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2006年9月 4日 (月)

頻回再発ネフローゼ?

今日は学校も始まったことだし、月曜といえどもそんなに混まないだろうと思いきや、随分と長話をしてしまい、他の方々にはお待ち頂くことになってしまった。

というのは某医大に通院中だが、治療に納得がいかないとのことで中学生とその母親が2nd opinionを求めて来たのだ。

聞けば8年前にネフローゼを発症し、ステロイドでよくなり、一度ステロイドをやめられた。その半年後に再発し、以降ステロイドをずっと続けているらとのこと。そのステロイドを使いながら、少し減らすと再発するので量も減らせず、一日おきに飲み続けているのだという。3年前にシクロスポリンという薬を加え、それでもステロイドは中止せず、シクロスポリンをやめようとしたところで再発したのでシクロスポリンもステロイドもやめられないでいるらしい。

私たちの考えではこれは最もやってはいけない治療の一つだと思う。再発を怖がるあまりステロイドをやめられないのは本末転倒である。折角ステロイドが効くタイプなので、スパッとやめて、再発したらまた使い始めればよいのである。この一時やめるというのがとっても重要で、ダラダラと使い続けると副作用が出てしまう。やめる期間が長ければ長いほど副作用の発現が抑えられ、しかもネフローゼの型そのものがハッキリする。ハッキリすれば何をどれくらい使うべきか見当もつけられるし、ダラダラとステロイドを使わないから人混みも怖くないし、学校にも行ける。体育だってできちゃうのだ。

どうも某病院では8年で10回再発していて頻回再発なんだと言われているらしいが、半年に3回(初回を含む)、ないしは任意の1年で4回再発した場合を頻回再発とする定義が存在し、それを満たしているかどうかも疑問である。とすると次のステップの治療に入るべきかどうかもわからない。

ステロイドの副作用もこれだけ長期になると必発であろう。肥満・骨粗鬆症・糖尿病・白内障・・・よく知られていないが安静を強要され続けていると、深部血栓や腎内石灰化なども起こってくる。

ただし、頭ごなしにこの治療はいけないなどと言えない。実際には日本の中でこのような治療を推奨している有名な先生・大学が実在するからである。本当に不思議なのだが、ステロイドを長期にダラダラと使い続けていながら、副作用をほとんど出さずにフォローしていける彼らのやり方は、実は彼らにしかできない神業なのである。真似しようとすると副作用で患者さんを苦しめてしまうのだ。何をどう診ていくことでなりたっているのか定かではないため、中途半端に真似するべきではないと思う。

一方我々のやり方であれば、誰でも同じように治療することが出来る。ただしステロイドを長期に使わない代わりに、再発は多くなる。もう一度いうがステロイドが効くタイプの再発は全く怖がる必要はない。それならばステロイドの副作用に苦しむだけ損ではないか??

もともとはネフローゼの治療法が2つの流儀に分かれているのがいけないとは思う。患者さんを惑わすことのないよう、WHOの提唱する我々のやり方に統一していけないだろうか・・・

こういった患児が来院するたびにそう思わずにはいられない。

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コメント

こんにちは
トラックバックありがとうございました。

私は腎臓に関してはほとんど第一線を退いていますが...

<3年前にシクロスポリンという薬を加え、それでもステロイドは中止せず、シクロスポリンをやめようとしたところで再発したのでシクロスポリンもステロイドもやめられないでいるらしい。

CyA+ステロイドでステロイド減量すると再発するのでしょうか?多くはCyAだけでコントロールできて、しばらくのコントロールのあと、CyAを減量してみるという流れと思いますが...

biopsyの情報などはあったでしょうか?

投稿: befu | 2006年9月 4日 (月) 17時42分

befu先生

CyAをのっけている間は原則ステロイドを漸減中止するのが普通だと思います。その上で再発してしまったときはPSLをfull doseで開始し、漸減中止すべきです。そうでないとステロイドを一端中止するための免疫抑制剤が意味をなさなくなります。そしてとりあえず2年間やってCyAを漸減中止した場合、その後再び頻回再発となるのは40%という報告があります。

実はこういった症例は多く、たくさんこちらの病院に相談にいらっしゃいます。困ったものです・・・

投稿: クーデルムーデル | 2006年9月 4日 (月) 18時41分

勉強になりますねえ。

ネフローゼは担当しませんが、ベーチェットの患者さんで、同じように苦しんでいる方がおられます。これも私が主治医ではないのですが、いろいろと相談にだけは見えられますので・・頭をかかえております。

投稿: やぶ | 2006年9月 5日 (火) 12時17分

やぶ先生

ベーチェットの治療法はまた特殊ですよね。眼が重要な治療の舞台になると思うのですが、先生のところにいらっしゃるのは神経ベーチェットの方ですか?精巣上体炎の方?
私はベーチェットの治療経験が残念ながらないので、また教えてください。

投稿: クーデルムーデル | 2006年9月 5日 (火) 13時36分

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