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2007年9月 8日 (土)

紛い物には気を付けて

 民間療法には困ったものだ。すべての民間療法を断罪するわけではないが、総じて根拠に乏しいのだ。根拠とは、科学的であり原因と結果が証明されなくてはならないというものではなく、あくまでどんな人にどのような形で効果があったのかを自身の執筆した本ではなく、世の中が認める論文として発表できうるものかどうかということだ。効きますよと勝手にうそぶくことなど誰でもできるのだから。

 昨今の論文審査は厳しさを増している。効くかもしれない薬剤をとりあえず投与してみたという方法論は通らない。何をおいても、現在行われている治療と新しい治療を無作為に分けた患者に投与し、その効果を見たものでなくてはならず、しかも倫理委員会を通しておかなくてはならないのだ。例え民間療法が、薬剤を使わないとか、自然の生薬だからといってこういった作法を無視して良いわけではない。この作法通りにいかなければ、安全性は無視され、肝心な本当のところも見えてこないからなのである。  医療は変化に富んだ個体を扱うため、もしかしたら民間療法中に自然に治る病もあるやもしれない。それが民間療法によるものと言うためには上記のごとく論文を所定の方式に則って世に問わなくてはならないのだ。このとき、失敗した事実があればそれも公表しなくてはならない。民間療法の多くは、それを行うもの自身の手で自らの出版する図書において驚異的な割合の効果があるとうたっている。それが実にうさんくさい。失敗も倫理的に許されるものであるならば、それも医学の進歩に必要なことなのだ。是非に論文として投稿していただきたい。

 それにしても 失敗から学ぶことは多い。失敗談が論文にできたらどんなにか良いだろうとつぶやくブログがある。大学教員の日常・非日常というブログであるが、なかなか真実を突いているように思うがいかがか。

 そう言いながら、私の論文は英語力のせいもあって今日も差し戻しをくらうのであった・・・・

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コメント

Journal of Negative Results in Biomedicine という雑誌を御存知ですか?査読もあります。

http://www.jnrbm.com/

今や、しようと思えばなんでも論文にできるんだから、ネガティブだろうがなんだろうが、後学のためにも論文にしといて欲しいですね。

投稿: ポリ | 2007年9月 9日 (日) 18時22分

ポリさん

 いや~あるんですね、こういう雑誌。

 negativeデータならいくらでもあるぞとおっしゃるかたは多いのではないでしょうか。

 しかし査読自体も難しそうですね。

投稿: クーデルムーデル | 2007年9月10日 (月) 12時12分

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