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2006年9月21日 (木)

これも川崎病?

先週入院した5才の女の子。

もともと蕁麻疹が出やすく、かといってアレルギーチェックで何もひっかかってこなかったが、先週蚊に刺された後掻きむしっていたら、全身に痒みを伴う膨隆疹と右足の腫れが出現したために来院した。右足はそけい部のリンパ節も腫脹しており、掻きむしったところからの感染を考え、入院加療とした。炎症反応は軽度亢進しており、入院後発熱してきたこともあり、抗生剤の静脈投与を開始した。

しかし発熱は治まらず、足の腫れは右足を中心に広がる傾向にあったため、抗生剤投与下でのステロイド投与を開始した。PSL1mg/kg/dayで始めたが3日経っても蕁麻疹は一向によくならず、発熱も39℃近く出続けた。

採血ではCRPが入院時1.9だったものが5になり、食事もとれていて下痢もしていないのにAlb 3.0, Ht 35.0, WBC 5800, AST 21, ALT 17, LDH285・・・尿中蛋白は陰性であり、なぜアルブミンが下がってしまうのか・・・もしかして蕁麻疹ではなく血管炎の症状がそのように見えたのか?眼は発赤なく、口もなにもない、頸のリンパ節はやや腫大、四肢は硬性浮腫状・・・

すべてに説明がつくわけではないが、通常量のステロイドの効かない血管炎を考え、γグロブリン(2g/kg)を開始した。すると半日で解熱し、発疹もスッと消えてしまった。心エコーで冠動脈は拡大しておらず、γをつかって3日経つが症状はまったく再燃してこない。

さてこのブログを読んでくださっている皆様。これはいったいなんなのでしょうか?

川崎病?それともその他の血管炎?蕁麻疹だけでここまであって良い?

いろいろとご意見をいただければ幸いです。

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コメント

こんばんは

川崎病の可能性を考えて、ガンマを使用されたのですね。原因不明な発熱には川崎病を念頭に置くことは非常に重要ですが、これだけの所見で、よくそこまで考えが及んだなと感心します。

何らかの血管炎というと、アナフィラクトイド紫斑病などもありますが、紫斑や関節症状、腹痛などもみられなかったでしょうか?

投稿: befu | 2006年9月21日 (木) 22時30分

befu先生

purpuraやpetechiaeもありませんでした。右足は感染か浮腫(Quincke?)で痛がっていたのかと考えていました。何しろPSLも使用していたものですから・・・

全身浮腫が非常に強く、ネフローゼ以外でこれだけ強く出る浮腫を見たことがなかったのであれこれ想像したというのが真相です。

投稿: クーデルムーデル | 2006年9月22日 (金) 07時49分

やはり、アルブミンが低めなのが気になりますよね。血管エンによる血管の透過性亢進にしては何となく、全身性の低アルブミンのようにも思えますよね。やはり、不全型が考えやすいかもしれません。もう少し待ったら、もうちょっと症状が揃ったかもしれませんよ。早く気がついて対処したために不全型で終わったかもしれませんね。あとはマイコプラズマ感染症などもありえるかもしれませんが、ガンマが効きすぎている気がします。無菌性膿尿とかはどうでしょう?
さすが、すばらしい対処ですね。勉強になります。

投稿: Dr.TERU | 2006年9月22日 (金) 08時44分

TERU先生

コメントありがとうございます。おっしゃるとおり、血管の透過性の亢進が著明で、これだけのアルブミンの低下がどうしても説明つかないのです。尿所見は全く正常で、咳などの症状もなく、もちろん胸部レントゲン上も異常陰影を認めません。川崎病の副症状としてのレントゲン異常や尿異常、胆嚢炎その他の症状も確認しましたが、いずれもこれといったものがありませんでした。アルブミンは最低2.8まで下がりましたが、本日3.5まで上昇してきています。CRPもほぼ陰性化しました。

投稿: クーデルムーデル | 2006年9月22日 (金) 11時49分

クーデルムーデルさん、今日は。
初めてコメントいたします。

AKIさんのブログからこちらにおじゃまいたしました。
岩手県で小学校の教員(40代)をしておりますトリトンといいます。

みなさん、お医者様が多くて、門外漢の私がコメントするのは恐縮なのでが…

病気のことは分かりません。それ以外のことで。


偶然、自分のブログに「ヒトスジシマカ」のことを21日、22日の2日間に渡って書きました。
最近、人間の抵抗力が落ちたのか、虫刺されが治りにくくなってきていると感じています。
具体的に言えば、腫れが広い、治りにくい、痕が残る、などです。
また、ヒトスジシマカは生息域が拡大しています。ホトスジシマカは、アカイエカなどよりも毒性が強いのかもしれませんね。厄介なことに、ヒトスジシマカがデング熱の媒介者でもあります。子どものころには、私の住む岩手県北部にはヒトスジシマカはおりませんでした。温暖化で生息域が拡大して、北限が広がってきているのです。

病院の話になりますが、先週末16日~18日の3日間、家内が地元の県立病院に入院しました。その期間はちょうど秋祭りの3日間でした。症状は頭痛と吐き気でした。12年前に「メニエール症候群の疑い」で2週間入院したことがありましたので、心配しましたが今度は違ったようです。

お医者様は、人の命を預かる仕事。
大変ですがこれからも健康に気をつけられて
お仕事にはげんでください。


PS.アキさんのブログで、またお目にかかれるかも知れませんね。私のプロフィールは9月10日分のでチェックしてみてください。

それでは、失礼いたします。

投稿: トリトン | 2006年9月23日 (土) 07時37分

トリトンさん

ようこそ。これからもよろしくお願いいたします。
蚊に対する反応は確かに強くなっているように思います。蚊の種類によるというのも当然でしょうし、人間の反応そのものも激しくなっているかないしは我慢が足りなくて掻きむしってしまうのかというところかもしれません。蚊アレルギーという概念もありますが、ある種のウイルス感染がベースにある場合とんでもない病気に発展することがありますので、あまりにひどい反応をする場合は、医者に診せていただきたいです。

投稿: クーデルムーデル | 2006年9月24日 (日) 19時11分

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