下さると、全国で悩む人達の助けとなるはずです。学会HP http://jcfi.jp/までお願い致します。

 

投稿: クーデルムーデル | 2010年11月 6日 (土) 08時39分

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