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2010年3月12日 (金)

通訳

 先日ドバイの病院で腎臓に石があると言われているので経過を見て欲しいというアフガニスタンの方がいらっしゃった。小学校に入って間もないくらいの子供に石とは・・・なにか栄養摂取の点で問題でもあるのかと身構えながら、カルテ&本人の到着を待った。

 受付を通る際、日本語は全くわからないということ、そして通訳が来ているという情報が入った。通訳ってアラビア語?そもそもアフガニスタンって何語??とドキドキしながら診察室へ呼んだ。

 見るからに中東の方々だ。カレーなど香辛料の香りは全くせず、穏やかな顔つきをしていた。通訳の方と本人をチラチラ見ながら、症状を聞く。すると通訳は英語でお父さんに尋ね始めた。お父さんはなまった英語で返すものの、お母さんは全くちんぷんかんぷん。お父さんがさらにお母さんへあちらの言葉で聞き直した。しばらく前からおなかを時々痛がるのだとか、そして日本へ来る前にドバイで診察を受け、エコーで腎臓に石があって、そのせいで痛みがあるのだと言われたとのこと。血尿はあるのかと問うと、

通訳「血尿・・・ええっと、なんて言えば・・・」

 こりゃ埒があかない。英語が通じるならなんとでもなるだろう。そこからはお父さんとの片言英語の応酬が始まった。痛みのあるときもそうでないときも赤いおしっこはでないし、お茶のような色のおしっこもない。薬は何をもらったかと問うと、石を溶かす薬だと言われもらっているとのこと。シロップになっていて、アラビア文字が小瓶に巻かれていた。う~~ん判らん。

 とりあえず診察したが、どこも痛がらず、少し糞塊を触れるだけ。じゃあエコーをもう一度こちらでもしてみようかと言うと、前のエコーの写真を持っていた。見せてもらうとこりゃ・・・石無いやん。

 一通り腹腔内臓器と腎臓、尿路を確認したが異常は見つからなかった。嘔吐や下痢もないとのことで、心配ないよというと、納得しきれない様子。レントゲンで石がないことをしっかり確認してみましょうというとうれしそうに撮ってきてくれた。映る物は糞塊のみ・・・

私「便秘だね。石はどこかへ行ってしまったのかもしれないね。時々痛いのは便秘のせいでしょ。」

父「便秘ってなに?うんち?Vr○×△!B&%●△?うんち硬いよ!」

私「どんなもの食べてるのかな?」

通訳「アフガニスタンの食材を購入しているようです。」

私「ってことは・・・わからん。水なんかはどうしていたの。」

父「水がないので買ってた。」

私「ヨーロッパのミネラルウォーター?」

父「どこのかは知らねぇ~」

などと話しているうちに随分打ち解けてくれるようになった。子供の話からもどうも石じゃなく便秘だけだろう。緩下剤を処方し、飲み方の工夫を教えて帰ってもらおうとすると、

父「娘が長距離歩くと足を痛がるんだ。診てもらえないだろうか。」そりゃ整形外科の担当だろう。しかし無碍に断るのも・・・今日の整形の初診担当は・・・・・・自分で診よう。

 筋肉の付き方に異常はなく、圧痛もない。鼠径部に腫脹や痛み、シルクサインもない。反射も問題なく、跛行もない。膝や足首の運動に制限無くとても柔らかい。唯一股関節に可動制限があるように思えた。しかし待てよ、アラブ系で女の子でこんなに股関節を開いたりしたら・・・なんてことが頭をよぎり、ちょっと股関節が硬いようだからレントゲンで診てみようとお話しした。結果何も異常を認めなかった。大丈夫何も心配することはないとお話しすると、お父さんの顔がほころびうれしそうにサンキューと繰り返した。通訳さんは「英語の話せる先生でよかったです。」と言ってくれたが、こっちは用語を並べただけのインチキ英語に過ぎない。頼むよ~~と思いながら、「とんでもない、居てくれて助かりました。」と返しておいた。

 子供達は診察室にあるおもちゃに夢中になっており、いい顔で遊んでいた。母親は最後まで顔を崩すことはなかった。

 日本での生活、頑張ってね。

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