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2006年12月15日 (金)

ノロウイルスの診断

 これまでノロウイルスに対する迅速検査法はなかった。それが島津製作所より開発されたようだ。もっとも各病院の手に渡るのは随分先の話しになりそうで、まずは検疫所などへということである。保険点数の問題もあり、まだまだ診断には時間を要するとことはかわりなさそうだ。

 いろいろと文献をあたってみると、空気感染というものも絶対に無いというものでもなさそうだ。というのは

1 糞便中には大量にウイルスが排泄される

2 嘔吐物へのウイルス含有は少量が基本だが定かではない

3 糞便または吐物が乾燥したらウイルスは死滅せず空気中に舞い上がる

4 ウイルスが体内に10~100個入ってくると感染が成立する可能性がある

 これらを総合して考えてみると、糞便をそのまま放置するところは少ないであろうが、トイレの中はもしかしたら便器の隅に付着したものが空気中に漂うことはあるかもしれない。吐物からは少量しかウイルスが排出されないので、吐物の染み込んだカーペットなどの付近では感染が成立することがあるかもしれない。まあ結局のところ、汚物処理をきちんとすることとトイレの換気扇をちゃんとつけることと、手洗い&うがいをすべきということなのだろう。唾液中に含まれ、インフルエンザなどのような飛沫感染を起こすというものではない。

 いたずらに怖がる必要はないが、あたりまえのことをしっかりとやることが大切なのだと考えさせられた。それにしても昨年あたりからこの嘔吐下痢の流行がひどくなっているのはどういうことなのだろうか。これまでも小規模での流行は確かにあったが、これほどまでではなかった。理由がわかれば対策もできるかもしれないのだが。

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コメント

この時期怖くて牡蠣が食べられないチョコひげです・・・。

先生、このすごい流行ってあくまでも人から人に
うつってる数が増えているんですか?
それとも、カキなどの2枚貝に直接中る方が増えているんですか?
ウィルスたちも進化して怖いです・・・。

目に見えないものにおびえる毎日です。

投稿: チョコひげ | 2006年12月15日 (金) 19時41分

こんにちは。
インフルエンザなどは数年ごとに世界的流行したりしますよね。
ノロウイルスの流行は国内だけなのでしょうかね?

あと、先日の先生のコメントどおり、手を尽くしたつもりでも「敵もさるもの」なんですよねー。医療全般に言えるのかもしれませんが…

投稿: いずみん | 2006年12月15日 (金) 21時30分

ノロすごい勢いですね。
今週はノロと他医で診断されていた子が、虫垂炎だったり腸重積だったり・・・こんな時こそ基本に忠実に鑑別診断しなきゃいけません。自分に言い聞かせながら外来やってます。

投稿: 小児がんと生きること管理人 | 2006年12月15日 (金) 22時52分

チョコひげさん

 今も昔も牡蠣を生で食べてノロウイルスに感染する人の割合はさほど変わらないようです。しかしこの流行はやはり二次感染であり糞口感染として人から人へ伝播しているのだと考えられます。
 ということで美味しい時期を逃さず牡蠣を食べようではありませんか。ただし加熱してね。

投稿: クーデルムーデル | 2006年12月16日 (土) 07時45分

いずみんさん

 世界でも流行していますよ。今年に限ってというわけではありませんが。それにしてもどこもあまり研究されていないですね。重篤になるひとが少なく、動物実験のできない(動物に感染しない)ウイルスなので研究対象にならなかったのです。

投稿: クーデルムーデル | 2006年12月16日 (土) 07時52分

小児がんと生きること管理人さん

 本当におっしゃるとおりですね。結構おなかの動きを止めるお薬を使われて訳のわからない状態になっているこどもを見かけますし、必要のない抗生剤を飲まされていたりしているのを見かけると、なんとかしてあげないとと思います。

投稿: クーデルムーデル | 2006年12月16日 (土) 07時55分

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