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2007年3月17日 (土)

逆効果

 アンケート調査から『休日の寝だめは不眠・抑鬱に対し逆効果』との結果が出たと報道された。久留米大助教授による調査だという。調査結果そのものを拝見したわけではないが、報道によると平日と休日との睡眠時間の差が2時間未満遅い人が不眠を自覚する割合は25.9%なのに対し、2〜3時間で29.4%、3時間以上で33.3%と、平日との差が大きいほど不眠の人が多く、 抑うつ経験も、2時間未満4.3%、2〜3時間5.2%、3時間以上6.2%となったとのこと。

 ちょっと待て・・・これは怪しいぞ。

 平日仕事などで少ししか眠れない人ほど休日により多く睡眠を取りたいと考えるであろう。であるなら休日に寝だめをするのがダメということではなく、平日に睡眠時間が短い人はより不眠&抑鬱となりやすいということなのではないか。もし報道どおりの結果を言いたいのであれば、平日の睡眠時間が同じグループの中で休日との睡眠時間を比べなくては意味がない。 または平日極端に睡眠時間が短い人たちのグループにおいて、寝だめをする方が悪いのかよいのかを問わなくてはならないだろう。

 久留米大の精神科助教授の報告なのでよもや間違いはあるまいが、報道されたものだけ見ると疑わしい。

 もうひとつ。

 新人看護師の技術低下が深刻化しているという報道である。人工呼吸、心臓マッサージ、止血など救急救命術や注射などを「1人でできる卒業生が20%未満」という看護学校が半分を超えたとのこと。

 ゆとり教育などで学生の質が低下したという論旨もあるようだが、昨今の医療訴訟で看護師が萎縮してしまっていることも関係しているのではなかろうか。看護学生を抱える大学病院などでは研修医など病棟での働き手が見つけやすく、看護師が注射をはじめとして救急の医療を担う必要性が少ない。その上訴訟を考えると医者の指導の下行える行為は極力手を出さないという方針もわからぬでもない。純粋な看護に必要な技術も訴訟を考えると学生にさせてみることが難しくなっているのではないか。もちろん看護体制の問題から教える側の人員を確保できないということもあるだろう。

 それにしてもこの報道でますます患者は疑心暗鬼で診療を受ける羽目となり、さらに疑いの目を受けながら行う医療者は萎縮して手元を狂わせてしまうのだろうか・・・

 

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コメント

最近は年をとったせいか?疲れすぎているせいか?寝だめをするとより疲れが増す私です。寝だめって若い人の特権のように思います(今となっては)。

さて看護技術。
私が学生のとき、更にその後と年々カリキュラムが変わってきています。
そして実習に来ても『出来ること』『(学生に)させられること』の範囲が狭くなっています。
これは、先生の仰る通り訴訟だ何だというものが怖いことも一理ありますが(かくいう現場でも)、最近は看護師を目指している学生の人間性・質が変わってきています。新人教育にしても然り、私の時代のように体育会系みたいに頭ごなしにしかっては駄目云々と色々難しく・・・脳外科に実習に来ても、陰部洗浄さえカルチャーショックを受けるからと、見学さえさせないのです。
台風の日、病院の裏にある学校に戻るために教員が学生を車でピストン輸送したって話も聞いています(苦笑)。呆れてものが言えません。

何の解決にもならない話を長々と失礼しました(笑)。

投稿: ゆき | 2007年3月19日 (月) 11時32分

ゆきさん

>最近は看護師を目指している学生の人間性・質が変わってきています。新人教育にしても然り、私の時代のように体育会系みたいに頭ごなしにしかっては駄目云々と色々難しく・・・脳外科に実習に来ても、陰部洗浄さえカルチャーショックを受けるからと、見学さえさせないのです。

そんなの看護師さんになって3日もしないうちに経験してしまうことじゃないですか。それを後回しにする方が本人にとってよくないですよね。

ということは少子化の影響で、みなお客さん扱いなんですかね・・・仕事の厳しさとやりがいを教えてあげるのが実習の役割でしょうに。

投稿: クーデルムーデル | 2007年3月19日 (月) 14時01分

私の看護学生の時には、医療訴訟に関わる行為など全然させてもらいませんでした。ほんと、看護学校や大学のカリュキラムもどんどん変化していて、頭でっかちぶった看護師さんも増えているような気がします。
看護師に何を要求するのでしょうか。基本はきずきと観察。身の回りの援助と自宅に帰ってから困らないよう指導し理解してもらうことだと思うのですが。。。これすらできない看護師も多いことは嘆かわしい事です。
それ以前に、患者さんはできる人とできない人を見抜くちからを持っていて、新人の時には随分鍛えさせられました。何事も社会に出てからが試練だとおもうのですが。

投稿: 厚焼き玉子 | 2007年3月20日 (火) 02時09分

本当にその通りだよね

報道機関の受け取り方を見ていると、視聴率目当てにしか見えないときも多い、と思うのは僕らだけではないでしょう

投稿: 目黒駅前クリニック院長 | 2007年3月20日 (火) 11時39分

厚焼き玉子さん

 カリキュラムからどんどんと基本的技術習得のためのプログラムから失われているようですね。

 おっしゃるとおり看護師さんに必要なのは報道された救急処置とか注射の技術ではなく、気づきと観察そして患者指導なんですよね。通常業務では別の雑用に追われてこれらに時間を割くことが出来ないことこそが問題だと私は思っています。最近の新人看護師さんを見ていると、よほど気合いを入れないとどちらも習得できないように思えてなりません。やはり社会に出る前の学生時代に基本をたたき込むことが必要なのではないでしょうか。

投稿: クーデルムーデル | 2007年3月20日 (火) 12時20分

目黒駅前クリニック院長殿

 刺激を求めすぎる社会なんですよね。興奮させることが至上命令になっている情報発信者とさらなる刺激を求める受け手が世の中にあふれています。

 地に足を着けてゆっくりと歩みたいですね。

投稿: クーデルムーデル | 2007年3月20日 (火) 12時26分

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