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2009年5月30日 (土)

あぁ君か

 「○■△君、71番にどうぞ」

 その少年はスルスルっとドアを開け、丁寧にお辞儀し、

「おじゃまいたします。」と診察室に入ってきた。

 「おっとその声とその礼儀正しさは、もしやUSB少年・・・」

 「いや~~元気だったかい。」

少年「いえ、別に元気というわけでも・・・」

母 「何言ってんの。バカなくらい元気でしょ。」

 相変わらずの親子関係のようだ。彼は軽度の水腎症があり、毎年エコー検査を受けに来ている。今年もそんな季節だということだ。

 「さて、また見てみような。」

少年「パソコンですね。えっ、何するんですか。」

看護「お腹から見るからね。ちょっとスボン下げさせてね。」

少年「いっ、いやですぅ~~」

母 「だから黙ってなさい。」

少年「だって~~何見るんですか~」

 「膀胱だよ。心配しなくても今年はチン○ン見たりしないから大丈夫だよ。」

少年「本当ですね。でもちょっと下げすぎですぅ。あっ、うっふぅん・・・・あっ、映った。ちょっと触ってもいいですか。」

母 「高いんだから、触っちゃだめ!前に聞いたでしょ。」

少年「でも普通のパソコンくらいでしょ。白黒だし。」

 「ちゃんとカラーもでるよ。ちょっと待ってな。今度は背中から。はい、息を吸って~止める・・・・できるね~~じゃあ普通に息していいよ。これからカラーにするよ。」

少年「ちょっとだけじゃん・・・」

 「あのね、見たいところだけカラーにしてるんだよ。動きのあるものに反応しているんだよ。近づいてくるものは赤、遠ざかるものは青、流れるもの、つまり血管が映し出されているんだよ。」

少年「知ってるよ。ドップラーって言うんでしょ。」

 「おお!年々賢く成長するな~君は!!お母さん、楽しみですねぇ。」

母 「はぁ・・・・・置いて帰りたいくらいですが・・・・」

 帰り際もちゃんと彼はお辞儀をして帰っていった。またな!!

 

 

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2009年5月29日 (金)

北方戦線異常あり

 北朝鮮がぶっ放し続けている。日本にとって隣に核兵器を持つならず者がいることは、決して良い状況でないことなど小学生でも知っている。いい加減何とかして欲しいと世界に訴えても非難決議が関の山で、同盟国アメリカとてなんの儲けにもならない戦など仕掛けるはずもない。

 いやいや、第二次世界大戦後の朝鮮へはアメリカが乗り込んでいったではないかと言う人もいるだろう。それはアメリカが自由を運ぶ使命感に勝手に燃えていた時代の話だ。黄色い猿に自由を教えてやり、自らの言いなりへと教育できたことに味をしめ、自由と民主主義と弱肉強食の経済を広める唯一無二の覇権国家として展開し始めた時代はもう終焉を迎えようとしている。ならば恫喝されている自身で何とかするほかなかろうと思うのだが。

 しかし本当の気掛かりは北朝鮮ではない。北のやんちゃぶりを見て見ぬ振りが出来なくなったロシア&中国の動向だ。ロシアは昨年からの経済破綻で昔のロシアに戻りつつある。彼らの願いはただ一つ。凍らない港を持ち、海を我がものとし、大ロシアを建設することだ。全世界が北を非難したとき、かの地を掠め取る絶好の機会となることは間違いない。しかし中国も元は自分の領土だと思っていることだろう。しかも北から難民があふれ出せば、自国の経済を圧迫する要因になりかねない。黙っていられるはずもなかろう。

 中国の覇権主義は言うまでもない。アジアのみならずアフリカまでも、日本からのODAを横流しすることで手なずけている。それは論理の飛躍・すり替えだと言う亡かれ。未だ先進列国には自ら途上国を名乗り、実は中華思想の下、盟主・覇権国家を名乗るdouble standardは周知の事実であり、日本から何千億ものODAをむしり取ってはせっせとアフリカ諸国へ援助し、見返りに資源を確保しまくっている。彼らが北の大地をどう扱うのだろうか・・・

 どうでもよいが、先日偶然グータンヌーボ?をチラ見した時、キムヨナ(韓国国民の妹)が他2名の日本人に「日本人男性のこと、(恋愛対象として)どう思う?」と尋ねられ、ブッフッととんでもないという反応を示した。聞き手の一人は日本女性で、韓国人サッカー選手と結婚した方だったが、努めて冷静に対応していたことに頭が下がった。でも日本人よ、あまりにおとなしすぎるんじゃないか・・・

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2009年5月28日 (木)

意地を張るのも必要だが、謙虚こそ

 今年のヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝は、イングランドのマンチェスターユナイテッドとスペインのFCバルセロナの対戦だった。両者ともに所属のリーグを制し、世界に名だたる選手を揃えているが故に、名実ともに世界No.1を決する試合と呼び声も高かった。また両チームともとにかく相手を圧倒し、自慢の攻撃力で叩き潰すチーム同士だ。特にバルセロナは1-0で勝つより3-4で破れた方がよいと豪語するクライフ(オランダサッカー界のスーパースター、元バルセロナ黄金期の選手&監督)に絶賛されたグアルディオラが率いている。つまりスペクタクルなサッカーを信条としているのだ。このことからもノーガードの打ち合いが期待された。

 結論からすると、マンチェスターには失望した。というよりファーガソン監督に失望した。逆にバルセロナは、あまりにも当たり前に悠然とボールを保持し、時折鋭い攻撃を見せ、観客を楽しませてくれた。マンチェスターはあれほど中盤をルーズにするチームではなかったはずだ。それを監督の采配がぶち壊してしまったのだ。

 準決勝において、バルセロナを後一歩のところまで追いつめたチームがあった。チェルシーというイングランドのチームだ。彼らの監督であるヒディングは、理論でバルセロナの中盤を機能不全に陥れた。たった一度の小さなミスをイニエスタというテクニシャンの一撃に替えられ、涙を飲んだのだ。彼らの戦術をファーガソンは見ていたはずだ。しかしイングランドプレミアリーグでチェルシーを抑え、3連覇を達成した意地を捨てることが出来なかったと見える。MFハーグリーブスを怪我で欠いたことも影響したかもしれない。しかしFWベルバトフを投入した時点で、ファーガソンの意地とマンチェスターの負けを確信した。

 少なくとも今日、私は期待の半分も満たされぬまま朝を迎えた。そりゃないぜよ。

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2009年5月25日 (月)

やみつきになりそう

 来年千葉で国体が開催される。佐倉はレスリングとカヌー競技が開かれるらしい。自宅にほど近い印旛沼の新川はカヌー競技のための施設建設&護岸工事が行われている。もしかしたら千葉小見川以上のカヌー施設が出来るのかと期待をもって工事を見守っているところだ。

 それこそ近くのアウトドアshopへ行くと、キャンピング用品とならんでカヌーが展示されている。決して安い買い物ではないが、時代を先取りするならカヌーかな・・・などと思いながら見ていた。国体で整備された湖畔に繰り出すのも悪くない。もちろん印旛沼の向こう岸は全く手つかずの葦の原が広がっているし・・・

 それならカヌーの体験をと考え(初めてか~いって突っ込みアリ)、小見川の体験コースへ申し込むと、その前のベーシックを受けないと体験出来ないとの返事。やってみたいという気持ちが高まっていた昨日、ぽっかりと仕事もその他の予定もないことが判明した。しかし関東はゲリラ雷雨に注意と天気予報が連呼していた。それならば、雨の確率の少ない東北まで出かけてしまえと考え、裏磐梯まで車を走らせた。

 裏磐梯の五色沼は有名だが、磐梯朝日国立公園内には湿原・湿地があちこちに広がっていて、その一つの桧原湖でカヌートレッキングが出来た。雄大な磐梯山を臨みながら、習いたてのパドリングで漕ぎ出した。なんと静かで滑るような乗り物なのだろう!これまでボート・カッターなど苦しみながら必死でオールを漕ぐことしか経験してこなかった。しかしカヌーは本当に水面を滑っていくのだ。ガイドは湿地の奥深くまで、茂みをかき分け連れて行ってくれた。

 静かに、ゆっくりと進んだ。水底まで透き通る湖は、新緑を映し出しながら、底にエビの姿も見せてくれた。この後夏にかけて『じゅん菜』が取れ、そして蛍が舞うらしい。

 ダメだ、いかされちまった。これはやめられない・・・・Photo

 

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2009年5月22日 (金)

繰り返し読んでしまう

 父は山岡荘八の『徳川家康』を何十年も繰り返し読んでいた。

 私は司馬遼太郎の『坂の上の雲』を4たび読み返している。

 そのたびに違った感情が湧いてくる。

 さて、今の私にとって『坂の上の一筋の雲』とは何であろうか。

 自問しながら日常が行き来する。

 

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2009年5月20日 (水)

何が何でも治療?

 トンフルは何が何でも抗インフルエンザ剤を使わなくてはならないというものではない。何者か判らなかった数週間前までは、使うべきだったかもしれないが、少なくとも一般人皆使うべきという状況ではない。

 やはり重症者、基礎疾患を持つもの、年寄り、乳幼児に限るべきだろう。そして妊婦さんも感染がはっきりしたら服用すべきとCDCのみならず日本産婦人科学会も勧告を出した。

 特効薬なら皆飲めばよいだろうという意見があるのは判る。しかし薬の数には限りがある。滅茶苦茶に使えば副作用も出るし、薬の効かないウイルスに変異してしまう恐れも出てくるから、病院や発熱外来などを受診しないと手に入らない。つまり感染しても軽症な人達が、重症者や基礎疾患のある人のすぐ傍まで大量に押し寄せる機会を作ってしまうことに他ならない。

 最大の力を発揮すべきなのは、感染による重症者救済だ。感染の機会はもうすぐ隣に来ている。心配するだけ損だ。その点大阪の高校生はぶっとんでいた。

「えっ、暇やから遊びに来た。」

「俺は絶対移らへんし。」

 いや、反応が軽度か重度かは個人差が必ずあるが、本当に大勢が罹患すると思うぞ。

 でも本番は今ではなく、この冬。おそらくそれまでは散発的に各地で騒動が起きることだろう。それは南半球が感染の本番を迎え、そこから輸入されるだろうからに相違ない。どうキットを使っていくべきか、それを考えなくてはならない。そして最も注意を怠ってはならないのが、強毒性のH5N1鳥Fluの動向だ。これが出た日には、病院入院中の患者を守るために何をすべきかとするのか、それとも最大多数の幸福を求めるべきか、それに翻弄されることになるだろう。

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息巻いたところで

 変わらないかもしれない。でもおかしいと思うことを声に出せない所で働けない。
 
 このエネルギーをどこへぶつけよう。って考えてみると、折角良い返事をもらった英文paperの推敲と査読者への返事を忘れていた。一気にやってしまうだけの熱が沸き、仕上がってしまった。でもってこれはプリン体のサルベージ回路を介してATPが産生されることによる細胞へのエネルギーが元になっているわけで・・・イヤ待てよ、交感神経系の昂揚によりアドレナリンが放出されて、細胞膜でアドレナリンとATPが関与してcAMPが発現して・・・

 眠れなくなるだけだ〜〜〜

 こんな時はほんわかしないと眠れない。そうだあの曲だ。

 ってことで、おやすみなさい。

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2009年5月19日 (火)

この期に及んでまだ水際対策ですか

 この期に及んでまだ水際対策&全頭検査するのでしょうか。

 もはや誰が保菌者かも定かでありません。発熱のとても軽い人もいれば、簡易検査キットでも反応の出ない人もいるのです。いつどこで誰が病院内に持ち込んでもおかしくありません。そしてキットはわずか2桁しかないのです。

 それでも家族に37.5℃以上の者がいたら全員簡易検査をしろと言うのですか。

 これからは重症者に限り原因検索&治療のために検査を施すべき時でしょう。

 ・・・・独り言です。でも・・・暴れるぞ・・・

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学会発表

 日本小児腎臓病学会が近づいてきた。自分の所属する主学会なので、毎年なんらかの演題を提出しようと努力している。マンパワーの問題などで発表できない時もあるが、今年も発表すべき演題に恵まれた。

 学会など自己満足&自己顕示欲の巣窟で、そうそう新しいこともないのにさも新しい事を唱えるかのごとく発表する有象無象の集まりと斜に構える方もいるようだが、私はそう思わない。ほんの少しの前進が明日の医療を支えている。全国の医師達と患者さん達の苦労が、よりよい医療を作ると信じている。何より全国の仲間達の奮闘を知っているからこそ、彼らの話を聞きたいのだ。

 ただ私はさほど苦労していない・・・とても珍しい疾患を持つ子供と出会い、その疾患について知り得た情報を提示するだけだ。それでもそのバックグラウンドを説明するのに骨の折れる疾患だ。久しぶりに生化学や遺伝子の本を引っ張り出すなどしている。

 まだ1ヶ月以上先なのに、もう取りかかっているのかって?腎疾患というより代謝疾患である病気の説明なので、下調べをしておかないとにっちもさっちもいかないのだ。プリン代謝系なんて本当に久しぶりなんだから・・・

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2009年5月17日 (日)

耳に残るぞ

 子供達が最近壊れたレコードのように歌いまくっている曲がある。

 「肉〜を食うより 俺を食え 俺〜を食うより 野菜食え!・・・
  トロ太〜郎 トロ太〜郎 本マグロトロ太郎〜〜〜」

 ダメだ、頭の中を回り始めちまった・・・

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2009年5月15日 (金)

誰のせいでもないのがウイルス感染

 飛沫感染してしまうウイルスは誰でも感染しうるもの。流行している地域が判るなら行かないこと、そしてどうしても行かねばならないときは人混みを避け、まめに手洗い・うがい・マスクをするべき。それでも100%予防はありえない。誰のせいでもなく、ウイルスはやってくる。潜伏期間もあるため、水際で封じ込めなど出来るものではない。罹患者の隔離の徹底や感染率の低さで感染者が予想以上に少ない場合は有効な作戦ではあるが。

 このたびのトンフル(Swine Flu)はパニックを起こすまでもない弱毒ウイルス。それでも死亡率0.4%と通常の季節性インフルエンザより10倍ほど死亡率は高い。何倍死亡率が高いと言われるとそれだけでものすごいことのように聞こえるが、少なくとも高水準の医療環境下で亡くなった方を調べると、あわてる必要はないことが判る。米国で亡くなった3名は、

①22ヶ月の重症筋無力症合併幼児

②33歳の喘息・リウマチ性関節炎・乾癬合併女性

③妊婦(帝王切開にて児は正常に分娩)

だった。喘息などの基礎疾患を持っている方、妊産婦、乳幼児、そして高齢者はやはり気を付けなければならない。もちろん彼らの家族も気を付けるべきだろう。

 その他の人も他人事と片づけるのは早計だ。感染を拡大させれば社会が麻痺することにもなりかねない。死亡率はそれほど高くなくとも感染率は高い。つまりそれは一定期間、辛い症状に見舞われる人が爆発的に増える可能性があるということだ。社会を混乱に陥れようとするテロリストならいざしらず、通常の良心的市民であれば、咳エチケットなどを実践し、感染拡大させぬよう努めるべきだろう。そしてもし罹っても、慌てず騒がず、家の中でジッとしていることだ。

 感染者を死神のごとく差別するのは言語道断だ。誰のせいでもなく、誰にでも感染は起こりうる。この差別感情を増長させるような報道は許し難い。感染者の個人情報や隔離病院を公表する必要性はない。報道に罰則規定を設け、厳しく処罰すべきだろう。

 風邪様症状で、病院へ行くべきか迷っている方。風邪は医療で治るものではない。栄養補給に努め、寝て治すのが一番だ。風邪薬などとCMにあるが、飲んでも治るものではない。症状を少し和らげて、働ける状態にするだけのことだ。早く病院へ行って、風邪薬を処方して貰うというのは全く理論的ではない。咳も痰も鼻水もウイルスを排除するための生理現象なのだ。これを良い機会として、国民一人一人が考えを改めるべきだ。風邪で病院へ行くのはやめなさい。病院へ行かねばならないのは、基礎疾患のある方、熱が3日以上続く方、呼吸が明らかに浅く・早く・顔色の悪い方だ。ひどい咳が1週間以上続くのも行くべきだろう。指針も公表されているので確認して欲しい。

 インフルエンザは30℃以上80%以上の湿度環境では感染力がガクンと落ちる。これからの高温多湿環境を考えると、日本において大流行は考えにくい。あるとすればこの冬のインフルエンザ流行時期が警戒すべき季節だ。おそらくワクチンが開発されるであろう。いつものインフルエンザは罹らない人でも、トンフルには免疫を持っていないはず。積極的にワクチン接種して欲しい。自治体はタミフルを用意する前に、咳エチケットや自宅療養の勧めの啓蒙およびワクチン導入を入念に行うべきだ。

 それでもこの冬はとんでもなくインフルエンザ症状の患者さんが増えて、外来&病棟はてんてこ舞いになるだろう。喘息の患者さんや腎疾患を抱える人達を専門外来に移して対処するなどしなくてはならない。受診の動線をうまく考えないと・・・

 さて今日の夕飯はとんかつにするかな。

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道すがら

 久々にひんやりとした空気を吸った

 風が強い 北東風だ

 風に抗して進むのに汗もかかない

 そう 5月の空気ではない

 しかし

 着実に季節は移ろい

 やがて梅雨が来ることを

 菖蒲が教えてくれる

Photo

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2009年5月13日 (水)

皮膚診療参考書

 この本、学会の書籍売り場で発見したものだが、なかなか使える。

 何より自分でこうした方が良いと思っていたことがそのまま書いてある。日常診療に使用して、必要十分なことが書かれているのだ。仲の良い小児科医と皮膚科医が一緒に考えて行っていた毎日の診療を本にしたというだけあって、本当に使いやすい。

 そう高くはないので、だまされたと思って買ってみては?

Photo

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2009年5月12日 (火)

母子手帳

 母子手帳は妊娠・出産の記録だけでなく、出生後の成長発達の記録が詰まった重要な情報源だ。医療者にとっては患児の置かれた状況を把握するのに欠かせないものである。ご両親にとっては、大切な子供の成長記録であり、離乳食や日々の過ごし方など育児方法や予防接種予定まで記載された優れた育児書である。大変便利な手帳であることは言うまでもない。

 我々は日常の外来診察にいらっしゃった患者さんすべての母子手帳に目を通すわけではない。しかし予防接種や乳児健診にいらっしゃる場合はもちろん目を通すし、初めて外来にいらっしゃった患者さんで、乳幼児期であったり、あるいは成長発達を確認したい場合や、母親の感染歴などを確認したい場合は見せていただく。

 必要十分に書かれた簡素な手帳もあれば、余白がもったいないかのごとくびっしりと記録された手帳もある。写真や絵で飾られたものもあり、玉手箱と表現してよいほど愛情の詰まった手帳がほとんどだ。

 ところがこのところ出生後、医師や看護師の書いた記録以外まっさらな手帳をみる機会が増えている。子沢山で記入する時間もないという方でもない。むしろ一人目の子供で、べったりと寄り添っている風のお母さんの手帳が真っ白なのだ。もちろん子育てを放棄している風でもない。しかし「首が座ったのはいつごろでしたか。」とか「おすわりできるようになったのは?」と聞いても答えられない。つまり見てきて知っているけれど、正確な時期を忘れてしまっているのだ。先日は1歳半まで全く健診を受けることなく経過した児の母子手帳を拝見した。成長発達の過程を辿れるか否かは、疾患の有無を見定めるのに重要であるが、それ以上に重要なのは親の愛情を推し量る物差しになりうる点だ。それは現時点で役立つだけではない。

 思い出して欲しい。自らの思春期以降の親との関わりを。反発したり、愛情を疑うこともあっただろう。

 想像して欲しい。そんな時に愛情にあふれる母子手帳をお互いに読み返す瞬間を。

 写真アルバムや映像に撮ってあるから大丈夫とおっしゃるかもしれない。もちろんそれはそれで結構。しかし医療、すなわち健康管理に必要な情報は母子手帳に勝る記録はないだろう。是非しっかり活用し、そしてそれを巣立つ子供に持たせてあげて欲しいのだ。

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2009年5月10日 (日)

暑ッ

暑ッ
ラグビー観戦で市原スポレクパークに来てます。日焼けひで〓

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2009年5月 8日 (金)

遊び心

 たわいのない事だけれど、こういう遊び心が好きだ。

 川崎病の子供を救うための治験Raise studyの発起人が私財を出して作り、研究協力機関に贈られたものがこれだ!

Raise発起人と子供達が手を繋いだRaiseのシンボルをあしらったマグカップ

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2009年5月 7日 (木)

よく来た!

 中学2年で不登校となり、すったもんだの後児童相談所に一時預かりされていた女子がいた。信頼できる大人がおらず、しばらく私の外来や相談室に毎日顔を出していた。しかし中学3年の半ばあたりからぷっつりと姿を現さなくなった。高校受験など含めてどうしているだろうと気になっていたが、やっと今日、顔を見せてくれたのだ。

 ここに来るようになった経緯は省くとして、一時は相談室においてしばらく勉強を見てあげていた。頭の回転は良く、小学校で学ぶべき事柄は一通り出来ていて、中学1年までは真面目に勉強していたことがよくわかった。普通に勉強すれば、進学校に行けるだけの頭のある子だった。こちらが出す宿題にもちゃんと答えてきたことから、面倒を見てくれる大人さえいればと思っていた。

 現在は定食屋でバイトしているらしい。高校は受験しなかったが、彼氏の薦めもあって来年はなんとかしたいと思い始めているようだった。ちゃんと食べて、眠っている様子も見えた。相談できる大人を造らないとダメだと話してきたが、児童相談所の先生ともコンタクトを取っていた。私の所にも少なくとも3月に一回は顔を出すよう話した。もちろん毎週通ってもよいとも。

 夜回り先生のようなことまでは私にはできない。しかし困ったときに駆け込めるところになればとは思っている。

 何も話さなくてもいい。心配している大人が居ることを感じてくれればそれでいい。

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2009年5月 5日 (火)

やっと休み

やっと休み
前半は当直&病棟番。これから2日はお休み。で、曇天の中やって来ました山中湖。あいにくの天気だけれど、富士山か゛顔を出してくれました!

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2009年5月 1日 (金)

使うべきか使わざるべきか・・・

 商品名タミフル、言わずとしれた抗インフルエンザ剤である。これまでもブログで書いてきた通り、季節性のインフルエンザであれば、抵抗力のある学童以上では基礎疾患がない限り使用する必要はない。しかしこのたびの北米インフルエンザ(Swine Flu or Flu A)が流行するならば、使うべきなのだろうか。

 毒性が強いのであれば使うべきなのは論を待たない。しかし毒性が通常のインフルエンザであれば、おそらく何事もなくほとんどの方にとっては一過性の呼吸器感染症として過ぎ去るだけなのだろう。メキシコでの青年層における重篤化率を早く知らせて欲しいし、アメリカでの使用実績を示して欲しいところだ。

 ただし乳幼児そして高齢者では、やはり使用するべきだろう。感染率も高いだろうことから、予防投薬も認められるべきだ。しかし1歳未満の児には、季節性のインフルエンザにおいて未熟な脳への影響を考えて、タミフル使用が見送られてきた。北米インフルエンザに抗インフルエンザ薬が有効と謳ってしまった以上、乳児にも使うことになるのだろうかと様子を見ていたら、本日のCDC見解として、使用方法が掲載されていた

 なるほど素早いと膝をたたきたいところではあるが、思い起こせばラのつく米国元国務長官がタミフルの発売元とのっぴきならぬ関連だったのだ。そりゃ打つ手も早くなるって勘ぐりを入れると訳がわからなくなる。

 飛びつく前にやはり、欧米での対応をしかと見定めたいところだ。

追加:もちろん感染者が少ない場合と爆発的流行とでは、考え方に相違がある。なによりタミフルが手元にあるかどうかも問題だ。薬局に確認したところ備蓄は少なく、しかも発注しても感染症担当拠点病院へ優先的に割り振られ、手元には届くか不明ということだ。

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