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2008年5月 1日 (木)

ザリガニの逆襲 前編

 脳研究者であるポリさんのブログで、生き物による情操教育が話題になっている。生き物を思い浮かべると2年前に書いたあの記事が頭をよぎる。実話なので、いまだにあれを思い出すと身体がブルっと震えてしまう。以前のコピペなので、読んだ方には申し訳ないが、もう一度。

ザリガニの逆襲 前編

2年前の今頃、子供達がメダカを捕ってきた。水槽を用意してくれないとメダカが死んでしまうとせがまれ、金魚が死んでしまって以来しまってあった水槽を居間に設置した。魚が跳ねて外へ出てしまわないよう蓋のついた水槽で、空気ポンプまでセットした。

当然子供達は喜んでメダカの観察を始め、餌も買ってきて、水の取り替えもちゃんとやった。メダカは生き生きとし、子供達もうれしそうに毎日眺めていた。

数日後学校の池に住むザリガニを長男が持って帰ってきた。

「ねぇ、飼っていいでしょう?」

「どこで飼うの?」

「この水槽の中」

ザリガニはなんでも食べちゃうから、メダカも喰われてしまうだろうと思ったが、見るとまだ川エビほどの大きさしかなく、殻も透き通っていた。

「ちょっとの間だけだよ、すぐに池に放してあげなさい。」

そうして水槽の中には新しい仲間が加わることになった。

ザリガニはメダカの餌のおこぼれを拾って食べていた。メダカが目の前を通り過ぎても、それにアタックする様子もなく、むしろメダカに突き喰われるのではと思うほどであった。

数日すると、ザリガニは脱皮した。一回り大きくなった体は透き通る殻から黒みを増したものに変わっていた。

さらに数日すると、初めてメダカが一匹死んだ。特に外傷らしいものもなく、水が悪いのかと考え、カルキ抜きをしっかり施した水換えをした。しかし翌日も一匹死んでいた。よく見ると腹部に傷があった。メダカ同士で傷つけ合ったのか、それともザリガニがちょっかいをだしたのか、定かではなかった。

それから一週間が過ぎると、再びザリガニは脱皮した。今度はアメリカザリガニらしい赤みをおびた殻に変わっていた。正真正銘水槽の支配者となった彼は、メダカを襲い始めた。メダカ用の餌には目もくれず、ジッと様子をうかがい、メダカを捕らえ、しっぽを残して完食していったのである。

私は弱者であるメダカを保護するため子供達にザリガニを池に戻すように言った。しかし子供達はその支配者の強さに惹かれたのか、メダカが喰われてもよいからザリガニを飼いたいと言ってきかなかった。

毎日一匹ずつメダカは姿を消していった。

妻はメダカの目を見るとおびえているようで見ていられないと、水槽に近づかなかった。

子供達はザリガニがメダカを捕まえる瞬間を見たいと、日中は水槽にへばりついていた。大きなハサミが俊敏に動き、メダカが身体をよじって逃げる様子をみて歓声を上げていた。

最後の一匹を食べてしまった翌日、彼は再び脱皮し、赤黒い大きなアメリカザリガニになっていた。

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