ザリガニの逆襲 後編
ザリガニの逆襲 後編
その日の昼食後、家の前の公園でサッカーをすることになり、庭に転がっていたボールを持ってこさせると、空気が抜けていた。子供達を引き連れて下駄箱の横に立てかけてある空気入れを取り出した。自転車の空気入れだが、先端を換えればボールの空気入れになるプッシュアップ式のものである。
しっかりした細長いビニール袋に入っている空気入れを取り出し、引き続き換えの先端を取り出すため袋を逆さにした。
「どさっ」
こぶし大の赤黒い物体が転がり落ちた。
「うわ!」
皆、バッと後ずさりすると、物体は大きなハサミを振り上げ威嚇し始めた。
何故?一体何故こんな袋の中に入ることが出来たのか、頭の中を整理できぬまま彼をつまみあげ、水槽へ戻した。
数日間、彼に触ることなく過ごした。
彼もおとなしく岩陰に隠れ、時折餌を食べに水草のあたりに顔を出すだけであった。
しかし心なしか彼の顔つきが違って見えた。決して怖がっているわけでなく、しかも 威丈高という風でもなく考え込んでいるような、そんな雰囲気を身に纏っていた。
子供達とは外へ出たがっているので、今度の日曜日に川へ逃がしてやろうという話しをした。
その夜はとても蒸し暑い夜だった。
普段は別々の部屋で寝ている家族だが、この日は風通しのよい居間の横の和室に雑魚寝した。私は最も奥まった壁際で皆の寝息を聞きながら眠りに就いた。
誰かが髪を引っ張っている・・・
てっぺんから少し右をククッと・・・
だれ?・・・・
うわぁ~ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・・・
払いのけようとした右手には暖かい皮膚ではなく、硬いいびつな塊が触れた。
飛び起きて暗がりに目を凝らすと・・・・
彼がハサミを振り上げていた。
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コメント
それは彼ですか?
彼女ではなく…。
くくく…いい!
投稿 ポット | 2008年5月 2日 (金) 19時09分
なんと、お気の毒に。食べられてしまったのですか。
食物連鎖においても、下克上ということがあり得るのですね。
投稿 ポリ | 2008年5月 3日 (土) 00時52分
水槽に水を入れ過ぎじぁ ないのかな ??
逃げ出せるなんて考えられない。
真夏の珍事 !!
投稿 犬と猿 | 2008年5月 3日 (土) 09時21分
ポットさん
そうか、彼女ってこともありましたね。
じゃあ威嚇じゃなくて・・・
それはそれでとっても怖い。
投稿 クーデルムーデル | 2008年5月 4日 (日) 11時29分
ポリさん
ザリガニなめてちゃいけません。
下克上ありです、ハイ。
投稿 クーデルムーデル | 2008年5月 4日 (日) 11時30分
犬と猿さん
最初はそう思ったのです。メダカ仕様になってましたから。でもザリガニ用にひたひたくらいにしても出てきました。おそらく送気管を伝って出たとしか考えられません。
でもわざわざ奥まった私の所まで来ますかね~~
やつは今頃どうしているでしょう。
投稿 クーデルムーデル | 2008年5月 4日 (日) 11時33分