春休みを挟んで外来で検査&検査入院の嵐が吹き荒れている。低身長精査、腎生検、腎尿路画像検査などなどでごった返している。そんな中、手術の際に誤嚥を来たし、重度の肺炎になってしまった児がオペ室から病棟へ運ばれてきた。
小児科では脳性麻痺の児や低出生体重児を扱う施設を別として誤嚥性肺炎を見かけることは少ない。私がここに来て初めての児であるが、この場合当然のことながら挿管のうえ人工呼吸管理を麻酔科が行い、初期対応をしていた。ミラクリッドという薬を気管内に流し込み、吸引を繰り返していたようだが、なかなか酸素化がうまくいかず、肺の抵抗も強くなるばかりとのこと。状況からして無気肺となっているだろうとレントゲンを見れば、やはりその様子。早速頻回にsqueezingを繰り返し、吸引を施すと見る間に肺の抵抗は治まり、酸素化もよくなってきた。それでも胃液を吸っての誤嚥である。この後どんどん悪くなることもありえると考え、人工呼吸管理で一晩しのいだ。
といってもvital signは非常に安定していて、酸素化も十分、二酸化炭素の排出も良好だったので、夜中病棟に張り付くこともなく、病院の仮眠室で本を読む余裕が出来た。その本は『不都合な真実』。
読まれた方も多いだろう。また映画を観た方も多いはずだ。私は残念ながら映像を見ることが出来なかったが、書評ではほとんどが地球温暖化への警鐘を鳴らす素晴らしい本と絶賛していたこともあり、アマゾンを利用して購入したのである。ショッキングな写真の数々、温暖化や異常気象のメカニズムを解説し、今後起こりうることを写真で示していた。しかし・・・・・・
心に響かないのだ。
なぜだかじっくり考える余裕が昨夜はなかったので印象でしかないのだが、
① そこにゴア氏の物語はいらない
② 印象づけるために凝ったフォントの数々が目障り極まりなく、見づらい
③ 世界ではどうか知らないが、日本では科学番組などで日常的に見てきた写真ばかり
ということが揚げられる。③は世界に広めるためと考えれば、別におかしくもなんともないし、もしかしたら②は英語版ならば問題ないのかもしれないが、少なくとも日本語版は上級の編集者とは思えない仕様と思う。ここまで攪乱させなくてはならない仕様ということは、書かれていることを検証するとこの本にとって不都合なことが隠れているのではないかと疑ってしまうくらいだ。こりゃ子供達に見せて啓蒙しようと思っていたけれど、雲行きが怪しくなったと思っていたところで睡魔に襲われた。
今日の児は更に安定していた。明日は人工呼吸器から離脱できるであろう。でも明日は外来の合間に腎生検が2例予定されている。私の身体にとっては不都合な時間が過ぎてゆくのである。
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