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2007年1月 9日 (火)

 この日曜に大学の同期会があった。もう卒業して15年。髪はごま塩あり、茶髪あり、正面から見るとかすかに・・・という者もいた。しかし皆一様に自信に満ちたいい顔をしていた。

 我々は全寮の特殊な大学生であった。今時めずらしい規則に縛られた大学生活を共に送った仲間なのである。おとなしい学年と言われたが、時に争い、時に励まし、時に非難し、時に拍手を贈ったあの日。涙も怒りも喜びも笑いも皆懐かしい思い出である。近況報告する姿もあの頃と同じ。でもやっぱりあの頃よりいい顔なのであった。

 一次会が終わると、学生の時から麻雀に狂っていた連中が雀荘へ消えていき、その他が二次会へ流れた。そんな中以前のブログで紹介した恩師のところへ世話になりながらも葬儀にも行けぬままで悔しがっていた仲間と話しをした。ほとんど家へ帰れないほど忙しくしているが今日なら時間があるとのこと。それならと二次会を一足先に切り上げ、恩師宅への新年の挨拶まわりを敢行した。

 突然の訪問にも恩師(女先生)は嫌な顔一つせず迎え入れてくれた。亡くなった男先生の遺影に手を合わせ、酒をつぐと宴会の続きが始まった。ここまでで結構酔いが回っていた我々だが、久しぶりに顔を合わせたのだからと次々と美味しいお酒が目の前に置かれ、コップはいつもなみなみと注がれたお酒が揺れた。中でも金沢の酒『加賀鳶』のどっしりとした深みのある味わいには驚嘆の言葉しか出ず、ついつい飲み過ぎてしまうのだった。

 酒に弱い私が真っ先にちょい寝し、起きあがると隣が寝るという状況であったが、途中で男先生の思い出をまとめたアルバムを見せていただいた。眼光鋭い乳児期の写真から始まり、京都大学時代や研究室にいたころのもの、女先生と出会った頃のものなどがそこにあった。酒と女が大好きな先生だったので、アルバムの後半はもっぱらそういう類の写真ばかりであったが、そんななかに我々が時折登場していた。間違いなく先生方の人生の中に我々が映し混まれているということが再認識され、なんだかうれしいと同時に切なくなってしまった。

 それにしても女先生は昔無茶苦茶可愛かったのだという話しで盛り上がったところで全員が目覚め、それに合わせて七草粥をいただいた。五臓六腑に染み渡るとはこのことで、春の香りが心地よかった。

「ごちそうさま。とっても美味しかったです。」

「こんな粥は味わったことないです。」

我々の言葉に微笑んでいた女先生は何を思ったか急に立ち上がり、

「じゃあ行きつけの寿司屋に行くよ。まだ(おなかに)入るやろ!」

昼から飲んで喰ってうたた寝しを繰り返していた私たちを引き連れ、自宅近くの寿司屋の暖簾をくぐるとカウンターに5人ほど中年の男達が座っていた。その彼らが女先生を見つけるなり席を立ち、礼をする様は、やくざの姉御のお出ましはかくあるやというところであった。

「私の今の飲み友達よ。みんな独身!」

と笑いながら座り酒と寿司を注文する女先生は、昔と変わらずとっても活き活きとしていた。もちろん男先生の話をするときは眼に涙が浮かんでいるのであるが、最近はちゃんと傍に男先生がいると感じられるらしく、痩せてしまったけれど落ち着いたように見えた。なにより突然押しかけてきた我ら教え子たちを喜んで迎え入れてくれている顔を見たらうれしくなった。更にたらふく喰って飲んで、外へ出たら満天の星空だった。

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コメント

女先生、ステキな方ですね。
とてつもなく寂しいでしょうが
こうして可愛がっていた子どもたちが
訪ねてくれたら嬉しいことでしょうね。
クーデルムーデル先生も
キラキラ輝く一日でしたね。

以前お招きしたときの記事も
心があったまりました。


加賀鳶・・・探してみます。

投稿: チョコひげ | 2007年1月10日 (水) 17時03分

チョコひげさん

 現職の県立大でもファンというか信奉する門下生が多いようで、週末の予定が立て込んでいる先生なのです。このときは連休の中日だったこともあってか、全くフリーでいらしたのでラッキーでした。本当に素敵な先生なんですよ。

投稿: クーデルムーデル | 2007年1月10日 (水) 21時53分

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