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2010年7月14日 (水)

予防接種

 「おたふくの子供と遊ばせて抵抗力をつけるのと、予防接種とどちらがいいですか。」

 よく問われる質問だ。子供が幼児なら確かに罹患したリスクは少ない。少ないが髄膜炎などの重篤な状況は存在する。では予防接種ならどうかというと、生ワクチンであるため髄膜炎のリスクは伴う。しかも疾患に対する抗体獲得率は低い。

 おたふく、いわゆるmumpsウイルス感染は終生免疫疾患であると教わった。しかし最近はどうもそうではなく、何度か罹る人がいるらしい。耳下腺を腫らす感染症はmumpsだけではなく、様々なウイルスで起こりうる。それもあって耳下腺炎という括りで捕らえるとワクチンなんて打っても防げない、への突っ張りにもならないっていう感覚も判らなくはない。ではどうするべきだろう。mumpsウイルスの予防接種だけでなくその他のワクチンもどうするべきなのだろうか。

 予防接種全体に言えることだが、個体としてどうするべきかという議論と国民全体の利益としてどうなのかという議論があって、本来は後者を優先事項として考えなくてはならないものだと思う。mumpsウイルスは確かに幼児期に罹れば軽く済む場合が多い。しかし妊婦さんの周りに罹患者がいると胎児にとんでもないことが起こる。身近なところでは罹ってないお父さんがいると精巣が腫れ上がってとんでもないことになる。お母さんだって卵巣炎や膵炎を起こすことだってある。だから自らのためだけではなく、周りの皆のために抗体を持っておいて罹らないで欲しい。 

 例えを麻疹にしてみよう。これこそ終生免疫で一回罹れば二度と罹らない。これも幼児期ならば軽く済むという人がいる。ちょっと待て、麻疹は幼児でも『命定め』と言って昔なら命を持って行かれる疾患だぞ。それに数十年経ってから亜急性全脳炎などを引き起こす怖い感染症だ。罹らないに越したことはない。ではワクチンはどうか。一回なら10年ほどで抗体価が低くなって感染してしまう。だから二回以上接種すべきだと言われる・・・

 ここで二回以上麻疹の予防接種をしている他国の話をしよう。彼らは抗体価を維持しているから、周りに麻疹の患者がいても麻疹に罹らないのだろうか?答えはNoだ。実際に麻疹を持ち込んだ日本人のせいで、麻疹に罹る可哀相な人も存在する。何故か?個体の反応は千差万別だ。抗体価獲得率も獲得した値そのものもそれぞれだ。しかし国全体で予防接種を完璧にこなしさえすれば、感染者を限りなくゼロにできる。ゼロから生まれる新しい感染者はいない。しかし他国から持ち込まれれば、個体の反応として限界があるということだ。

 つまり何処の国であろうが、全体の接種率が悪ければ個人に2回打とうが3回打とうが感染の押さえ込みは不可能だ。予防接種は個人の自由を尊重するだけでは意味のないものになってしまうのだ。そこで日本全体を考えろというと、軍靴の足音が聞こえるなどとアホなことを言う輩が跋扈しているが、そんな奴らは蹴散らして皆の健康を守るのが政治だと思う。子ども手当などバカなばらまきは即刻中止して、国民全員に各種予防接種を施すべきだ。自分は世を捨てていて、世の中と全く関わり合いがないという人を除き、社会のために予防接種は受けなくてはならないと思う、というのが私の意見だ。

 だから、おたふくも予防接種受けましょうね。

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