今年はクソ暑い
夏は暑いものではあるが、本当に暑い!朝から身の危険を感じることもしばしばだ。こんな時に運動なんてとんでもない・・・そうテレビでも連呼しているが、高校野球の中継はいつも通り行われているし、夏祭りはコロナ禍で待ってた人たちのためにと盛大に実施されている。
そんななか、私もよせばいいのにしまなみ海道へ行こうと計画を立ててしまった。それでも午前中のみのライドとし、午後は車を中心とした散策にしようと計画してみたのだ。全長70kmというから、遅くても25km/hで走れるので、3時間なんて余裕!ただ橋を通るためのアップダウンがかなりあるとのこと。それならば2日かければこの酷暑でも大丈夫だろうと考えた。
初日は早朝出発し、尾道へ。尾道から車を妻に預け、サポートをお願いする。自身は船で対岸の向島へ渡る。妻が遠回りで高速道から向島へ渡り、喫茶店で待ち合わせ。残念ながら喫茶店は木曜日休業。後で気付いたが、島の店の多くは週末以外は休業・・・それで生活が成り立つのか??
気を取り直して因島へ。高速道の橋へらせん状の坂道を行くと、橋は二重構造となっており、上が車、下は自転車と歩行者が通行できるとのこと。これは走りやすい!!スイスイと橋を渡って因島へ。因島で早い昼ごはんを計画し、島の南西にあるお好み焼き屋で待ち合わせ。島のサイダーを飲みながら、広島焼きをいただく。島のスタイルは焼きそばではなく焼きうどん!これがまた旨い!!
腹ごしらえが出来たので、正午までの時間を生口島までのライドに使う。目指すは平山郁夫美術館。美しい島と海と空を眺めながら、快調に走る。正午はわずかに超えたが、へたばる前に車とランデブー。荷台に自転車を放り込み、美術館鑑賞へ。大好きな画家の一生と、シルクロードへ掛けた情熱を垣間見、来てよかったと嘆息する。今日の宿はすぐそばにある料理旅館つつ井。まだ時間があるので、次の島である大三島へ車で移動し、大山祇神社へ。霊験あらたかな楠を眺め、ゆっくりと境内を散策した。夕日を眺めながら旅館へ戻り、レモン風呂をいただく。香りと同時に目にも鮮やかなレモンが身体中を刺激してくれる。あ~気持ちいい!
風呂から上がると夕飯だ。実はこの旅館、現在勤めている病院スタッフが結婚式に選んだ場所とのこと。料理がおいしいから是非と言われ予約した経緯だ。先付けからたくさんの小鉢が並ぶ。どれもこれも愛情たっぷりでうまい!お造りも椀物も島のものをふんだんに使って実にさわやか!魚と夏野菜の天ぷらもうますぎてたまらな~い、しかもこれにレモン豚の陶板焼きがついてもう死にそう・・・ごはんと味噌汁が運ばれてきたが、もう無理・・・しかし味噌汁の蓋を開けると、大好きなホウボウがプリっとした身を見せているではないか。口に入れると味噌の香りが立ち上り、あぁもうあかん・・・
大満足で部屋へ戻ると、外が何やらにぎやか。窓の外を覗くと、どうも夏祭りが始まった様子。木曜日なのに?と思いながら少しおなかがこなれたころで夕涼みへ。海辺の灯篭に日が入り、子どもたちが自作の提灯をぶら下げて集まってくる。海へ目をやると、赤い光を灯した船が掛け声と共に近づいてくる。よく見ると赤い光は鳥居を型取っており、向こう岸とこちらを行ったり来たりしている。男衆が集まり、かなりの速さで漕いでいる。それを見ながら子どもたちが歓声を上げている。あ~島の夏祭りとはこういうものだなと旅愁に浸ってしばし眺めた。
翌日は早朝から散歩に出かけた。耕三寺が有名だが、宿からほど近い向上寺へ。国の重要文化財である三重塔はさすがの一言。

これ以外にも法然寺の山門に掘られた竜や狛犬の見事なこと!こりゃとんでもなく文化度が高い地域だと目を見張った。おそらく村上水軍のおかげなのだろう。

散歩のお陰で朝ごはんもまた飛び切り美味しく、お膳を三杯もいただいた。これでライドもばっちりだろうと、意気揚々と宿を駆け出した。レモン谷を抜け、大三島、伯方島と渡り、最後の大島へ。宿のご主人には大島で皆さんつらくなるようですよと言われていたが、南端まで予定より1時間も早くついてしまった。そこには亀老山展望台という標高380mの山があり、来島海峡を臨む絶景ポイントらしい。ただ斜度もかなりで、チャリダーには過酷とも言われていた。さすがにこの酷暑で行く気はないと妻に宣言していたのではあるが・・・一時間の余裕が判断を狂わせ、展望台登頂に舵を切った。噂にたがわぬ激坂・・・自転車につけたボトルは既にぬるま湯になっていて、頭からかぶれども涼は得られず・・・しかし30分ほどの奮闘で登り切った!

いや~~絶景哉!
この景色を見ずしてしまなみ海道は語れないな。そう思わせるに十分な絶景を堪能した。その後予約していたレストランで食事をするために車へ自転車を乗せて移動。続けて大島を逆走し、村上水軍の本拠地能島観光へ。

ゴーゴーと音を立てて流れる瀬戸を眺めながら、水軍で栄えたこの海道を想った。やあ、酷暑の中だったがこうして走ってみて、本当によかった!
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