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2006年9月29日 (金)

刺青

春先くらいからちょくちょく皮膚の相談やら風邪やらで来院してくる1才前の子供のお母さん。非常に穏やかでしかもよくこちらの話しを聞き、子供の世話もきっちりしてくるお母さんで、適当な距離感と的確な話しで好感を持って接していた。ただ暑い盛りでもカーディガンを羽織っているのに少し違和感を感じてはいた。おそらく病院の冷房が寒いのだろうと思っていたら、昨日は初めて白いTシャツで診察室に入ってきた。

 「お待たせしました。今日はどうしたか・・・・な・・・・・・・」

 左腕の袖のところからチラチラみえるその深緑色の紋様は何????

しかしお母さんは平然と、しかしちょっと困ったように

 「昨日の夜から今までにないひどい咳をし始めて、ゼイゼイするんです。」

 「どれどれ・・・、ありゃこれは喘鳴だね。これまでこんな感じのゼイゼイはなかったの?」

 「ええ、初めてです。」

 「お父さんも、お母さんも喘息とかアトピーとか花粉症とかない?」

 「鼻炎はありますけど、他はないです。」

 「タバコは吸う?」

 「いいえ、吸いません。」

そういえばタバコのニオイがしてたことなかったな・・・

 「ペットはいる?」

 「いません。」

などという会話のあと、気管支拡張剤の吸入を受けてもらった。当初子供はそれを嫌がったが、無理矢理強いることなく、ゆっくりと落ち着かせるように話しかけながら子供に吸わせていた。

 「う~~ん、できる。。。」

吸入で随分と楽になったので、薬を処方し、本日もう一度来るように言い帰宅させた。

そして先程今度は両親そろって来院した。旦那は今時の30男といったところか、別段変わったところもない、むしろ奥さんにしかれているような男であった。

お母さんは昨日で吹っ切れたのか今日もさわやかな薄いピンクのTシャツでみえた。もちろん左腕には深緑の紋様がちらついていた。欧州で流行っているワンポイントのそれではなく、おそらくなにかの腹の一部ではというような紋様であった。

子供は昨日とうってかわって随分と楽な呼吸になっており、夜もよく眠れていたとのことであった。

このお母さんの言うことなら間違いはないと、これまでも思ってきたし、これからもそうであろう。また月曜日においでと言って帰宅させた。

せんなきことではあるが、これまでの人生でなにがあったのかちょいと想像してみたくなる家族であった。名のある親分の娘か、そこいらのちんぴら風情ではなさそうな・・・・

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コメント

こんばんは
夜間には喘息の方が発作でいらっしゃる季節になりましたね。あ~、これからの夜勤は喘息、発熱、結石の疼痛・・・多分寝る間はありませんね。困った(><)
私ならそのお母さんに「きれいですね。それでこれは~」なんて聞いてしまうと思います^^; 

投稿: あぐねす | 2006年9月29日 (金) 21時43分

あぐねすさん

もう少し信頼関係が築かれたら聞いてみようと思っています。
最近こちらでは喘息だけでなく、嘔吐下痢症もはやり始めました。どんどんといやな季節になってきます。

投稿: クーデルムーデル | 2006年9月30日 (土) 11時43分

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