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2007年11月21日 (水)

臓器再生はどこまで可能か

 新聞でもニュースでも今日の医療のトピックスは臓器再生医療の希望の星である万能細胞培養成功であろう。受精卵を使うでもなく、自らの皮膚細胞へ4つの遺伝子を投入することでES細胞と同じ作用を持つ細胞に変化することが突き止められ、実際に培養されたのだ。

 となると壊れた臓器の再生が、拒絶反応なく行われることになる。もちろん倫理的にも自らの既存の細胞を使うわけで問題はない。あとはこの投入される遺伝子と、出来上がった細胞から造られた臓器の耐用年数がどうなのかという問題がしっかりと見極められるかどうかか。特に後者は細胞死と細胞の再生の折り合いという複雑性をはらんでおり、上手く行くかどうかは未知の世界である。しかし新たな世界へ入ったのは間違いない。10年もすれば、人体再生工場がいたるところに造られ、痛んだ臓器との交換がなされるようになるかもしれない。まるで背広を新調するように・・・

 もしかしたら、そういった工場ではなく、万能細胞を点滴するだけで痛んだ臓器が回復再生することになるかもしれない。先日のNHKでは骨髄幹細胞を点滴しただけで、脳梗塞や心筋梗塞で壊れてしまった細胞が再生され、機能を回復したという報道がなされたのだ。いやはやこれからの医療はこれまでと全く違ったものに変化する可能性がある。医療崩壊を論じ、嫌な思いのまま医者を辞めていく人達にもうちょっと待って頑張ってみようと言いたい。やはり医療には夢と希望がつまっているんだってこと、若いときにそう願って足を踏み入れた人達にそう伝えたい。その前に過労で死んでしまってはなんにもならないのだけれど・・・

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コメント

点滴で機能回復したら 素晴しい ね。
ノーベル賞ものだと解説があったけど。。。

投稿: 犬と猿 | 2007年11月22日 (木) 16時27分

犬と猿さん

 本当にこれまでと全く違った医療が展開されるかもしれません。乞うご期待というところですね。

投稿: クーデルムーデル | 2007年11月23日 (金) 23時49分

「医者は贅沢言うな。患者のために必死に働くこれが医者の本来の姿だろ。」
「医者の進むべき道は患者の病気を完治する事にある。」

こんな事を言う牟田口症候群がワンサカいる日本の医療、一度派手に崩壊したほうがいいんじゃないか…と思えるようになってきました。

愛育や鳥取のように「労働基準法違反を改善なんて無理なので辞めます」「このままでは過労死してしまうので辞めます」「このまま続けていけば患者の安全にも関わるので辞めます」と、牟田口症候群が跋扈するような職場から去ってしまってもいいんじゃないかと思うようになってきました。

そういう事態になって、職場を去る医師に罵声を浴びせるような輩には「お前ら愚民の自業自得だバカヤロウ」と言ってやりたい気持ちです。

投稿: 都筑てんが | 2009年6月 8日 (月) 16時01分

都筑てんがさん

 幸い我々は患者さんや周辺の医療事情に恵まれており、医療崩壊を現実感を持って感じることはありません。

 「患者のために必死で働け」と命令されれば「命令される筋合いはない。やなこった」となります。しかし、今自分の専門外来に来ている患者さんを放っておこうとはこれっぽっちも思いません。患者さんたちには、夜中でも休日でも困ったことがあったら連絡するようお話ししています。

 お互いが義務と権利を全うすることが必要ですよね。

投稿: クーデルムーデル | 2009年6月 8日 (月) 18時41分

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