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2007年8月31日 (金)

これは何?

 生来健康で、元気快活な2才10ヶ月の男の子。2週間前に当院にやってきた。3日前から下痢が出始め、昨日は1度嘔吐もした。嘔吐はその1回のみで、水分も摂れていたので様子を見ていたら、熱と咳が出てきたので来院したとのこと。診察すると腹部は蠕動音がやや亢進していたものの、平坦で圧痛もなく、柔らかかった。むしろ喉の発赤と呼吸音にわずかだがラ音が混じっていたのが気になった。このときお母さんから

「ちょっと白っぽい便が混じっているんです。」とのこと。便そのものは持参しておらず、本人も今便意はないとのこと。季節を考えるとロタウイルス感染性下痢症は少ないが、ウイルス性の下痢で便が一時的に白っぽくなることは十分にあり得る。眼球の黄染や肝脾腫がないことを確認し、

「お母さん。時期的にはちょっと外れますが、おそらくウイルス性腸炎で白っぽい便が出ているのでしょう。それは食欲もあり、水分も摂れていて、しかも下痢もそれほどひどくないですから、整腸剤くらいで治まるはずです。むしろ胸の音が気になるので、レントゲンを撮らせてください。」と私は話した。結局肺門部陰影の増強と軽度のover inflationを認め、ウイルス性気管支炎を考え、去痰剤等を整腸剤と一緒に処方した。男の子は熱がありながらも元気に飛び跳ねながら帰っていった。

 昨日昼すぎに近隣の開業医から電話相談があった。

「眼球黄染と白色便の子供を診てもらえますか?」・・・・・その子だった。

 あの後3日も経たず解熱し、元気にしていたとのこと。しかし時々白い便が出ていたが、毎回ではないので様子を見ていたらしい。2日まえからちょっと目が黄色いように思え、少しだるそうにしているのでかかりつけの開業医へ行ったのだという。診察すると確かに眼球が黄染しており、右悸肋部が少し膨隆していた。しかし触っても圧痛はなく、柔らかい。超音波を当てると、肝内の胆管が腫大し、胆嚢と思われる5センチ大の水の袋が見つかった。

「えっ?総胆管の閉塞?この年齢でなぜ?しかし毎回白色便なら話しは合うが、時々っていうのは???」そう思いながら、急いで腹部CTのオーダーをした。すると腫大した胆嚢と思われたところには5センチ大の隔壁を伴う嚢胞があり、すぐ傍に小さな胆嚢がへばりついていた。おそらくこの嚢胞が総胆管を圧迫し、十二指腸への胆汁の流れを阻んでいるのだろう。それも完全閉塞ではないため、時々ということなのだ・・・しかし肝下面にこれだけの嚢胞というと元はなんだろう・・・・腎臓由来ではない、副腎としても腎臓との位置関係がいまいちスッキリしない、肝嚢胞でこれだけ出っ張るものは見たことがない、胆嚢壁由来?アメーバなどの膿瘍も考えるべきか??

 胆管閉塞の所見は血液データからも明らかだが、総ビリルビンが5.3、γGTP440を示すもそれ以外は思ったほどでもない。GOT 150, GPT200, LDH 300でアミラーゼも正常、CRPは陰性。もちろん凝固系や末梢血の異常も認めない。これは一体何物か??

 今すぐどうこうという値ではないが、小児外科のある病院へ搬送すべきと考え、両親にお話ししたところ、実家のある柏周辺でお願いしたいとのこと。早速知り合いのところへ電話し、入院精査を受けられるようにしてもらった。さて、結果はいかに。

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2007年8月28日 (火)

宿題

 この時期になると子供達は夏休みの宿題に追われるはずなのだが、外来に来る子供達に焦りの表情がまるでない。何人かに尋ねてみると、自由研究以外はなんにもないとのこと。ラジオ体操で毎日起きることもないし、一体彼らに何をせよというのだろう・・・

 うちの坊主たちも宿題がなく、のんびりとした夏休みを送っていて、たまに習った漢字や算数をさせてみると案の定忘れてしまっている。繰り返しやらないと身に付いたものもどこかへいってしまうものなのだ。それすらもさせないこの状況はどう考えてもおかしいと思っていたら、地区のモデル校になっている小学校ではたっぷりと宿題が出ていて、そこに通う子供達は私たちの夏休みがそうだったように、夏の最後になって宿題に追われていた。

 夏休みは自由にいろんなことにチャレンジすればよいとゆとり教育論者は語ることであろう。しかし子供達のチャレンジを後押しできる親がどれだけいるだろう。日常の遊びで再発見がある?とんでもない。彼らは木陰に入ってゲームの続きをしているだけなのだ。野山を駆け回ることですら、旅行に連れて行かなくては経験できない子供達を前にしてどうしろというのだろう。家の手伝いをと言われても、ほとんどがサラリーマンの家庭では手伝いも限られよう。せめて学校で習ったことを忘れない程度に復習の機会を与えることが放棄されているのはおかしいのではないか。

 今年検査入院してきた子供達やステロイドの長期投与のために入院してきた子供達には、院内学級がないため、私が問題を作って毎日やらせていた。皆嬉々としてそれに取り組んでいた。学校の先生達にこの状況を見て欲しいものだ。

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2007年8月24日 (金)

鯉が浮いている・・・

 印旛沼に流れ込む小川がやけに緑色をしていた。

 不思議に思いのぞき込むと、鯉が数匹浮き上がって動かなくなっていた。

 何があったのだろう・・・・

 知ってか知らずか、小川と沼の境でボートを操る釣り人がいた。

 彼にはこの光景がどう映っているのだろうか・・・

Photo

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2007年8月23日 (木)

気合いが足らん

 夏休みになると検査入院で小児科は立て込む。様々な検査が全国で繰り広げられるが、腎臓を専門にしている我々のところではもちろん腎生検が立て続けに行われる。

 2年前から気になってフォローアップを続けていた児の腎生検を先日行い、昨日その標本で確認したいことがあったので、ボスのいる都立病院のカンファレンスに参加した。

 大勢の小児腎臓科医を目指す若い研修の医師たちと、病理の専門医、そしてボスと都立病院の常勤医がカンファレンスに集合していた。そこへ近隣に散らばった都立病院出身の医師も加わり、患者さんのアウトラインから始まり、病理組織の検討と治療方針の決定を行うのだ。

 のっけから大変興味深い、そして謎の多い病態のプレゼンテーションが並ぶ。常勤医に混じって我々近隣からの参加者から質問が飛ぶ。疾患の無駄な肉が削ぎ落とされ、本質が見えてくる。どんどんとのめり込み、猛烈に頭が冴えてくる。同時にたくさんの疑問が浮かび上がり、それを声に出すと、解決の糸口を誰かが口にするのだ。面白い。最高に面白い瞬間だ。

 しかし・・・・それにジッと耳をそばだてているのか、それとも日々の仕事に疲れてしまったのか、声どころか目もどこかへ行ってしまっている研修の医師達がそこにいるように思えた。もしかしたらもう彼らの中では議論をしつくした後なのかもしれない。いやそんなはずはない。ボスが現在参加しているのだから、同じ事を繰り返すはずはない。

 私がいた頃は研修の医師達も疑問をぶつけ合っていた。だからこそ今があると自負している。どうしたのだ?もっと集中しようぜ!

 そうこうする間に、持参した症例の順番になった。自分の疑問をぶつけ、考えていた治療方針に間違いがないことを確認し、カンファレンスを後にした。

 自分自身は爽快この上なかったが、彼らのことを思うと少し憂鬱感が残った。ただおとなしいだけならよいが・・・・もしこのブログを読む機会があるなら、俺は元気だぜと声をあげて欲しい。

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2007年8月21日 (火)

確実に秋は来る

 暑い

 週末の涼しさが嘘のようだ

 暑くて苦しいのは人間だけではない

 庭木も水を求めて悲鳴をあげている

 しかし

 秋は着実に近づいている

 印旛沼の風車の周りには

 向日葵の影で

 秋桜が咲き始めているのだ

 07821

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2007年8月18日 (土)

流行り歌

 子供達の間で大流行している『おしりかじり虫』http://www.youtube.com/watch?v=Gs9cS0ZtMWw。うちの子供が「おしりかじり虫~~~おしりかじりたい~~」と歌っていたので知ったのだが、これが耳について離れない。

 それにしてもなぜこれが流行るのかは定かではないが、その昔ウゴウゴルーガという子供番組を手掛けた人による作品らしい。子供のハートをがっちりつかんでいるのであろう。

 さすがに私は口ずさむことまではしないが、耳から離れずちょいと困っている。病棟で考え事をしながら「おしりかじり虫~~おしりかじりたい~~」などが頭をよぎると目の前を通り過ぎる看護師さんたちにあらぬ疑いをかけられることにもなりかねない・・・・

 セクハラへの近道となるので、お父さん方、お気を付け下さい。

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2007年8月16日 (木)

お土産

 お盆は帰省した方も多いだろう。お盆に帰りたくても様々な要因からその前後に帰省するないしは小旅行を計画なさる方も多いはずだ。病院職員も他業種とさほど変わらず、この時期は大移動が行われ、戻ると職場にお土産をそっと置いていくものなのだ。

 つい先日北海道に行った人がいたようで、医局の机の上には『白い恋人』が箱ごと置かれていた。封も切られていたので、もう既に食べた人がいるのだろうと、こちらも用心することなく2枚頂戴した。そこへ同僚が現れ、一緒になって頂いた。

「うん、やっぱり北海道、いや札幌土産となると、これだね。函館のバターサンドもいいけど、白い恋人のこのサクサク感はいいねぇ~。」

「六花亭のお菓子もいいでしょう。僕は家族には空港で売っているハスカップの冷凍物を持って帰るけど、医局に持ってくるならどっちかのお菓子だな。」

などと笑いながら話していた。まさか数日後に不祥事が発覚するなど夢にも思わずに。

 きっと先週末北海道旅行から戻った人達は『白い恋人』をたくさん購入して帰ったに違いない。とすると今週初めには全国の多職場でこれが振る舞われたに違いないのだ。

 う~~ん、腹具合はいたって万全なのではあるが・・・・・・・・

 

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2007年8月14日 (火)

フラッとどこかへ

 夏になると学生時代にフラッと旅に出て行ったことを思い出す。

 全国に散っていった友人の所に泊めてもらい、酒を飲みながら語り明かしたこと、道端で洗っていたホヤをちぎって食べさせてくれたおばあちゃんのこと、バスに乗り遅れて数十キロを歩かなくてはならないと途方に暮れていたときに停まってくれた女性二人組の車のこと、ザルツブルグで突然の雨に降られ軒下で雨宿りをしていたときに宿まで送ってくれた医学生のこと、ドーバーをフェリーで渡るときに同室になった黒人の大男のこと等々・・・

 旅に出たいという衝動を今のところ抑えてはいるが、サッカー元日本代表の中田氏が世界のあちこちを旅してサッカーを通じて現地の人達と触れ合っているという話しを聞く度にムズムズしてくるのだ。

 そういえば南の島では私のギターと現地の人達がバケツで作ったパーカッションでもってセッションしたこともあった・・・あれは最高に楽しかった。

 これから先こんな旅が出来るのかどうか定かではない。もしかしたらそう言った話しを息子達から聞くだけなのかもしれない。

 それでも・・・旅は素晴らしい。

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2007年8月13日 (月)

朝っぱらから

 8月に入ってから毎朝6時に起床し、ボールを蹴っている。一人のこともあるが、子供がついてくることもある。

 暑い暑いと言っても、朝6時ならば普通に走っていられる。一日のうちで一番清々しいはずの空気を目一杯吸い込みながら、動かぬ足を精一杯前へ運びドリブルシュートを繰り返す。

 9月には同窓生の追悼サッカー試合もあるし、長生での最後の芝生サッカーも予定されている。是非ともゴールを決めたいという思いにまかせ仕事前に走り回るのであるが、当然疲れてしまう。昼飯を食べると睡魔が必ず襲いかかってくる。それを乗り切って仕事を終え帰宅すると、子供達が待っている。力の有り余った彼らを相手にするのにヘトヘトになり床に就いても、暑さで今度は眠れない・・・・で、また早い朝が訪れるのだ。

 さて、予定通り9月まで続けられるだろうか。

 いやいや、ゴールを決めるためにやらねばならぬのだ・・・・・(ホンマカイナ)

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2007年8月10日 (金)

蜜月も終わりを告げる

 テロリストに対抗するため繰り広げられてきたここ数年の戦闘は、対自由主義社会というよりキリスト教徒とイスラム原理主義との泥沼の抗争に変貌しつつある。もちろん日本を含めキリスト教を国教としていない自由主義国家へのテロ行為が絶対にないという保証などどこにもないし、テロリスト達はアメリカに荷担したやつは誰でも容赦しないと通告しているのも事実ではある。しかし十字軍以来の文明の衝突に対し、無力な我が国が横槍を入れるべき立場にあるというものでもない。まぁまぁと口を挟めば鋭い刃が飛んでくるだけであろう。

 しかし国連が決めた紛争解決策に常任理事国入りをもくろむ日本が背を向けるということが何を意味するのか。常任理事国とは言え中国も、そしてイランですらパキスタン?もしくはアラブに隠れ住むテロリストたちへの非難を実行力として行っている事実をどう考えるべきだろう。テロリストには断固として立ち向かうという姿勢は自由主義国家として当然持っていなくてはならないものだろう。それでも日本にはそれに立ち向かうための武器も法律も、そして国民の緊迫した意識すらない・・・

 またイラクでの戦闘がアメリカの自営戦争であろうとも、アメリカの若者達の犠牲の上になりたっているイラクの民主主義を見捨てることが是であるのか非であるのか単純に推し量ることなど誰も出来ることではないだろう。

 ただ国連は巨額の金を日本から吸い上げるばかりで結局は日本など蚊帳の外に置く常任理事国のための連合でしかないし、アメリカは同盟国と持ち上げておきながら自らの兵士達の行為を棚に上げて慰安婦問題を日本に突きつけるばかりである。日本はこのまま白人達の言いなりで暮らしていくしかないのかと嘆くことも正論であろう。

 国が単体で生きていけるほど世界はとてつもなく広いわけではない。経済も文化も安全保障もあちこちと繋がっている。自分だけ知らん顔を決め込めるのは武器を持つ独裁国家ぐらいしかない。誰かと手を組まなくてはダメなのはわかっている。でもアメリカ以上に信じられる国が他にあると言える人はどれほどいるだろう・・・

 何も考えず現状維持、アメリカ様追従と叫ぶことは可能だ。しかし、でも・・・・と考える時が今なのかもしれない。アメリカというゆりかごから出てどこへ向かうべきなのか。それを議論することがテロ対策特措法を続行するか否かを決める拠り所になるだろう。

 民主党にそれをどうこうする力があるとは思えない。マニフェストを読む限り、国を運営する力を持っているのは自民党以外にありはしない。しかし状況からしてテロ対策特措法の延長は民主党の賛成を得られず、否決される公算が大きい。熟慮することないまま日本丸の舵が急にきられることになるとすると、これからどうなるのだろうか。平和のみを声高く叫んだところでテロリストたちの暗躍を止めることはできない。わかっているにもかかわらず原子力発電所の放火ですら止めることができない日本を考えると、舵をきるためには相当の覚悟を必要とするように思うのだ。

 我が子を抱きしめながら、彼らの未来が平和であることを願う一方で、気味の悪い影の存在を否定しきれないのだ。

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2007年8月 8日 (水)

疾患の季節感はどこへ・・・

 この時期小児科は検査入院に追われる。しかし冬場に比べて圧倒的に暇である。肺炎・気管支炎を筆頭にcommon diseaseが減るからである。エンテロ系といわれるウイルスが流行し、無菌性の髄膜炎などで入院したり、手足口病などで食事も水分ものどを通らないと入院してくることはたまにあるが、暇なのだ。

 しかしこのところどうもおかしい。

 先程入院した児はRSウイルスによる気管支炎であった。もともと冬になると乳幼児に猛威をふるうウイルスだが、うちでも近隣の病院でも未だによく見かける。マイコプラズマ感染は学生時代はオリンピックの年に流行すると言われていたが、今はいつでもどこでも流行っている。沖縄ではインフルエンザが先月ピークを迎えたらしい・・・

 検査キットが発達したから検出率がアップしただけかもしれない。しかしそれにしてもである。

 温暖化など地球環境の変化のせいかもしれない。ウイルスそのものが変異しているか、耐性をもってきたのか、いずれにせよ警戒しなくてはならないだろう。ウイルス疾患はワクチンしか有効な手立てがない。ワクチン行政があやふやな日本は危ない国のひとつに数えてもよいだろう。麻疹ワクチンへの対応は今年に限ってみると結構早く手を打ったようにも見えるが、もともとワクチン接種率をもっと上げていれば流行そのものを防げた可能性が高いのだ。

 今一度ウイルス疾患対策に本腰を入れるべき時が来たのではないだろうか。

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2007年8月 6日 (月)

盛夏

暑い・・・・

台風で南風が入り込んできてから蒸し風呂が続いている

ぼやいても何も変わらないと

向日葵がうそぶいているようだ

Photo

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2007年8月 1日 (水)

生命の神秘

生命の神秘
夏休みは子供達が異常に元気だ。寝る間も惜しんで遊びたくる。せがまれて公園へカブトムシを探しに行くと、地面からはいだしてきた蝉の幼虫を見つけた。もしやと、その先の木の幹をたどると、まさに今、羽化している蝉を見つけた。黄緑色に縁取られた透き通る羽を眺め、生命の息吹を確かに感じることができた。子供達も興奮しきりであった。

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