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2008年10月28日 (火)

妊婦さんへのインフルエンザワクチン

 今日の抄読会ではThe New England Journal of Medicineから表題の論文を紹介する。

 論文はEffectiveness of Maternal Influenza Immunization in Mothers and Infants(母体へのインフルエンザワクチン接種が母親と乳児に与える有効性)というものだ。日本でも米国でも妊婦さんへのインフルエンザワクチン接種は妊娠14週以降ならば推奨している。しかしその根拠に乏しかった。バングラディッシュからの報告ではあるが、妊娠後期(7ヶ月以降)の妊婦さんにワクチン接種をすると、生後6ヶ月未満の乳児でインフルエンザ罹患数を63%減少できたようだ。方法論としてはfluワクチンと肺炎球菌ワクチンのどちらかによるdouble-blind studyでインフルエンザ罹患率や他の発熱疾患発生率および副作用発現率について検討したものだ。副作用は接種した局所の反応以外なく、胎児への影響は認めなかったとある。

 その考察において経胎盤的にも経母乳的にも児への抗インフルエンザ抗体が働くとのコメントがあった。一般にインフルエンザワクチンの抗体としての効果は6ヶ月程度と言われている。今回の検討では約1年に渡り児への効果が確認されたとある。この判断については異論もあることだろうが、やはり妊娠後期における妊婦さんへのワクチン接種は理論的にも、実地現場的にも効果ありと証明されたと言える。

 さて早速外来でのやりとりに豆知識が加えられ、有益な情報を確かなものとしてお話しできる。

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コメント

先生こんにちは。
そうですか。フルーショットは妊婦に
有効ということですか。
それはいいニュースですね。
私は妊娠4ヶ月の時に40度を超す熱を出し
夜中に病院に行きましたが Drが
超音波で胎児診断もしてくれて「母親の
風邪が子供にうつる事はないから大丈夫」と
言われ 安堵した経験があります。
ただ 薬が飲めないので(殆ど効き目のないアセトアミノフェンしか駄目と言われる)
しばらく辛い思いをしました。
フルーショットを受けておけば良かったんですね。
さて 今年は母子とももうしっかりと
受けました。私は1回、娘は2回接種と
言われました。子供用はワクチンが
弱いのでしょうか?
忘れなければ 来月もう一度受けさせますが
経費節約のため1回で終わらせるかも
知れません。(ちなみに娘は保健所で
1接種16ドルでした。)
あと 日本帰国まで2ヶ月を切りました。
今 こちらはハロウィン真っ盛りです。
頑張ります!

投稿: バリスタUSA | 2008年10月28日 (火) 14時05分

バリスタUSAさん

 インフルエンザワクチンに強い弱いは基本的にないことになっています。大人も昔は2回打ちが基本でした。原理的にブースター効果といって、以前の記憶を呼び起こすだけで、同様以上の効果を発揮できるという考え方のもと、一回打ちでOKとなっているのです。

 子供はそれまでの蓄積がないので、2回打ちとなっていると考えてください。

 ただし、日本のやり方のように年齢で接種量を加減すると、折角のワクチンが無駄になりかねません。おそらく数年後にはちゃんと論文になり、訂正されると思いますが、それまでは現行の通りにしかできません。

投稿: クーデルムーデル | 2008年10月29日 (水) 08時20分

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