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2009年11月18日 (水)

川崎病の原因特定報道

 複数の細菌感染が川崎病の原因で、ST合剤という抗生剤で治せるという論文が出たと読売新聞で報道された。

 おそらくそんなバカな?と思っている小児科医は多いはずだ。川崎病は病初期にはそれと判らず、発熱やリンパ節腫脹などから抗生剤をしっかり投与されていることが多い。ただしST合剤は副作用の面から小児では特別な場合を除いて第一選択として使用されることは少ない。そして対応する細菌も異なるのであるが。

 これまで川崎病の原因としてはブドウ球菌を筆頭に感染が起因するという説が何度も語られてきた。それでも単一の病原菌では説明できない多様性があるため、特定には至っていなかったのだ。

 日和見感染的とでも言うべきとても弱い細菌による感染に個人の免疫特異性から発病するというのであろうか・・・論文を早く読んでみたいところだ。もしかしたら本当にST合剤のみで川崎病が冠動脈を作ることなく治るのかもしれない。しかし釈然としないのも事実だ。

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コメント

wikiに原たいせいきん文のリンクがありましたので、少し読んでみました。難しくて分からなかったですが、abstractに19人全員の菌が耐性菌であったとの記述がありました。数十年前に識別されたこと、最近、川崎病が増えていること、幼児には抗生剤を遠慮がちにするであろうこと、耐性菌との関連性を想起させられました。知り合いのお子さんが先週発病され、この記事について主治医にお聞きしたところまだ、立証されたわけではないとのことだったそうです。血液検査ぐらいしてもよさそうなのに。。。と考えました。そういうものなのでしょうかね。。。親としてはベストの治療を受けさせたいと願うものなのですが、今は医療の現場はインフルエンザもあって、時間がないのでしょうけど。。。

投稿: 父 | 2009年11月19日 (木) 21時10分

父さん

 論文そのものが手に入っていないので、なんともコメントしようがありません。

 ただ誤解がありそうですから、訂正のみさせていただきます。

1 幼児だからと抗生剤を遠慮がちに使うことはありえません。抗生剤は必要な人・時を選び、必要な期間に充分量使うものですから。
2 川崎病で血液検査をしないまま済ませることなど日本においてはありえません。診断・治療基準からも必ず検査します。しかし血液検査で細菌感染か川崎病かの区別は出来ません。臨床所見など総合判断なのです。しかも川崎病と特定される直前には血液培養検査がなされることが多く、通常の培養検査では細菌の繁殖は無と報告されています。
3 感染症を疑った場合の血液の細菌培養では様々な細菌が検出されることがあります。その場合、通常診療の場では皮膚などの常在菌の混入と判定することが多いです。このようなときに検出される細菌はほとんどが抗生剤への耐性を有しています。この論文がどうであったのか、そこが最も知りたいところです。
4 インフルエンザなどで外来がいくら混沌としていようとも、入院加療の児への対応がおろそかになることはプロとしてありえません。特に川崎病は片手間に対応できるほどの甘い疾患ではありません。

 なんにせよ、この記事については確証がなく、川崎病に関わる医者すべてが動向を見守っているところです。少なくとも現段階で通常治療を行わず、抗生剤のみで治療するなどあってはならないことと思います。

投稿: クーデルムーデル | 2009年11月19日 (木) 21時39分

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