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2006年11月19日 (日)

癌を患った腎臓の移植

 本日の産経新聞で広島大学名誉教授のコメントがあった。血液病理を専門としている方らしく、病理医の視点でのコメントがなされていた。

 その話では癌は遺伝病であり、癌を移植しても癌にはならないとのことであった。私はこれに異論がある。何故か、それは動物の世界で感染する癌がどんどんと発見されていることからも、癌の発生メカニズムなどまだまだわからないことだらけだからに他ならない。これまでの人体での癌発生のメカニズムは確かにこの先生の言うとおり、遺伝的メカニズムによるところが多い。発生したものを押さえ込むシステムの問題も遺伝によるところが多い。しかしすべてがわかっているわけではない。その上他人に感染するように癌が発生しなくても、腎臓は癌の発生したその人のものなのである。ここに癌が発生するかどうかはわかっていない。米国では14例の腎癌切除後の腎移植が報告されており、いずれも現在までに腎癌の発生はないとのことであるが、それがすべてを表しているとどうして言えよう。

 将来的に癌の発生メカニズムが解明され、移植腎に癌細胞があろうとも移植が可能となる日が来るかもしれない。しかしevidenceのないことを結果オーライで功名心のまま行うことは許されることではない。これこそしっかりした研究結果のもとにおこなわなければならない治療法であろう。この教授のコメントはそういった考え方をも否定しかねないものと考えるがいかがか。

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コメント

おばんです.
癌が遺伝病ならば,腎癌を発症した遺伝子を持つ腎臓を移植する訳なので,もっとリスクを憂慮すべきだという理論になりそうな気がしますがね.
いずれにせよ.この一件で瀬戸内地区の腎不全医療は停滞せざるを得ないでしょうね.

投稿: 職人 | 2006年11月19日 (日) 19時57分

職人さん

 久しぶりです。
 新聞を鵜呑みにしたくはないですが、その記事では「移植を受けた人に癌は発生しないと私は思う。」という表現がなされていました。あなたが思うのは勝手だけれど、本当はどうなのかってところが欠けていて、この教授の口から本当に出た言葉かと疑ってしまいました。

投稿: クーデルムーデル | 2006年11月19日 (日) 21時30分

1例でたらどうするんでしょうね。
たった1例で、すべてがひっくり変える危うい理論だな。

投稿: やぶ | 2006年11月21日 (火) 10時57分

やぶ先生

 いろんな意見があっていいとは思いますが、「法を犯していない」とか「移植された人は喜んでいる」などという意見を述べて擁護する人がネットを賑わしていますね。新しいことをするなら、先を見越し、横槍をたたき落とす理論武装はもちろんのこと、しすぎるほどの根回しを施さないとダメだと思います。私はどう考えても今回の件を許すことが出来ません。

投稿: クーデルムーデル | 2006年11月21日 (火) 17時13分

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