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2009年8月31日 (月)

脳炎?脳症?

 成長ホルモンを使い始めた男の子。先週からネフローゼを発症し、入院している。

 ネフローゼを発症した原因として成長ホルモンは本当に関係ないのかなど検索している間にステロイドが反応してくるだろうと思っていた。しかし1週間経っても全くその兆しもない。それどころかステロイドの反応が悪い子供達によく見るようなタマタマ&チ○コの水風船化まで認めるようになった。本人は「チ○コが大きくなった!」と喜んでいるのがせめてもの救いだけれど・・・

 ネフローゼは尿に蛋白が漏れることで、血液中の蛋白が失われ、身体中が浮腫むにもかかわらず血管内は脱水を来すという病気だ。血管の中から水がなくなると、血が固まりやすくなる。蛋白が失われれば、抵抗力も失うことになる。とんでもなく危険な状況をステロイドが良くしてくれる。ただしステロイドには副作用がある。いろいろあるが、免疫力低下や骨の成長の問題は必発だ。血圧が上がる人もいる。

 そんなおり、一昨日血管内脱水があるはずなのに、少し血圧が高く(130/100; 12歳)なり始めた。その夜、突然の激しい頭痛、嘔吐が出現した。そして2分間の全身性強直性痙攣も起こした。レベルは痛み刺激に開眼するJCS30だ。脳梗塞?高血圧性緊急症?麻痺はない。瞳孔もOK。呼吸状態もまずまずだ。ラジカット&ペルジピンを落としながらMRIへ。

 なんだこの像は?T2 high、T1 low, T2フレアでもhighなエリアが小脳、後頭部のあちこちに多発しているぞ!

 ADEM ?PRES ?ミトコンドリア?それともカビなどの感染?

 髄液検査では細胞数の増加や蛋白・糖の異常を認めず、圧も高くなかった。痙攣予防と脳圧降&血圧降下剤、そして抗真菌剤&抗生剤などの投与を開始したところ、現在とても落ち着いている。

 さてなにが起こったのだろうか。

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お願い

 インフルエンザはまず間違いなく蔓延します。不顕性感染といって症状なく過ぎ去る方も稀にいますが、おそらく皆ある程度の発熱や、咳、のどの痛みに襲われます。しかし大多数の方は寝ていれば治ります。タミフルなどの抗インフルエンザ剤が必要な方はリスクの高い方限定と考えてください。

 リスクの高い方というのは以下の通りです。

5歳未満、65歳以上 慢性呼吸器疾患(喘息含む)、慢性心疾患、腎疾患、肝疾患、血液疾患、神経・筋疾患、代謝異常(糖尿病含む) 免疫抑制状態 妊娠中の女性 長期間アスピリン療法を受けている19歳未満の者 介護施設居住中

 悪くなる方は、発症当初より急激な症状を呈する方もゼロではありませんが、そのほとんどが3日以上経過してから重くなってきています。

 どうか早期発見・早期治療などという妄言に惑わされないでください。高熱が出れば確かに苦しいです。しかし冷やして寝ていてください。皆さんの、人間の身体には抵抗力が備わっているのです。ですから必ず治ります。もし3日以上に渡り症状が悪化しつづけるのであれば、そのときは医師に相談してください。そこが医療を受けるべきタイミングです。もちろんその前に痙攣を起こしたり、呼吸状況が悪くなることがあれば、それは医療を受けるべき時です。

 病院には抵抗力が落ちている方、抵抗力を薬で落とさざるを得ない方などが大勢いらっしゃいます。この方達を守れるのは病院しかありません。

 学校はあろうことか、平熱以上の熱があったり、咳があったら病院へ行き、診断をしてもらいなさいとおふれを出しているようです。これは全くの間違いです。まずインフルエンザを的確に漏らさず診断できる検査はありません。迅速キットの陽性率は6割程度です。つまり罹っていても検査ではかかっていないとなる人が4割もいるのです。意味がないことはおわかりいただけますよね。もし、自分が体調悪いと思うのであれば、自宅で静養して欲しいのです。それがエチケットです。

 インフルエンザについて詳しいことは国立感染症研究所のHP感染症の泰斗によるブログなどを参照してください。もちろんご質問があればなんなりとどうぞ。

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2009年8月28日 (金)

おそらく

 友の声に押され、ようやく少し元気回復。

 今日は2人の患児を紹介する。

 一人はまだ確証を得ていないのだが、もう3年診ている高校生の女の子。学校検尿でタンパク尿と血尿を指摘されて他院へ。この時は0.3g程度の一日タンパク尿量&30個程度の血尿があり、補体(C3)もわずかに低下していて、ASOは中等度高値にて急性腎炎だろうと言われていた。徐々に尿所見が陰性化するも補体が一向に上がってこないとのことで当院を紹介されたのだった。

 紹介されてからこの方、蛋白尿は時々軽度認めるものの血尿はない。補体は微妙に正常値を下回る程度。蛋白尿が増えてくるなら腎生検と言い続けて3年が過ぎてしまった。本人に全く自覚症状なし。おそらくだが、MPGN(膜性増殖性糸球体腎炎)それもfocalな病態が隠れているのだろうと予想している。SLEといった全身疾患も否定は出来ないが、いずれにせよ今actionを起こさずともよいと思いながらの3年だ。ただ来年は高校3年になる。進学を希望しているとのことだから、まぁまだ待てるか。

 もう一人は4ヶ月の男児。急病診療所で38℃ちょうどの発熱とのことで拝見した子だ。2日前に眼が赤くなり、その後顔と手に発疹が出たので小児科へ行ったところ何ともないと言われたとのこと。こりゃ川崎病の病初期だろうと思い、翌日精査のためうちへ来るようお話しした。

 予定通り来院され、採血したところ白血球を含め炎症反応が高値を示しており、口も赤くなってきたのでやっぱり川崎病だろうと入院してもらった。しかしまだ発熱から2日目、眼が赤くなって4日目とのことで、アスピリン内服のみ開始し、様子を見ることにした。すると入院翌日、すなわち発熱3日目で解熱してしまったのだ。眼も発疹も薄らぎ、口の赤みも和らいでいる。こりゃ一体?と思いながら様子を見ていると、やはりすべての症状が消失してしまった。炎症反応そのものも低下傾向を示し、γグロブリンを使用することなく1週間が過ぎた。眼が赤くなって10日が過ぎた頃、指先の皮が剥け始めた。やっぱり川崎病だったかと、再度採血してみたところ肝機能の悪化と炎症反応のくすぶりが確認された。熱は出ていない。心臓の冠動脈も問題ない。しかし・・・

 親と相談した結果、γグロブリンを使用することにした。問題なく点滴し終わり、現在炎症反応は全く陰性、肝機能も正常化している。膜様落屑という指の皮剥けもほぼ全部の指に起こっている。本人は終始ニコニコ。ミルクもたっぷり飲んでいる。

 病気はその人によって反応が違うものだ。教科書に載っている症状と違うからと否定できるものでもない。ただし疑いを持つのは勝手だが、あてずっぽうは情けない。不必要な検査は、たとえ患者本人や家族が希望しても、ホイホイ行うべきものではない。信念と努力と経験、そしておそらく第六感とか運も味方につけるべきものが医療だと思う。

 

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2009年8月26日 (水)

マンネリズム

 ここに来るまでは最長2年で異動していた。新しい職場に慣れ、自分の色を出してわずか1年ちょいのところでまた別のところで働いた。当然マンネリは経験しなかった。

 佐倉に来て6年。日々の診療はもちろん、自転車・フットサル&テニス・年2回の院内合唱発表など先頭を走ってきた。学会発表も論文発表も精力的にこなした。

 ちょっと疲れただけかもしれない。

 少し休めば変わるかもしれない。

 でも、気持ちが乗らないのだ。

 もちろん診療は続けている。毎日のルーチンは否応なしにやってくる。

 でもテンションは、申し訳ないが揚がらない。

 静かに力を溜める時なのだろうか。

 

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2009年8月19日 (水)

この夏だからこそ

 これだけ過ごしやすい夏があっただろうか。

 8月前半は雨が多く、日照時間も少ないためやきもきした。しかし10日過ぎからたっぷりの日差しが戻ってきた。日中は確かに暑い。でも夜の涼しさときたら、もうスズムシの音が似合う秋風なのだ。

 それもそのはず。太平洋高気圧に覆われることなくここまで来ている。晴れても大陸からの乾いた移動性高気圧によるものなのだ。過ごしやすいことこの上ない。

 8月なのに台風のせいもあって集中的な豪雨が各地で起こっているのは、いつもなら9月に起こりうる長雨が基本にあると考えられる。被災された方々にはお悔やみを申し上げたい。我が故郷と山を隔てて向こう側にいらした佐用町の被害など、我が事のように驚き、悲しくなった。

 災害だけでなく、疾患もいつもの夏とは様相を異ならせている。予想以上にインフルエンザが流行しているのだ。

 気温30℃・湿度80%以上ならインフルエンザの流行はないという研究報告についてはどこかでお話しした。しかしこの夏の状況はこれに当てはまらない。それでも同一空間に閉じこめられる事がなければそうそう流行はないはずと思っていた。この期間、この状況が生まれるのは『夏が天王山!夏を制する者は受験を制する!!』と気合いを入れる受験生、すなわち塾だ。冷房はガンガン、寝不足の子供達を集め、少々の風邪症状なら休む事なかれ・・・・そりゃ、流行るわな・・・

 それでも重症者はとんと見掛けない。報道されていた高齢&肺気腫・人工透析中の方は、インフルエンザでなくともハイリスクこの上ない方だ。通常の風邪だけでも命の問題になったであろう。いまだ見掛けないのは、乳幼児のインフルエンザだ。彼らがどうなるのか、そこで随分対応が変わってくるはずだ。今のところ夏風邪(手足口病・プール熱・ヘルパンギーナなどなど)のオンパレードだが。

 9月、学校や幼稚園が始まって2週間くらいからとんでもないことが起こるのかもしれない。ちょいと用心しなくては。

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2009年8月17日 (月)

ご不満かな

 12歳の男子。あるアジアの国から昨年帰国してから定期的にレントゲンを撮るよう指示されていたらしい。本年7月に撮影したレントゲンで異常陰影を指摘され、CTで右上葉に1cm大のcoin lesionを認めた。結核を疑われたがQFTは陰性であったらしい。精査目的で当院を紹介され、来院した。

 発熱も咳もないが、淡い1cm大の陰影が確かに存在した。既存構造を破壊するようなものではない。胸水も認めない。一体これは何か・・・・数個、こういった陰影があるのなら転移性腫瘍などを疑うかもしれない。しかし1個だ。縦隔のリンパ節の腫大もない。

 当院では気管支鏡を子供に施行できる医者はいない。腫瘍を専門にする小児科医も呼吸器を専門にする小児科医もいない。ならば専門医を捜すべきだろう。近隣の大病院にあたってみた。

「そりゃ先生、うちじゃ無理ですね。千葉大とかこども病院ですかね・・・」

 やはりそうか。それなら急ぎ紹介しよう。親御さんにお話しした。

「結核の可能性はとても低いですが、この陰影を早く的確に診断することは当院ではできません。専門家に検査してもらうべきものです。こども病院へ紹介させていただきます。」

 親御さんの顔は明らかに納得していない。しかし納得も何も、ここで時間を潰すより、専門医の門をたたく方がよい。そうお話ししているのにもかかわらずである。そんな顔をされるのは初めてで面食らってしまった。

 

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2009年8月14日 (金)

こわ!

 患者さん紹介の電話が鳴った。1歳の女の子。2週間前に下痢・血便で近医を受診し、便培養から大腸菌O-25が検出されたらしい。ベロ毒素は産生せず、本人も5日ほどで下痢が消失していた。しかし昨日から瞼・顔面の浮腫が出ているのではと母親が気付き、本日再度近医を受診した。おしっこ検査をしたいがまだ尿が出ていない。体重は2週間前より1.5kgも増えているとのこと。こちらが小児でも腎臓を専門にしていることから診て欲しいとの電話であった。

 1歳でタンパク尿が大量にでる、いわゆるネフローゼ症候群という病気になる子供は存在する。時間経過から考えにくいがHUSってのもあるか?まずはおしっこを診てからだなと、到着を待った。ほどなくして可愛らしい女の子が元気いっぱい駆け込んできた。確かに顔面は少し腫れぼったい。2週間前の体重を聞くと、銭湯の体重計で測ったきりらしい・・・う~~ん、それはちょっとあてにならんが・・・

 おしっこを確認したところ、タンパク尿も血尿も全くなかった。血圧は94/62で体重も10.5kgと身長&年齢からいって標準だ。なによりこの元気さだ。しかし私からみても瞼は確かに腫れている。両親も顔は腫れていて、以前にも寝起きに腫れたことはあるけれど、しばらくするとすぐに元に戻ったのに今日は戻らないのだと言う。それならばと、レントゲン、心電図、採血をオーダーし、外来診察室に置いてある腹部エコーの器械で心臓を確認した。動きは問題なく、水もたまっていない。でも心臓を専門に診られる器械じゃないので、他のデータを待った。

 レントゲン・・・心拡大を含めなにもなし。心電図・・・異常ないな。

 1時間待って採血結果が出た。WBC, AST, CPK・・・まさか、、、桁が違ってるじゃないか!!

 女の子は相変わらずニコニコとこちらを見ている。これで心筋炎?もしそうなら、詳しく心エコーを確認し、心電図をモニターし、γグロブリンなどを・・・いや、ここで診るより、専門家に任せるべきだと考え、近くの専門医に電話を掛けた。

「すぐこちらへ来させてください。直入院していただきます。」

 さて今頃どうしているだろう。

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2009年8月12日 (水)

玉虫

 昨日自転車で帰宅途中、すぐ近くの道路上で玉虫と遭遇した。重たそうにお尻を下げて飛ぶさまは決して格好のよいものではない。しかしあの美しい色合いにはやはり目が釘付けになった。

 自宅にほど近い小さな公園には玉虫の鮮やかな羽が時々落ちている。おそらくこの辺りに生息しているのだ。しかも相当数。私はど田舎出身だが、玉虫をこの目で見たのはここへ来てからが初めてだ。

 そういえば昨年、玉虫の羽で作られた玉虫厨子が話題となっていたが、確か和製ではなく外国産の玉虫の羽を使用していたように思う。貴重な玉虫をこんな形で見られるなんて、素晴らしい。

 カブトムシだって、クワガタだってデパートではなく公園で捕まえることのできるこの環境を大事にしなくてはならない。さて、久しぶりに暑くなったことだし、今夜は昆虫採集にでも行くかな。

 

Dsc_0220

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随分前になったけれど

 ようやく写真が手に入ったので、記録として残すことに。

 言わずもがなの夏祭りでの合唱である。合唱の曲目は4曲。

ナウシカより『遠い日々』

ディズニーより『右から2番目の星』

魔女の宅急便より『やさしさに包まれたなら』

長万部太郎作詞&作曲・信長貴富編曲『WAになっておどろう』

 いずれも楽譜通りではなく、少しアレンジを加えたが、特にナウシカの”ラ ラン ラッラララ・ラ・ラン ラ ラッラララーン”は無茶苦茶よかったと好評を得た。最後の輪になって踊るのはねらい通り。みんな乗り乗りでやってくれたようだ。

 それにしても、これを作り上げるのはしんどかった。来年も出来るかな・・・・・

Photo

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2009年8月 6日 (木)

帰国

 不覚にも涙をこぼしてしまった

 いやそうじゃない

 心の底からあふれ出る涙を抑えることが出来なかった

 1ヶ月

 たった1ヶ月のことなのだが

 彼は私の家族となった

 かけがえのない一人の息子に

 大きく育った君を見たい

 優しく静かで

 そして勇敢な君を

 私たちはいつまでも忘れない

 Ronnie 元気で

 いつの日か必ず

 また会おう

 

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2009年8月 2日 (日)

この景色

この景色
今日は時折晴れ間の覗く天気。やっぱり鳥取の海は綺麗で気持ちいいぜぃ。

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2009年8月 1日 (土)

夏休み

夏休み
夏祭り後、興奮冷めぬまま夏休みに突入。鳥取の海に潜って採ったアワビは最高!

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