« 給食大盛り! | トップページ | ご冥福をお祈りします »

2009年12月 1日 (火)

ジェレミーが ねっ

 川崎病で入院していた男の子。入院当日から逃避行動が強く、医療者には全く目も合わせず、知らん顔。ひたすら自分の世界に閉じこもり、あわただしくお気に入りの本をめくってはブツブツ独り言をしゃべっていた。

 もちろん両親とはコンタクトがとれていた。しかし心臓のエコーを行うときは全く誰の言うことも聞かなかった。それこそ数人で押さえつけないと全くエコーのプローべを当てることができなかったのだ。初回は40分悪戦苦闘した。2回目も・・・

 川崎病の冠動脈病変は発熱してから10~14日で出てくることが多い。一番確実に検査するため、3回目は麻酔を使うことにした。瘤はなかったが、おそらくもともとであろう、左冠動脈の走行がとても複雑な子供であった。

 ガンマグロブリンが奏功し、あっという間に解熱し、冠動脈変化もないため、外来フォローアップとなった。2週間後、心エコーのため来院。その日は始めから憂鬱だった。そりゃそうだ、パワーアップした彼がおとなしくしてくれるはずもない。

 その日外来の看護師さんが、一緒に検査室に入ってくれた。横になるのをぐずる彼にこう言った。

看「ねぇ、パーシーって何色だったっけ?」

すると突然彼は動きを止め、頭の上方にいる彼女に向かってこういった。

児「みろりだよ。ジェームスはあかいの。」

今日の彼の服は機関車トーマスだった。そこからはトーマスの仲間達の話で盛り上がった。

私「ハロルドは知ってる?」

児「しってるよ。ヘリポプターだよ。」

看「ゴードンって強くて早いんだよね。」

児「でもねジェレミーのほうがはやいよ。」

・・・10分経たずに終了。

 これからこの子にはトーマスでと看護師さんと話しながら、今日の再心エコーを迎えた。えっ、しまった。今日はあの看護師さん、急に休んじゃったの?!

 でも大丈夫。今日はお母さんが袋いっぱいにトーマスの仲間達を入れて来てくれた。初めて飛行機のジェレミーに出会った。

私「やぁ、君がジェレミーか。かっこいいな~」

児「そうだよ。しゅごくはやいの。ハロルドもいるよ。でもね、はねがとれちゃったの。あしょんでたらどっかとんでっちゃったの。」

 ありがとな、ジェレミー。またよろしく!

Jeremy_photo  

|

« 給食大盛り! | トップページ | ご冥福をお祈りします »

コメント

うーむ。ジェレミー...
強力な味方ですな!

投稿: いなか小児科医 | 2009年12月 2日 (水) 10時19分

いなか小児科医さん

 他の動物キャラやアンパンマン&ポケモンでは反応なしで、困り果てていた児でした。

 ジェレミー、ご贔屓の程宜しくお願い致します。

投稿: クーデルムーデル | 2009年12月 2日 (水) 19時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 給食大盛り! | トップページ | ご冥福をお祈りします »