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2008年1月 7日 (月)

川崎病

 先日からの川崎病の患児の経過が芳しくない。

 川崎病は原因不明の全身の血管炎である。主要症状として発熱・リンパ節の腫脹・眼球充血・口唇舌の発赤、変化・発疹・四肢の硬性浮腫というものがあり、そのうち5項目以上を満たした場合川崎病と診断する。日本の川崎先生が発見したこの疾患は世界中で認めるものだが、特に日本人に多い。症状は血管炎に伴うもので、予後は心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈という血管に瘤を作るか否かで決まる。治療はアスピリンを内服の上、γグロブリンという蛋白製剤を使用するのが第一選択である。このγグロブリンに反応しないタイプはやっかいで、治療に難渋することとなる。

 原因が定かでないので、治療の何が功を奏しているのかそれもハッキリしない。しかしなんらかの影響でcytokineが誘導され、血管内皮で変化が起きているのは間違いない。それをいかに抑制しうるのかというところが鍵になる。

 本患児は2年前に川崎病に罹患し、このときはあたかも劇症肝炎を呈したのかと思うほどの肝トランスアミナーゼの上昇を見た(GOT 4000, GPT 4500)。一回目のγに不応で、ステロイドパルス後再度のγで落ち着かせた経緯のある児である。今回もγに全く反応せず、ステロイドパルスを施行したものの、全くcytokine stormが抑えられず、現在再度のγグロブリンを施行している途中である。これで反応がないとすると、ステロイドをもう一度パルスしていくか、はたまた血漿交換に打って出るべきかというところであろうか。好中球の遊走を抑制するウリナスタチンも併用しているが、全く反応してくれないのだ。

 ただ今回は劇症肝炎というような値は示さず、しかも冠動脈も現在発熱開始10病日であるが変化していない。まだ時間的な余裕はあるだろうか、次なる手を探らなくてはならないと思っているところである。

 それにしても一筋縄でいかない児だ・・・

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