« 誕生日 | トップページ | 早くも品切れ? »

2009年11月17日 (火)

よほど怖いぞRSV

 近年は冬場に限らなくなったが、RSというウイルス感染が幼い子供達を悩ませている。このウイルスは年長児より年齢が上であればただの風邪症状のみ引き起こすありふれたもウイルスだ。しかし1歳未満の児には命取りになりかねない感染だ。このため未成熟児にはシナジスという名前のワクチンが施されるくらいなのだ。

 しかしこのRSウイルスは一般には知られていない。そりゃそうだ、インフルエンザのように多くの人に蔓延し、辛い症状を引き起こすわけではないからだ。数年前このウイルスに罹患し入院となった児の父親が、病棟運営上隔離させてもらうという話をしたところ、急に怒り出したことがあった。かの父親は東京の女子医大にいる知り合いの医者に問い合わせるから首を洗って待っていろと怒鳴ってきた。あろうことか先方の医者はRSウイルスで隔離とはおかしいと言って来たそうな。アホ臭くって確認などしなかったが、その患児のためにも、そして他の疾患で入院しているチビちゃん達を守るためにも隔離させていただいた。

 また先日入院した児の母親は、RSウイルス感染と告げるとインフルエンザでなくてよかったとつぶやいていた。待て待て、私からしたらRSVの方がよほど質が悪いのだが・・・

 RSウイルスに罹患すると気管支炎を来す。チビちゃん達に感染すると気管支の中でも細気管支という部分に炎症を来たし、重篤な呼吸不全へ陥ることをしばしば経験する。人工呼吸管理も稀ではなく、ひどい咳反射などで哺乳不良となり入院加療となることは日常茶飯事だ。つまりとてもやっかいなウイルス感染なのだ。

 最近はRSウイルスだけでなく、メタニューモウイルスとかボカウイルスなどもRSVと同じような症状を幼少時に引き起こすことが判ってきた。ウイルスは侮りがたい相手だ。というより感染症は人間がこの世に存在する限り、付き合って行かなくてはならない相手なのだ。一方的にさよならを言っても、全く意を汲んでくれることなどありはしない。

 そうこうしている間に、兄弟からインフルエンザを貰ってしまった乳児が入院してきた。CDCの勧告でも先月号の小児科学会誌でもタミフルを飲ませるよう書かれていた。さて・・・どうしたものか。乳児の血液脳関門はとても幼弱だ。タミフルは本当にこのような未成熟な児に投与すべきものなのだろうか・・・

 

 

|

« 誕生日 | トップページ | 早くも品切れ? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 誕生日 | トップページ | 早くも品切れ? »